【2024年】トヨタ ヤリスの価格や内装、サイズ、燃費、おすすめグレードなどを紹介
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林 岳夫/茂呂 幸正/MOTA編集部
トヨタ ヤリスは2020年2月10日に発売されたコンパクトカーです。ライバルも多いボディタイプですが、ハイブリッドの燃費の良さや価格の安さにより人気の高いクルマです。
今回はそんなヤリスの価格や内装、サイズ、燃費、おすすめグレードなどをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。
ヤリスのおすすめポイント
・小さなボディで最小回転半径も4.8〜5.1mに収まり運転しやすい
・ハイブリッドXのWLTCモード燃費は36km/Lで、日本車では最良
・ノーマルエンジンのGは装備を充実させて価格は180万円以下
ヤリスのレビュー・評価
総合評価 3.0 ★★★☆☆
外観 | 3.0 | ★★★☆☆ |
---|---|---|
内装 | 2.0 | ★★☆☆☆ |
走行性能 | 4.0 | ★★★★☆ |
運転のしやすさ | 4.0 | ★★★★☆ |
乗り心地 | 2.0 | ★★☆☆☆ |
価格の割安度・燃費・維持費 | 5.0 | ★★★★★ |
5段階採点の解説
外観
適度な引き締まり感が伴って、外観をスポーティに仕上げました。5ナンバーサイズとあって、小回りの利きなどは優れています。
内装
内装の質はコンパクトカーの平均水準です。居住性は、前席は快適ですが、後席は足元空間が少し窮屈に感じます。
走行性能
ボディが比較的軽く、操舵に対する反応の仕方は機敏です。加速性能にも余裕があり、運転感覚がスポーティです。
運転のしやすさ
後方視界は悪いですが、全長は4m以下の5ナンバー車です。最小回転半径も4.8〜5.1mなので、小回りの利きも良好です。
乗り心地
コストを抑えた足まわりなどにより、乗り心地は硬めです。特に14インチタイヤ装着車は、突き上げ感も強く注意が必要です。
価格の割安度/燃費/維持費
機能や装備の割に価格を安く抑えています。中級のGグレードにもLEDヘッドランプがオプション設定され、選びやすく配慮されています。
総合評価の解説
ヤリスに大人4名で乗車すると、後席が狭く、乗り心地も14インチタイヤ装着車を筆頭に硬く感じます。サイドウィンドウの下端を後ろに向けて大きく持ち上げたので、斜め後方と真後ろの視界も良くないです。
ヤリスハイブリッドを欲しいユーザーが、購入時に試乗してこれらの欠点が気になった時は、パワーユニットやプラットフォームを共通化したアクアを検討すると良いです。
アクアも後方視界は悪いですが、後席の居住性と乗り心地は、ヤリスハイブリッドよりも快適です。価格はアクアが高めですが、100V・1500Wの電源コンセントやアルミホイールの装着など、装備を充実させました。
ヤリスのメリットとして、ボディが軽く動力性能が優れ、小回り性能も良いため、機敏な走りの良さを重視するユーザーに適します。
良かった点
・ヤリスハイブリッドは低燃費と低価格を突き詰めた
・価格の安さを重視するなら、直列3気筒1Lエンジン車も選べる
・ボディの軽さを生かして、機敏でスポーティな走りを味わえる
気になった点
・斜め後方と真後ろの視界に不満があり、ボンネットも見にくい
・後席の足元空間が窮屈で、リヤゲートを寝かせたことで荷室も狭め
・乗り心地が硬く感じられ、3気筒エンジンの粗いノイズも耳障り
ヤリスの基本スペック・価格表
グレード/パワートレイン/駆動方式 | 価格 |
---|---|
X 1.0Lガソリン CVT 2WD | 150万1000円 |
X 1.5Lガソリン 6MT 2WD | 157万9000円 |
X 1.5Lガソリン CVT 2WD | 165万5000円 |
X 1.5Lガソリン CVT 4WD | 188万8000円 |
X ハイブリッド 2WD | 204万4000円 |
X ハイブリッド E-Four | 228万7000円 |
G 1.0Lガソリン CVT 2WD | 179万9000円 |
G 1.5Lガソリン 6MT 2WD | 187万7000円 |
G 1.5Lガソリン CVT 2WD | 195万3000円 |
G 1.5Lガソリン CVT 4WD | 215万1000円 |
G ハイブリッド 2WD | 229万9000円 |
G ハイブリッド E-Four | 250万7000円 |
Z 1.5Lガソリン 6MT 2WD | 205万円 |
Z 1.5Lガソリン CVT 2WD | 215万4000円 |
Z 1.5Lガソリン CVT 4WD | 235万2000円 |
Z ハイブリッド 2WD | 249万6000円 |
Z ハイブリッド E-Four | 269万4000円 |
※2WDはすべてFF、E-Fourとはハイブリッド用4WDを意味します
ヤリスはトヨタの代表的なコンパクトカーです。日本では2020年に、ヴィッツの後継車種として登場しました。全長は3940mmと短く、全幅も1695mmですから、5ナンバーサイズに収まります。
ヤリスの新車価格は150万1000円から269万4000円です(価格は2024年4月時点)。
パワーユニットは、直列3気筒1Lと1.5Lのノーマルエンジン、1.5Lのハイブリッドで、いずれも燃費が優れています。車両重量は、ハイブリッドでも1100kg以下に収まり、動力性能にも余裕があります。
なお3ドアボディのスポーツモデルとして、GRヤリスも用意されています。GRヤリスRZは、1.6Lターボに4WDを組み合わせて、走行性能を大幅に向上させました。
ヤリスのボディサイズ
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
---|---|---|---|---|
2WD | 3940 | 1695 | 1500 | 2550 |
4WD/E-Four | 1515 |
寸法はすべてmm
ヤリスのボディサイズは全長3940mm、全幅1695mm、全高1500mm(4WD/E-Fourは1515mm)、ホイールベースは2550mmです。
ヤリスの燃費
パワートレイン/グレード/駆動方式 | 燃費(WLTC) |
---|---|
ハイブリッド X AT 2WD | 36.0km/L |
ハイブリッド G AT 2WD | 35.8km/L |
ハイブリッド Z AT 2WD | 35.4km/L |
ハイブリッド AT 4WD(グレード共通) | 30.2km/L |
ガソリン G、X 1.0L AT | 20.2km/L |
ガソリン 1.5L MT 2WD(グレード共通) | 19.0km/L |
ガソリン Z、X 1.5L AT 2WD | 21.3km/L |
ガソリン G 1.5L AT 2WD | 21.0km/L |
ガソリン 1.5L AT 4WD(グレード共通) | 19.1km/L |
ヤリスの燃費(W+TCモード)はハイブリッドが30.2~36.0km/L、ガソリンが19.2km/L~21.6km/Lです。グレードや駆動方式によって燃費は異なります(燃費は2024年4月時点のもの)。
ヤリスの発売日と納期の目安
トヨタ ヤリスは2020年2月10日に発売されました。ライバルも多いコンパクトカーですが、ハイブリッドでは燃費が非常に高く、180万円以下の安価なグレードも用意されています。
納期と今後のモデルチェンジ予想
今は納期が遅延しており、トヨタ車では、6か月から1年以上の車種も多いです。しかしヤリスは短めです。販売店では「ノーマルエンジン、ハイブリッドともに、2023年3月中旬時点の契約で納期は5か月程度。少数ですが在庫車もあります」とのことです。
ヤリスの発売は2020年ですから、次期型に一新されるのは2026年以降です。それでもマイナーチェンジや特別仕様車の追加などが行われます。
最近の売れ行き&人気度
2022年の車名別販売ランキングは、ホンダ N-BOXに次ぐ2位(小型/普通車に限れば1位)でした。
ただしこの台数には、コンパクトカーのヤリスだけでなく、SUVのヤリスクロス、スポーティモデルのGRヤリスも含まれます。
コンパクトカーのヤリスに限ると、1か月平均は6900台で、トヨタ ライズを若干下まわりました。それでも人気車の部類に入ります。
ヤリスのリセールバリュー
リセールバリューの5段階採点:3点
ヤリスは設計の古い車種ではなく、数年後の売却時にも不利にはなりません。ただし販売台数が多く、中古車市場に豊富に流通しており、高値で売却することも難しいです。売却時の価値は、コンパクトカーの平均水準です。
ヤリスのおすすめグレード
おすすめグレード:G ハイブリッド 2WD
Gで比較すると、ハイブリッドの価格は1.5Lノーマルに比べて約34万円高いですが、税額の違いにより、実質価格差は約28万円に縮まります。
レギュラーガソリン価格が160円/Lとすれば、約28万円の実質価格差を燃料代の節約で取り戻せるのは、9万km少々を走ったころです。
コンパクトカーの場合、1年間の走行距離が5000km前後のユーザーも多く、損得勘定では1.5Lノーマルエンジンが割安です。
ただし1年間の走行距離が1万kmを超える場合は、ハイブリッドを選ぶ余地も生じます。グレードは両パワーユニットともにGが買い得です。
ライバル車との比較
ヤリスのライバル車は、コンパクトカーの5ナンバー車です。ハイブリッドでは日産 ノートがライバル車です。後席の居住性や乗り心地はノートが快適ですが、走りの軽快感はヤリスが勝ります。
マツダ MAZDA2(マツダ2)もライバル車です。後席が狭く、後方視界が悪いことも、ヤリスとの共通点です。マツダ2では、実用回転域の駆動力を高めた1.5Lクリーンディーゼルターボの搭載に特徴があり、ヤリスはハイブリッドです。
このほかスズキ スイフトは車両重量がヤリス以上に軽く、軽快感でも上まわります。ハイブリッドの低燃費、ノーマルエンジンの動力性能は、ヤリスが優れています。
ホンダ フィットはスイフトと逆に、軽快感は乏しいですが、後席が圧倒的に広く荷室の使い勝手も優れています。乗り心地には重厚感が伴い、ボディが少し大きく感じます。価格の割に上質で買い得です。
ヤリスのカラーバリエーション
ボディカラー | 備考 | |
2トーン | ブラック×シアンメタリック | オプション価格5万5000円 |
ブラック×アバンギャルドブロンズメタリック | オプション価格5万5000円 | |
ブラック×コーラルクリスタルシャイン | オプション価格7万7000円 | |
ブラック×アイスピンクメタリック | オプション価格5万5000円 | |
モノトーン | スーパーホワイトII | |
プラチナホワイトパールマイカ | オプション価格3万3000円 | |
シルバーメタリック | ||
ブラック | ||
センシュアルレッドマイカ | オプション価格3万3000円 | |
アイスピンクメタリック | ||
コーラルクリスタルシャイン | オプション価格3万3000円 | |
アバンギャルドブロンズメタリック | ||
ダークブルーマイカメタリック | ||
シアンメタリック |
ヤリスを販売店で試乗するときのポイント
小回りの利きは良いですが、後方視界が悪いため、縦列駐車や車庫入れを試します。乗り心地も要チェックです。販売店の駐車場から道路に出る時の段差では、突き上げ感を確認します。路面の荒れた街中を時速40km以下で走る時は、細かなデコボコを粗さとして伝えないか、確認しましょう。
このほか登坂路を走った時のノイズ、後席の広さと乗降性、荷室容量、ヤリスのメリットとされる軽快な運転感覚なども確かめます。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/茂呂 幸正/MOTA編集部】
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