【2024年】おすすめの国産マニュアル車11選|魅力や注意点も合わせて解説
- 筆者: MOTA編集部
- カメラマン:堤 晋一/茂呂 幸正/和田 清志/トヨタ自動車
自動運転技術の発展とともに、自動車の操作はますます自動化が進んでいます。しかし、そんな時代だからこそ、自ら操る喜びを味わえるマニュアル車に注目が集まっています。
クラッチやシフトレバーを操作する煩雑さや、渋滞での疲労といったデメリットもありますが、ドライバー自身の操作で車を操る楽しさは唯一無二です。
この記事では、マニュアル車の魅力とメリット、デメリットやおすすめ車種、運転時の注意点、よくある質問なども紹介します。
マニュアル車とは?
マニュアルトランスミッションを装備している車は、「マニュアル車」や頭文字を取って「MT車」とも呼ばれています。
クラッチペダルとシフトレバーを操作して手動で変速する車です。
クラッチペダルは、エンジンへの動力を制御し、シフトレバーはギアを変更(変速)します。
オートマチック車との違い
オートマチック車はオートマ車、AT車とも呼ばれており、マニュアル車のようにクラッチペダルの操作がなく、D(ドライブ)設定しておけばシフトレバーによるギア変速は必要ありません。
オートマチックトランスミッションによって、適切なギアは自動的に選択されます。
運転者が自らギアを変更する必要がないため、手軽に運転を楽しめる車です。しかし、マニュアル車のほうが、車を操作している感覚を味わえます。
運転免許にはオートマ限定免許と制限のない普通自動車免許があります。オートマ限定免許ではマニュアル車には乗れません。
マニュアル車の魅力・メリットとデメリット
マニュアル車の魅力・メリット
マニュアル車は運転者自身がギア操作を行います。オートマ車とは異なる感覚を味わうことができる車です。
ここではそんなマニュアル車の魅力、メリットを3つご紹介します。
楽しい運転体験
マニュアル車は、運転を楽しみたい人にとって最適な車です。
自分の意思でギアを選び、変速して走行することができるため、車を操作している感覚を味わうことができます。
車との一体感を得ることができるため、単なる移動手段ではなく、運転を楽しむための乗り物となります。
アクセルとブレーキの踏み間違いが起こりにくい
マニュアル車では、発進や加速のたびにクラッチ、アクセル、ブレーキペダルを操作する必要があります。
ギアの選択を誤ると、車の挙動がおかしくなる、クラッチ操作を誤るとエンジンストップ(エンスト)する可能性があります。そのため、操作ミスにはすぐに気づくことができます。
また、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進も、マニュアル車では起こりにくいと言えます。
このように、マニュアル車はペダル操作ミスに気づきやすく、安全運転につながる利点があります。
適切なギア選択により燃費を抑えることができる
マニュアル車では、ドライバーの意思でシフトチェンジができるため、オートマ車よりも燃費が向上する傾向があります。
エンジン回転数を上げるために低いギアを使用するよりも、エンジン回転数を下げるために高いギアを使用して走行する方が燃費が良いです。
マニュアル車のデメリット
マニュアル操作が必要であることは、メリットにもデメリットにもなり得ます。
ここではマニュアル車のデメリットを3つご紹介します。
免許取得までにかかる時間が長く、取得費用も高い
マニュアル車はオートマ車よりも操作が複雑なため、オートマ限定免許と比べて免許取得までには費用が高く、教習時間も長いです。
技能教習では、オートマ車が31時限に対して、マニュアル車は34時限が必要です。教習所の費用も数万円高くなります。
オートマ車よりも操作が複雑
アクセルやブレーキの他に、クラッチやシフトレバーの操作を行うマニュアル車は、オートマ車よりも運転難易度が高いです。クラッチ操作を誤るとエンストを起こしてしまうこともあるでしょう。
走行中は頻繁にクラッチを操作しなければなりません。
運転速度に対してエンジンの回転数が低すぎると、ノッキング(エンジン内で生じる異常燃焼によって起こる金属音を伴った異音や振動)が発生し、車が揺れます。
例えば高いギアに入れたまま右左折を行ったり、2速以上で発進させたりする際に起こります。
坂道発進では、オートマ車とは違う操作が必要です。
坂道の途中で停止し、再度発進する場合は、まずサイドブレーキを引いて車を固定し、半クラッチにして車が少し動き始めたのを感じてからサイドブレーキをゆっくり下ろします。
いきなりクラッチ操作をしてしまうと、ギアが上手くつながらずにエンストの原因となってしまうため、気をつける必要があります。
車種の選択肢が少ない
現在ではオートマ車が主流となっているので、マニュアルとして販売される車は減っています。
国産車、輸入車を問わずオートマ車が多くなってきており、マニュアル車を買いたいとなれば選択肢は少なくなります。
軽・コンパクトのおすすめ人気のマニュアル車5選
軽自動車やコンパクトカーには、マニュアル車として販売されている車は多数あります。ここからは人気のマニュアル車をご紹介します。
スズキ ジムニー
ジムニーは1970年に発売され、長い間人気のある車です。本格的な4WD性能が魅力で、通常は2WDとして走行できますが、必要に応じて4WDに切り替えられるパートタイム4WDというシステムを搭載しています。
また、ジムニーは特徴的なエクステリアデザインで、オフロード走行を意識した力強さを感じさせます。
予防安全機能や衝突安全機能も備えているため、快適にドライブできます。
グレードはXG、XL、XCの3つが用意されています。
グレード(参考) | XG |
---|---|
排気量 | 658cc |
最高出力 | 64馬力 |
最大トルク | 96Nm |
トランスミッション | 5速マニュアル |
価格 | 165万4400円 |
ダイハツ コペン
コペンは、軽自動車規格の2人乗りオープンカーです。ライバル車であるホンダ S660は2022年3月まで販売されていましたが、それ以降はコペンが新車で購入できる国産軽オープンカーとして唯一の存在です。
荷室は見た目以上に広く、通勤や通学、買い物、日常生活の使用も可能です。
グレードは、ローブ、エクスプレイ、セロ、ローブS、エクスプレイS、セロS、GRスポーツの7つが設定されています。
グレード(参考) | ローブ |
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排気量 | 658cc |
最高出力 | 64馬力 |
最大トルク | 92Nm |
トランスミッション | 5速マニュアル |
価格 | 188万8700円 |
ホンダ N-ONE RS
N-ONE RSは、ホンダの軽自動車「Nシリーズ」の中でスポーティなモデルです。軽自動車で初めてとなるFFターボと6速マニュアルの組み合わせで、軽快な加速を楽しむことができます。
インテリアには、本革ステアリングとシフトノブが装備されており、スポーティな雰囲気を演出しています。
荷室は、4人が乗車しても十分なスペースを確保しています。また、荷室の高さも低く抑えられているため、使いやすいです。
さらに、後席の座面を上げることで、高さのある荷物も積むことができます。
グレード | RS |
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排気量 | 658cc |
最高出力 | 64馬力 |
最大トルク | 104Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 206万2500円 |
トヨタ GRヤリス
GRヤリスは、ヤリスをベースにして開発されたコンパクトサイズのスポーツカーで、WRC(世界ラリー選手権)への参戦を可能にするためのホモロゲーション(承認)を取得しています。
最小回転半径5.3mと小回りが利くため、日常的な買い物や通勤にも適しています。
GRヤリスは、RC、RZ、RZハイパフォーマンスの3つのグレードが展開されています。
グレード(参考) | RC |
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排気量 | 1618cc |
最高出力 | 304馬力 |
最大トルク | 400Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 349万円 |
スズキ スイフトスポーツ
スイフトスポーツは、スズキのコンパクトカー、スイフトのスポーツモデルとして誕生しました。
現行モデルにはターボエンジンを搭載しており、排気音はスポーティなサウンドでスポーツカーらしさを演出します。
新プラットフォーム「HEARTECT」を採用し、軽量化しながらも基本性能を維持し、室内と荷室スペースも確保。予防安全技術のスズキ セーフティ サポートも搭載されています。
グレード | ベースグレード |
---|---|
排気量 | 1371cc |
最高出力 | 140馬力 |
最大トルク | 230Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 216万4800円 |
国産スポーツカーのおすすめ人気のマニュアル車6選
特にスポーツカーのオーナーは、スタイルや走りにこだわる人が多いです。
そのため、マニュアルを希望する声も多く聞かれ、いくつものマニュアルモデルが販売されています。
ここでは、マニュアルが設定されている国産スポーツカーを紹介します。
マツダ ロードスター
ロードスターは2シーターのオープンカーです。
ライトウェイトスポーツカーに分類され、軽快なハンドリングと十分な加速性能で、アクセルワークやコーナリングを楽しむことができる車です。
2シーターでコンパクトですが、トランクルームは独立型で、2人分の荷物を積むには十分な広さがあります。
ロードスターにはリーフが幌タイプと電動開閉式のハードトップの2種類があります。幌タイプのグレードはS、Sスペシャルパッケージ、Sレザーパッケージ、SレザーパッケージVセレクション、RSの5種類があります。
ルーフが電動開閉式のロードスター RFには、S、VS、RSの3種類のグレードが設定されています。
グレード(参考) | S |
---|---|
排気量 | 1496cc |
最高出力 | 136馬力 |
最大トルク | 152Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 289万8500円 |
トヨタ GR86
GR86は、スタイリッシュなデザインの車です。
水平基調のボディライン、ワイドなリアフェンダー、シャープなヘッドライトなど、人目を引くデザインとなっています。水平基調の骨格とワイドボディによる低重心は、スポーツカーとして申し分ありません。
一部改良によって新たに搭載された2.4Lエンジンにより、幅広い速度域で走る楽しさを体感することができます。
さらに、純正パーツのラインナップが豊富なため、好みのカスタマイズが楽しめます。
GR86には、RC、SZ、RZの3つのグレードがあります。
グレード(参考) | RC |
---|---|
排気量 | 2387cc |
最高出力 | 235馬力 |
最大トルク | 250Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 291万6000円 |
スバル BRZ
BRZは、トヨタと共同開発で生まれた車で、スバル車の中では唯一のクーペタイプのスポーツカーです。先ほどご紹介したGR86と兄弟車となっています。
ただし、デザインには違いがあり、ヘッドライトやグリルはGR86よりも落ち着いたデザインです。BRZは空気抵抗を意識したデザインとなっており、直進安定性能が高く、高速道路でも安定した走りが可能です。
GR86と同じ水平対向エンジンを搭載し、低速域から力強く走ります。
また、快適な運転をサポートする安全装備のアイサイトも備わっています。
BRZのグレードはR、S、STIスポーツの3つです。
グレード(参考) | R |
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排気量 | 2387cc |
最高出力 | 235馬力 |
最大トルク | 250Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 330万円 |
日産 フェアレディZ
フェアレディZは、1969年から続く長い歴史を持つスポーツカーです。
ロングノーズや軽量モノコックボディなどが特徴で、本格的なスポーツカーとして人気があります。
インテリアでは、スポーツカーらしいデザインが採用されており、ダッシュボードに装備された3連メーターが目を引きます。
3L V6エンジンのパワフルな運転フィールは、燃費競争の激しい昨今の新型車ではなかなか味わえません。
フェアレディZのMTモデルには、名前のないベースグレードと、バージョンS、バージョンSTの3つのグレードがあります。
グレード(参考) | ベースグレード |
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排気量 | 2997cc |
最高出力 | 405馬力 |
最大トルク | 475Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 539万8800円 |
ホンダ シビックタイプR
シビックタイプRは、2L直4ターボエンジンを搭載した、操る楽しさを感じられるクルマです。アクセル操作のレスポンスを高め、地面に吸い付くような走りを楽しむことができます。
新設計のシフトレバーは握りやすいティアドロップ型です。独自のシフトリンク機構により、4速から5速といったギアを斜めに操作する時にも滑らかなシフトフィールを実現し、気持ちの良い操作感が味わえます。
さらに、走行データを自動解析し、ドライビングスキル向上をサポートする、シビックタイプR専用データロガーアプリ「Honda LogR」も搭載されています。これにより、パフォーマンスモニターが車両の状態を表示し、走行データの採点や解析が可能です。
グレード | タイプR |
---|---|
排気量 | 1995cc |
最高出力 | 330馬力 |
最大トルク | 420Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 499万7300円 |
トヨタ GRスープラ
GRスープラは、1978年に初代スープラとして登場して以来、直6エンジンを搭載したFR車として知られています。
2019年には、4代目スープラの販売終了から17年ぶりに車名を復活させ、BMW Z4との兄弟車として新たなデザインで再登場しました。
初期の販売ではAT車のみでしたが、2022年の一部改良では、3L 直6エンジンに合わせて新たにマニュアルも開発され、1グレードのみで提供されています。
グレード | RZ |
---|---|
排気量 | 2997cc |
最高出力 | 387馬力 |
最大トルク | 500Nm |
トランスミッション | 6速マニュアル |
価格 | 731万3000円 |
マニュアル車を運転するときに注意すべきポイント
マニュアル車はクラッチペダルやシフトレバーの操作が必要です。
ここでは、マニュアル車を運転するときに注意すべきポイントをご紹介します。
左足をクラッチペダルに乗せ続けない
運転中にクラッチペダルに足を乗せ続けるのは避けましょう。
クラッチペダルに足を乗せ続けると、踏まなくても足の重さで半クラッチになることがあります。
半クラッチの状態が続くとクラッチ板が摩耗するため、必要のない時は足を離すようにしましょう。
変速が必要なくなったら、左足はフットレストに置いておくと良いでしょう。
半クラッチを頻繁に使用しない
半クラッチを頻繁に使用することも避けた方が良いです。
発進やシフトチェンジの時には半クラッチが必要ですが、過度に使用するとクラッチ板が摩耗します。
もしクラッチ板が使えなくなり交換が必要になると、数万円の費用がかかります。
クラッチ板を長持ちさせるためには、必要な時だけ半クラッチを使用するようにしましょう。
クラッチやシフトを中途半端に操作しない
ギアが確実に入っていない時や、クラッチの踏み込みが不十分な時にはシフトチェンジできません。
中途半端な操作はシフトチェンジを正しく行うことができないため、確実にギアを入れるためにはクラッチをしっかり踏み込むことを意識してください。
走行中にシフトノブを握り続けない
シフトノブを握り続けることも避けるべきです。
シフトノブはトランスミッションに接続されています。必要以上に強く握って重みをかけると、シフトノブが受ける振動などの力を逃がすことができず、パーツの摩耗を引き起こす原因となります。
シフトチェンジを行ったら、シフトノブから手を離すようにしましょう。
マニュアル車に関するよくある質問
ここではマニュアル車に関するよくある質問内容をご紹介します。
マニュアル車の運転に必要な免許は?
マニュアル車の運転には「普通自動車第一種免許」が必要です。
普通自動車の免許には、マニュアル車とオートマ車の両方が運転できる限定なし免許と、オートマ車のみ運転できるAT限定免許があります。
AT限定免許しか持っていない人がマニュアル車を運転するには、教習所で限定解除の教習を受けないといけません。
中古のマニュアル車を購入する際に見るべきポイントは?
そもそもクラッチが繋がらないと発進すらできません。
中古車を購入するときは、試乗を行い、エンジンをかけてクラッチを繋いで発進させてみましょう。繋がるポイントが手前すぎる、または不自然だとクラッチの板が摩耗している可能性があります。
またスムーズな変速を助けるシンクロメッシュも確認すべき部分です。シンクロメッシュがあまりにも消耗していると、いくら丁寧に変速をしても金属音が発生し、スムーズな変速ができません。
変速時に異音が鳴る場合はシンクロメッシュが消耗していると考えて良いでしょう。
ただし、マニュアル車への知識や経験がない方にとっては上記は判断できないでしょう。そのため、信頼のできるお店で、保証がついた車両を買うのがおすすめです。
まとめ
マニュアル車は、クラッチペダルやシフトレバーを操作して、自分で車を操る感覚を味わえます。もし車の走りを楽しみたいと思うのであれば、マニュアル車が最適です。
オートマ車が一般的になってきている中でも、マニュアルモデルはまだまだ多く存在しています。
軽自動車やスポーツカーにもマニュアル車がありますので、ぜひお気に入りの1台を見つけてみてください。
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