【2023年】ホンダ N-BOX vs ダイハツ タント価格の割安度から実用性、納期まで徹底比較

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今は日本で販売される新車の約40%が軽自動車です。この中でも特に販売が好調なタイプが、全高を1700mm以上に設定したスライドドアを備えるスーパーハイトワゴンです。

このタイプの代表が、国内のベストセラーとなるホンダ N-BOXと、軽自動車では2番目の売れ行きになるダイハツ タントです。この2車種は人気絶頂の軽自動車です。

今回はこの2車種を徹底的に比較してみましょう。

目次[開く][閉じる]
  1. ボディスタイル/サイズ/視界/運転のしやすさ比較
  2. 内装のデザイン/質感/視認性/操作性比較
  3. 前席・後席の居住性比較
  4. 乗降性比較
  5. 荷室&シートアレンジ比較
  6. 動力性能&エンジンフィーリング比較
  7. 走行安定性&操舵フィーリング比較
  8. 乗り心地&静粛性比較
  9. 安全装備&運転支援機能比較
  10. 燃費性能比較
  11. 買い得グレード/価格の割安度/納期比較
  12. 総合評価と推奨ユーザー

ボディスタイル/サイズ/視界/運転のしやすさ比較

両車ともボディスタイルは水平基調で視界は良いです。最小回転半径は、売れ筋の14インチタイヤ装着車で見ると、N-BOXは4.5m、タントは4.4mで、小回りの利きは後者が若干優れています。

ボディサイズ比較

N-BOX/N-BOXカスタム

全長全幅全高ホイールベース
FF3395mm1475mm1790mm2520mm
4WD1815mm

タント/タントカスタム/タントファンクロス

全長全幅全高ホイールベース
タント/タントカスタム 2WD3395mm1475mm1755mm2460mm
タント/タントカスタム 4WD1775mm
タントファンクロス 2WD1785mm
タントファンクロス 4WD1805mm

勝敗:タントの勝ち

内装のデザイン/質感/視認性/操作性比較

両車ともにメーターは、インパネの高い奥まった位置に装着されています。視認性は良いですが、上下方向の厚みがあり、小柄なドライバーが座ると圧迫感が生じやすいです。

その上で比較すると、N-BOXは細部の装飾類などにより、質感を高めました。

勝敗:N-BOXの勝ち

前席・後席の居住性比較

前席の座り心地は、座面に柔軟性を持たせたN-BOXが少し快適です。後席は逆で、N-BOXは柔軟性が乏しく、タントが快適です。

身長170cmの大人4名が乗車すると、後席(後端までスライドさせた状態)に座る乗員の膝先空間は、N-BOXが握りコブシ4つ少々で、タントは4つ分です。それでも僅差ですから、前後席の居住性は同程度です。

勝敗:引き分け

乗降性比較

タントは左側の中央に装着されるピラー(柱)をスライドドアに内蔵しました(ミラクルオープンドア)。従って左側の前後のドアを両方ともに開くと、開口幅が1490mmとワイドに広がります。N-BOXもピラーを装着しながら640mmを確保しましたが、タントのピラー内蔵型のドアは、圧倒的にワイドです。

ドアの開口幅が1490mmに達すると、ベビーカーを抱えた状態で乗り込めます。助手席を予め前側にスライドさせておくと、車内で子供をベビーカーから降ろして後席のチャイルドシートに座らせ、親は降車せずに運転席まで移動できます。

このように右側に座るドライバーを含めて、左側から乗り降りしやすいことがタントのメリットです。タントであれば、ワイドな開口幅によって体をよじらずに乗り降りできるため、高齢者にも優しいです。

勝敗:タントの勝ち

荷室&シートアレンジ比較

N-BOXは燃料タンクを前席の下に搭載したので、荷室の床が低いです。路面からリヤゲート開口部の下端までの高さを470mmに抑えました。タントの580mmに比べて低く、自転車を積む時も、前輪を大きく持ち上げる必要がありません。

N-BOXは後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がります。床に傾斜ができますが、低い位置で格納されるため、荷室高は十分です。

その点でタントは、背もたれを前側に倒しても座面は下降しません。荷室の床が高く、荷室高も不足します。その代わり荷室後端に装着されたデッキボードを高い位置にセットすると、段差はなくなります。床の位置は高くても、平らな空間に変更できます。

またN-BOXは燃料タンクを前席の下に搭載したため、後席の座面を持ち上げると、室内高が140cmの空間ができます。後席側のスライドドアから、背の高い荷物を積むことも可能です。このようにN-BOXはシートアレンジが充実しています。

勝敗:N-BOXの勝ち

動力性能&エンジンフィーリング比較

動力性能の違いが生じるのは、売れ筋のノーマルエンジン車です。N-BOXは実用回転域の駆動力が高く、高回転域まで保ちますが、タントはボディの重さを意識させます。エンジンは扱いやすいですが、N-BOXに比べると、加速時のボリューム感が少し乏しいです。

一方、ターボエンジンは、両車ともに1Lのノーマルエンジンを搭載している感覚で運転できます。実用回転域の駆動力がノーマルエンジンの1.6倍に増えて、WLTCモード燃費の悪化率は6〜8%に収まるため、ターボは効率が優れています。

販売店でノーマルエンジン車を試乗して、登り坂などでパワー不足を感じたら、ターボも確認しましょう。

勝敗:N-BOXの勝ち

走行安定性&操舵フィーリング比較

走行安定性はタントが少し優れています。カーブを曲がったり車線を変える時のボディの傾き方は、タントがN-BOXよりも少し小さいです。

またステアリングホイールを回し始めた時の反応も、タントの方が正確です。

勝敗:タントの勝ち

乗り心地&静粛性比較

N-BOXは、カーブを曲がる時などにボディが大きめに傾く半面、足まわりは柔軟に伸縮します。タントに比べて路上のデコボコを伝えにくく、乗り心地は快適です。タントは時速40km以下で硬さを感じます。

またN-BOXは、動力性能に余裕があることも影響して、ノイズもタントに比べて小さいです。

勝敗:N-BOXの勝ち

安全装備&運転支援機能比較

衝突被害軽減ブレーキは、両車ともに標準装着しています。しかし運転支援機能は設定が分かれ、タントの場合、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどは、メーカーオプション設定になっています。N-BOXは標準装着しています。

勝敗:N-BOXの勝ち

燃費性能比較

N-BOXのWLTCモード燃費は、2WDのノーマルエンジンが21.2km/L、ターボは20.2km/Lです。

タントの2WDは、標準ボディのノーマルエンジンが22.7km/Lで、カスタムXは21.9km/Lです。ターボは標準ボディ、カスタムともに21.2km/Lです。このようにWLTCモード燃費は、総じてタントが優れています。

N-BOXの燃費

エンジンWLTCモード市街地モード郊外モード高速道路モード
ノンターボ(NA) FF21.2km/L18.7km/L22.5km/L21.6km/L
ノンターボ(NA) 4WD19.8km/L17.5km/L21.0km/L20.2km/L
ターボ FF20.2km/L17.4km/L21.7km/L20.7km/L
ターボ 4WD19.0km/L16.6km/L20.3km/L19.4km/L

タントの燃費

WLTCモード市街地モード郊外モード高速道路モード
NA 2WD22.7km/L20.9km/L24.3km/L22.6km/L
NA 4WD21.4km/L19.5km/L22.6km/L21.6km/L
ターボ 2WD21.2km/L19.5km/L22.6km/L21.1km/L
ターボ 4WD19.6km/L18.0km/L20.8km/L19.6km/L

勝敗:タントの勝ち

買い得グレード/価格の割安度/納期比較

N-BOXの買い得グレードは、標準ボディのL(157万9600円)です。タントは標準ボディのX(150万7000円)になります。いずれもエンジンはノーマルタイプで駆動方式は前輪駆動の2WDです。

N-BOXには運転支援機能が標準装着され、タントにはサイド&カーテンエアバッグがセットされています。

装備の違いは同程度ですが、タントは前述の通り左側の中央に装着されるピラーをドアに内蔵させ、ワイドな開口幅を得られます。さらに価格も少し安いので、タントが買い得です。

納期はN-BOXが6か月、タントが4か月になります。

N-BOX

グレードエンジントランスミッション駆動方式価格(税込)
G660cc DOHCCVTFF144万8700円
4WD158万1800円
LFF157万9600円
4WD171万2700円
L・ターボFF177万8700円
4WD191万1800円
EXFF167万8600円
4WD181万1700円
EX・ターボFF182万9300円
4WD196万2400円
L コーディネートスタイルFF179万9600円
4WD193万2700円
L・ターボ コーディネートスタイルFF190万9600円
4WD204万2700円

タント

グレードエンジントランスミッション駆動方式価格(税込)
L660cc NA

(自然吸気)

CVT2WD138万6000円
4WD151万2500円
X2WD154万円
4WD166万1000円
ターボ660cc ターボ2WD165万円
4WD177万1000円

勝敗:タントの勝ち

総合評価と推奨ユーザー

N-BOXは後席の座り心地が不満ですが、内外装は上質で乗り心地も良く、ノイズは小さいです。快適に移動できる軽自動車が欲しいユーザーに最適です。後席はワンタッチで小さく格納できるため、自転車のような大きな荷物を積む用途にも適します。

一方、タントは、ワイドに開くスライドドアが特徴です。運転席のロングスライドシートをオプション装着して、後端に寄せると、車内の移動もしやすいです。ベビーカーを使う子育て世代のユーザーにピッタリです。

N-BOXとタントは両方ともにスーパーハイトワゴンで、外観は似ていますが、使い勝手と推奨されるユーザーは異なっています。

勝敗:引き分け

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/MOTA編集部】

ホンダ/N-BOX
ホンダ N-BOXカタログを見る
新車価格:
144.7万円234.1万円
中古価格:
15.9万円1,655.5万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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