【2022年トヨタ 新型ノア vs ホンダ 新型ステップワゴン】大勢での移動重視なら新型ステップワゴン、燃費や先進安全機能なら新型ノアを選ぶべきだ!

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:堤 晋一/茂呂 幸正/島村 栄二
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話題の新型車といえば、今はミニバンのホンダ 新型ステップワゴンとトヨタ 新型ノア&ヴォクシーです。両車とも2022年に発売され、注目度を高めています。

格好のライバル同士でもあるため、新型ステップワゴンe:HEV(ハイブリッド)スパーダと、新型ノアハイブリッドS-Zを比較してみましょう。両車ともエアロパーツを装着しています。

目次[開く][閉じる]
  1. ■対決1:視界&運転のしやすさ比較
  2. ■対決2:内装の質感と視認性/操作性比較
  3. ■対決3:居住性比較
  4. ■対決4:乗降性比較
  5. ■対決5:シートアレンジ&荷室比較
  6. ■対決6:動力性能&加速の滑らかさ比較
  7. ■対決7:走行安定性と操舵感比較
  8. ■対決8:乗り心地比較
  9. ■対決9:燃費性能比較
  10. ■対決10:安全装備&運転支援機能比較
  11. ■対決11:買い得グレードと価格の割安度比較
  12. ■結論:それぞれのミニバンの推奨ユーザーとは

■対決1:視界&運転のしやすさ比較

サイズ

ボディサイズは新型ステップワゴンe:HEVスパーダの全長が4830mm、全幅は1750mmです。新型ノアハイブリッドS-Zは全長4695mm、全幅1730mmです。

両車を比べると、新型ステップワゴンは新型ノアよりも135mm長く、20mmワイドですが、視界も優れています。最小回転半径は、新型ステップワゴンが5.4m、新型ノアは5.5mなので、少し運転しやすく感じます。

勝敗:新型ステップワゴンの勝ち

■対決2:内装の質感と視認性/操作性比較

インパネは両車ともに水平基調のデザインで、視認性が良いです。

各部の配置も似ていますが、新型ステップワゴンのATは、Dレンジが押しボタン式になり、慣れないと操作しにくいです。

インパネの質感は僅差ですが、光沢を伴うパーツの使い方などは、新型ノアが少し上質に感じられます。

勝敗:新型ノアの勝ち

■対決3:居住性比較

1、2列目シートの座り心地は、両車ともに同程度ですが、3列目は新型ステップワゴンが快適です。座面の奥行寸法は新型ノアに比べて少し短いものの、柔軟性があります。新型ステップワゴンは、背もたれの下側にも十分なボリュームを持たせました。

身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節した時、3列目に座る乗員の膝先空間は、新型ノアが握りコブシ1つ半、新型ステップワゴンは2つ分です。多人数乗車時の快適性を重視するなら、新型ステップワゴンを推奨します。

新型ステップワゴンは、内装をスッキリとシンプルに仕上げたので、2、3列目に座った時の雰囲気も、新型ノアに比べて開放的です。

勝敗:新型ステップワゴンの勝ち

■対決4:乗降性比較

スライドドア部分における路上から床までの高さは、新型ステップワゴンは390mmですが、新型ノアは若干低く380mmです。乗降性は新型ノアが少し優れています。

さらに新型ノアは、電動リアゲートに連動して外側へ出てくる機械式ユニバーサルステップ(サイドステップ)を、3万3000円の低価格でメーカーオプション設定しています。

勝敗:新型ノアの勝ち

■対決5:シートアレンジ&荷室比較

セパレートタイプとなる7人乗りの2列目シートには、 両車ともロングスライド機能を採用しました。

新型ノアはストレートに745mmスライドできます。

新型ステップワゴンでは、865mmのスライドが可能な代わりに、ロングスライド時には2列目シートを内側へ寄せねばなりません。外側の状態でスライドできるのは610mmまでです。

また新型ノアの3列目シートは、レバーを引くだけで持ち上がり、外側へ押し付けるとロックし、片手で格納することが可能です。

新型ステップワゴンは3列目を反転させて床下に格納します。シートアレンジと荷室の使い勝手は、全般的に新型ノアが優れています。

勝敗:新型ノアの勝ち

■対決6:動力性能&加速の滑らかさ比較

新型ステップワゴンのe:HEVでは、エンジンは主に発電機を作動させ、駆動はモーターが受け持ちます。そのために新型ステップワゴンの動力性能と加速感は、電気自動車に近いです。

アクセル操作に対して機敏に反応して、加速は滑らかです。ノイズも小さく、新型ノアよりも動力性能が高く、走りも上質です。

勝敗:新型ステップワゴンの勝ち

■対決7:走行安定性と操舵感比較

新型ステップワゴンと新型ノアでは、ハンドリングの性格が異なります。

新型ステップワゴンは操舵に対する反応は正確ですが、峠道などを走ると、少し曲がりにくく感じます。旋回軌跡を拡大させやすい面も見られます。

その代わり後輪の接地性は高く、直進安定性は良好です。高速道路のトンネルから出た時に横風にあおられても、進路を乱されにくいです。カーブを曲がる時のボディの傾き方は大きめですが、挙動の変化が穏やかに進むため、ドライバーは安心して対処できます。

新型ノアはステップワゴンに比べるとスポーティな印象です。峠道などを走ると、新型ステップワゴンに比べて車両の進行方向を内側へ向けやすいです。その代わり、新型ステップワゴンほど後輪の接地性は高くありません。両車は一長一短です。

勝敗:引き分け

■対決8:乗り心地比較

足まわりの設定は、新型ステップワゴンが少し柔軟です。

時速40km以下では、新型ステップワゴンも乗り心地が少し硬めですが、新型ノアに比べるとリラックスして乗車できます。新型ステップワゴンの快適性が高いです。

勝敗:新型ステップワゴンの勝ち

■対決9:燃費性能比較

新型ステップワゴンe:HEVスパーダのWLTCモード燃費は19.6km/Lです。新型ノアハイブリッドのエアロ仕様は、2WDなら23km/Lです。

新型ノアのWLTCモード燃費は、新型ステップワゴンに比べて17%優れ、新型ノアの燃料代は新型ステップワゴンの85%で済みます。

勝敗:新型ノアの勝ち

■対決10:安全装備&運転支援機能比較

新型ステップワゴンも必要な安全装備は標準装着しますが、新型ノアは付加価値が高いです。

衝突被害軽減ブレーキは、自車が右左折する時にも作動します。直進してくる対向車や横断歩道上の歩行者との衝突事故も回避できます。

オプションでは、電動スライドドアが開き掛けている時にほかの車両が接近すると、作動を停止させて降車時の事故を防ぐ機能も備わります。

新型ノアは運転支援機能のオプションも充実しており、高速道路上で渋滞に見舞われた時、条件が合えばステアリングホイールから手を離しても制御が続きます。つまりステアリング操作とペダル操作の両方が支援されるわけです。

また新型ノアならスマートフォンを使って、ドライバーが降車した後に、車外から車庫入れを支援する機能もあります。

以上のように先進的な安全装備と運転支援は、新型ノアが圧倒的に充実しています。

勝敗:新型ノアの勝ち

■対決11:買い得グレードと価格の割安度比較

新型ステップワゴンの買い得グレードは、ハイブリッドを搭載してエアロパーツを装着するe:HEVスパーダ(364万1000円)です。

新型ノアも同様にエアロ仕様のハイブリッドS-Z(367万円)が買い得なベストグレードです。

価格は両車とも360万円台に設定され、装備内容は一長一短です。新型ステップワゴンe:HEVスパーダには、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーション、リアゲートの電動開閉機能、7人乗りのオットマンなどが標準装着されます。

これらは新型ノアではオプション設定です。

その代わり新型ノアには、ディスプレイオーディオが標準装着され、新型ステップワゴンのカーナビはオプション設定です。先に述べた通り安全装備にも違いがあります。

勝敗:引き分け

■結論:それぞれのミニバンの推奨ユーザーとは

2、3列目シートの居住性、動力性能、乗り心地を重視するユーザーには、新型ステップワゴンを推奨したいです。「大勢で移動する」という、ミニバンの機能を大切に開発されたからです。

その一方で新型ノアは、新型ステップワゴンに比べると走りが機敏で、ミニバンでは若干スポーティな運転感覚を味わえます。

燃費性能も優れ、安全装備と運転支援機能は、新型ステップワゴンを引き離します。その意味で新型ノアは、燃費と先進装備を重視するユーザーに推奨したいです。

【筆者:渡辺 陽一郎】

トヨタ/ヴォクシー
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新車価格:
309万円396万円
中古価格:
14.8万円10,015.8万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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