ホンダ 新型フリードの価格は250万8000円〜! 燃費や納期、ボディサイズ、おすすめグレードなどもあわせて解説

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ホンダ フリードは、2024年6月28日(金)にフルモデルチェンジが実施され、新型モデルが発売されました。販売店では同年5月10日から予約受注が開始されましたが、人気も高く納期も延びつつあるほどです。

そんな新型フリードについて、この記事では、価格や燃費、ボディサイズ、グレード、グレード別の装備の違い、買い得グレードなどをご紹介します。

また、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、公道試乗をもとに、新型フリードの運転のしやすさや、動力性能と走行安定性、乗り心地と静粛性、ライバル車であるトヨタ シエンタとの比較を解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型フリードとは?
  2. 新型フリードのボディサイズ
  3. 新型フリードのグレード展開と装備の違い
  4. 新型フリードのシート種類と乗車人数の違い
  5. 新型フリードの価格
  6. 新型フリードの燃費
  7. 新型フリードの運転のしやすさ
  8. 新型フリードの動力性能と走行安定性
  9. 新型フリードの乗り心地と静粛性
  10. 新型フリードの安全装備
  11. 新型フリードのグレードの選び方
  12. 新型フリードの納期
  13. 新型フリードのライバル車「トヨタ シエンタ」との比較

新型フリードとは?

日本国内で最も多く販売されているホンダ車は軽自動車のN-BOXで、2番目がフリードです。

そんな人気の高いフリードの3代目となる新型モデルは、2024年5月上旬に概要が公表され、販売店では2024年5月10日からグレードと価格を明らかにして予約受注を開始。そして同年6月28日より発売となりました。

グレードは、従来の標準ボディに相当する「AIR(エアー)」と、外観をSUV風にアレンジした「CROSSTAR(クロスター)」に大別されます。それぞれに直列4気筒1.5Lのノーマルガソリンエンジンと、e:HEV(ハイブリッド)が設定されています。

駆動方式は、各グレードに2WD(FF)と4WDが用意されました。

▼新型フリードの内装の詳細は以下の記事をチェック!

新型フリードのボディサイズ

新型フリードのボディサイズは、全長4,310mm、全幅1,695mm~1,720mm、全高1,755mm(FF)~1,780mm(4WD)、ホイールベース2,740mmです。

AIRとCROSSTARでは、全幅が異なります。AIRの全幅は1,695mm、CROSSTARの全幅は1,720mmです。

また旧型と比較すると新型では全長が伸び、全高も高くなりました。

新型と旧型のボディサイズ比較は以下のとおりです。

新型旧型
全長

4,310mm

4,265~4,295mm

全幅

1,695~1,720mm

1,695mm

全高

1,755~1,780mm

1,710~1,735mm

ホイールベース

2,740mm

2,740mm

新型フリードのグレード展開と装備の違い

新型フリードの主なグレード展開は「AIR」「CROSSTAR」の2種類です。

AIRには上級の「AIR EX」が用意されており、内外装には上質な素材が使用されています。そしてCROSSTARは「3列シートの6人乗り」と「2列シートの5人乗り」があり、それぞれ仕様が異なります。

ここからは各グレードについて、価格差と仕様を解説します。

AIR

ホンダセンシング(衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能)、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドライト、電子制御パーキングブレーキ、両側スライドドアの電動機能、撥水・撥油シート生地など。

AIR EX

AIRからの価格アップは18万9200円です。

AIRの装備に加えて、ブラインドスポットインフォメーション、リアクーラー、コンビシート(上級シート表皮)、本革巻きステアリング&ATレバー、アルミホイールなどが追加されます。

CROSSTAR/6人乗り

外観がSUV風にアレンジされたCROSSTAR。AIR EXからの価格アップは15万9500円です。

AIR EXの装備に加えて、CROSSTAR専用の外装パーツ、ルーフレール、LEDフォグライトなどが追加されます。

CROSSTAR/5人乗り

CROSSTAR/6人乗りと比べた時の変更点は、荷室後部の形状が変更され、ユーティリティナット、ユーティリティボードなども追加で装着されます。その代わりに3列目のシートやリアクーラーは非装着です。

新型フリードのシート種類と乗車人数の違い

新型フリードのシート配列は、AIRとCROSSTARで異なります。

AIRには3列シートの「6人乗り」と「7人乗り」の2種類、CROSSTARには3列シートの「6人乗り」と2列シートの「5人乗り」の2種類が設定されています。

グレード2列目のシートタイプ乗車人数

AIR

セパレート

6人乗り

AIR

ベンチ

7人乗り

CROSSTAR

セパレート

6人乗り

CROSSTAR

ベンチ

5人乗り

AIR

AIRの6人乗りは、2列目がキャプテンシートと呼ばれるセパレートタイプになり、両側にアームレストが備わります。中央が通路になるために車内の移動もしやすいです。

AIRの7人乗りは、2列目が横長のベンチシートです。2列目に3人が座れることや、子供のオムツを替えなどに便利というメリットがあります。

ベンチシートは前方へコンパクトに畳めるため、3列目の跳ね上げによる格納機能と併用すると、車内の中央から後方を広い荷室に変更できます。

CROSSTAR

CROSSTARには、2列目がベンチシートの7人乗りはありません。AIRと同様の2列目キャプテンシートの6人乗り、3列目がなく2列目がベンチシートの5人乗りの2種類が用意されます。

5人乗りは、車椅子ごと車内に入れるスロープ仕様とボディの基本部分を共通化されています。そのため、荷室の後部が深く掘り込まれているのが特徴です。

路面から荷室下端部までの高さは、3列の6/7人乗りは480mmですが、2列シートの5人乗りは335mmと低いです。6/7人乗りも低い部類に入りますが、5人乗りは圧倒的な低さです。高い位置まで持ち上げる必要がないため、重い荷物を積む時も便利です。

そして5人乗りの場合、ユーティリティボードによって、荷室を上下2段に分けて使えます。

後席の背もたれを前側に倒すと、ユーティリティボードとあわせて、2列目以降が平らで広い荷室に変更できます。

これは車中泊にも使いやすく、就寝時には荷物をユーティリティボードの下側に積めるため、外に持ち出す必要もありません。このように5人乗りはキャンプなどにも便利に使えます。

新型フリードの内装についてもっと知りたい方は、内装の解説記事をチェックしてください!

新型フリードの価格

新型フリードの車両価格(税込)は250万8000円~343万7500円です。

グレードで分けると、AIRは250万8000円~327万8000円、CROSSTARは281万2700円~343万7500円です。

AIR

ノーマルガソリンエンジン

グレード駆動方式乗車定員価格(税込)
AIR

FF

6人

250万8000円

AIR

4WD

6人

273万9000円

AIR EX

FF

6人

269万7200円

AIR EX

FF

7人

274万1200円

AIR EX

4WD

6人

292万8200円

e:HEV(ハイブリッド)

グレード駆動方式乗車定員価格(税込)
e:HEV AIR

FF

6人

285万7800円

e:HEV AIR

4WD

6人

308万8800円

e:HEV AIR EX

FF

6人

304万7000円

e:HEV AIR EX

FF

7人

309万1000円

e:HEV AIR EX

4WD

6人

327万8000円

CROSSTAR

ノーマルガソリンエンジン

グレード駆動方式乗車定員価格(税込)
CROSSTAR

FF

5人

281万2700円

CROSSTAR

FF

6人

285万6700円

CROSSTAR

4WD

5人

304万3700円

CROSSTAR

4WD

6人

308万7700円

e:HEV(ハイブリッド)

グレード駆動方式乗車定員価格(税込)
e:HEV CROSSTAR

FF

5人

316万2500円

e:HEV CROSSTAR

FF

6人

320万6500円

e:HEV CROSSTAR

4WD

5人

339万3500円

e:HEV CROSSTAR

4WD

6人

343万7500円

グレード別の価格情報まとめ

・最安値はAIR FF 6人乗りの250万8000円です。

・最高値はe:HEV CROSSTAR 4WD 6人乗りの343万7500円です。

・FFに比べ4WDの方が約20万円高くなります。

・ノーマルガソリンエンジンよりe:HEVは約35万円高くなります。

SNSユーザーが「新型フリードの価格についてどう思っているのか」「どのグレードを選ぶのか」などが気になる方は以下の記事をクリック!

新型フリードの燃費

新型フリードのWLTCモード燃費は14.4km/L~25.6km/Lです。駆動方式で分けると、FF(2WD)は16.3km/L~25.6km/L、4WDは14.4km/L~21.3km/Lとなります。

AIR

ノーマルガソリンエンジン

グレード駆動方式乗車定員燃費
AIR

FF

6人

16.5km/L

AIR

4WD

6人

14.5km/L

AIR EX

FF

6人

16.4km/L

AIR EX

4WD

6人

14.4km/L

AIR EX

FF

7人

16.3km/L

e:HEV(ハイブリッド)

グレード駆動方式乗車定員燃費
AIR

FF

6人

25.6km/L

AIR

4WD

6人

21.3km/L

AIR EX

FF

6人

25.4km/L

AIR EX

4WD

6人

21.2km/L

AIR EX

FF

7人

25.3km/L

CROSSTAR

ノーマルガソリンエンジン

グレード駆動方式乗車定員燃費
CROSSTAR

FF

5人

16.4km/L

CROSSTAR

FF

6人

16.4km/L

CROSSTAR

4WD

5人

14.4km/L

CROSSTAR

4WD

6人

14.4km/L

e:HEV(ハイブリッド)

グレード駆動方式乗車定員燃費
CROSSTAR

FF

5人

25.5km/L

CROSSTAR

FF

6人

25.3km/L

CROSSTAR

4WD

5人

21.3km/L

CROSSTAR

4WD

6人

21.1km/L

新型フリードのノーマルガソリンエンジンとe:HEVのWLTCモード燃費を、売れ筋グレードである「AIR EX 6人乗り 2WD」で比較してみましょう。

ノーマルガソリンエンジンは16.4km/Lで、e:HEVは25.4km/Lです。いずれもコンパクトカーに負けない高い燃費性能を達成しています。

そしてe:HEVの価格は、ノーマルガソリンエンジンと比べて、約35万円の上乗せに抑えられています。しかもe:HEVは、購入時に納める税額がノーマルガソリンエンジンよりも約5万円安いため、実質価格差は約30万円に縮まります。

レギュラーガソリン価格が1L当たり170円とすれば、約8万kmを走ると燃料代の節約によって約30万円の実質価格差を取り戻せます。また燃費の良さだけではなく、e:HEVは動力性能や静粛性も優れているため、選ぶ価値の高いパワーユニットです。

新型フリードの運転のしやすさ

新型フリードはウインドウの面積も広く、外観も水平基調ですから、前後左右ともに視界が良くて運転しやすいです。

全長は4310mmで、全幅は標準ボディに相当するAIRが1695mm、SUV風のCROSSTARは外装パーツの装着で1720mmに拡幅されます。CROSSTARは全幅が1700mmを超えるため3ナンバー車です。

最小回転半径は、全車共通で5.2mに収まり小回りの利きも優れているため、3ナンバーサイズのCROSSTARを含めて、車庫入れや縦列駐車も比較的容易です。

コンパクトサイズのミニバンとあって、混雑した街中でも、車同士のすれ違いがしやすく不安なく運転ができるでしょう。

新型フリードの動力性能と走行安定性

新型フリードのパワーユニットは、直列4気筒1.5Lのノーマルガソリンエンジンと、ハイブリッドのe:HEVをそろえています。それぞれの動力性能や走行安定性を公道試乗時に確認してみました。

ノーマルガソリンの評価

ノーマルガソリンエンジンは、コンパクトミニバンの平均的な動力性能です。ただし注意したい点は、若干高回転指向になることです。

発進直後の2500回転以下では、加速のボリューム感がいまひとつ乏しいです。それが4000回転を超えると活発になります。もう少し実用回転域の駆動力を高められるとさらに運転がしやすいでしょう。

e:HEVの評価

新型フリードのe:HEVは、通常の走行ではエンジンが発電機を作動させ、駆動はモーターが行います。

電気自動車と同様のモーター駆動ですから、加速は滑らかで、アクセル操作に対する反応も適度に機敏です。動力性能をノーマルガソリンエンジンに当てはめると、2Lの排気量に相当します。

また高速道路の巡航時には、エンジンがホイールを直接駆動して、燃費効率を向上させる制御も行いますから、モーターとエンジンのいいとこ取りをしています。

走行安定性の評価

走行安定性は、背の高くてふらつき易いミニバンとしては良好です。ステアリング操作に対する車両の反応は、機敏ではなく穏やかですが、曖昧さを感じないために運転しやすいです。

後輪の接地性も優れ、下り坂のカーブを曲がる時でも、車両の挙動が安定しています。また、高速道路のトンネルを出た時に、横風にあおられても、直進安定性を乱されにくいため、安心して運転ができます。

 

新型フリードの乗り心地と静粛性

新型フリードの乗り心地は、パワーユニットや駆動方式によって異なりますが、コンパクトミニバンとしては粗さが抑えられており快適です。

またシートによっても感じ方が変わります。ベーシックなAIRが採用するシート生地は、見栄えは地味なファブリックですが、伸縮性が伴って乗員の体を柔軟に受け止めます。このシートは、乗り心地にも良い影響を与えています。

エンジンが直列4気筒なので、3気筒のような粗いノイズは聞こえません。特にe:HEVは、モーター駆動の効果もあり、ノイズを小さく抑えていますから、さらに静かに感じるでしょう。

新型フリードの安全装備

新型フリードには、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能を兼ね備えた、ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」がすべてのグレードに標準装着されています。

注意したいのは、後方の並走車両を検知して知らせる「ブラインドスポットインフォメーション」です。ベーシックなAIRには装着されず、オプションでも選べません。

またハイビームの状態を保ちながら対向車の眩惑を抑える「アダプティブドライビングビーム」や「マルチビューカメラシステム」などは、e:HEVのAIR EXとCROSSTARの6人乗りのみに、11万9900円でオプション設定されます。

新型フリードの場合、標準装着・オプションともに、グレードに応じて安全装備の設定が異なるので注意しましょう。

新型フリードのグレードの選び方

デザインやサイズで選ぶ

新型フリードを選ぶ時は、まずAIRかCROSSTARを選択します。

CROSSTARは前述の通り外観がSUV風で、フロントマスクのデザインが異なり、ボディサイドにもガード風のパーツが装着されます。アウトドア風の見た目が好きな人で、7人が乗る必要のない場合はCROSSTARを選ぶのが良いでしょう。

前述のとおりAIRとCROSSTARでは、全幅が異なります。AIRの全幅は1695mmに収まり5ナンバーサイズ、CROSSTARは1720mmで3ナンバーサイズです。

CROSSTARでは外装以外の装備も異なり、ルーフレールやLEDフォグライトも追加装着されます。安全&快適装備が似ているAIR EXとCROSSTARの6人乗り同士で価格を比べると、後者が15万9500円高いです。

おすすめの選び方

  • 3列シート車を選ぶならAIR EXがお得
  • 乗車定員に制限がないなら6人乗りの方が割安
  • パワーユニットで迷ったらe:HEV(ハイブリッド)がおすすめ
  • 最も満足度が高いのAIR EX e:HEV
  • アウトドアを楽しむ人にはCROSSTARの5人乗りがおすすめ
  • 3列シート車を選ぶならAIR EXがお得

    3列シート車を選ぶなら、機能と価格のバランスで考えると、AIRが買い得です。

    AIRには標準仕様もありますが、装備が充実しているAIR EXを推奨します。

    冒頭で記した通り、AIR EXには後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーション、後席の快適性を高めるリアクーラー、上級シート表皮のコンビシート、アルミホイールなどが加わるためです。

    AIR EXの価格は標準仕様よりも18万9200円高いですが、AIR EXに加わる装備は21万円相当のため買い得度を高めています。

    乗車定員に制限がないなら6人乗りの方が割安

    AIR EXには、6人乗りに加えて7人乗りもあります。

    ホンダ以外のミニバンでは、2列目がセパレートシートの6人乗りは、ベンチタイプの7人乗りと価格が等しいか、あるいは少し高くなります。

    ところが新型フリードでは、6人乗りの価格が4万4000円安いです。したがって選択に迷った時は、割安な6人乗りを推奨します。

    パワーユニットで迷ったらe:HEV(ハイブリッド)がおすすめ

    e:HEVはノーマルガソリンエンジンより34万9800円高い

    パワーユニットは、ノーマルガソリンエンジンとハイブリッドのe:HEVがあります。e:HEVの価格はノーマルガソリンエンジンよりも34万9800円高いです。

    フィットなど他のホンダ車のノーマルガソリンエンジンとハイブリッドの価格差は、35~40万円が多く、新型フリードの34万9800円は割安です。

    トータルコストや乗り心地を考慮するとe:HEV(ハイブリッド)がお得

    そして売れ筋のAIR EXの場合、ノーマルガソリンエンジンのWLTCモード燃費は16.4km/L、e:HEVは25.4km/Lです(いずれも2WDの6人乗り)。

    レギュラーガソリン価格が1L当たり160円とすれば、1km当たりの走行コストはノーマルガソリンエンジンが9.8円、e:HEVは6.3円で、価格差を燃料代の節約で取り戻せるのは9~10万kmを走った頃です。

    実際はハイブリッドは購入時に納める税額も安いため、もう少し短い距離で取り戻せます。

    損得勘定で考えると、1年間の走行距離が1万5000km以上であれば6年以内に取り戻せますが、走る距離がさらに短いユーザーでもe:HEVを選ぶ価値はあるでしょう。

    e:HEVでは、エンジンは発電、駆動はモーターが受け持つため、加速フィーリングや静粛性でもノーマルガソリンエンジンに比べて有利になるからです。

    e:HEVは多人数乗車の際にノーマルガソリンエンジンより少し窮屈になる

    その代わりe:HEVには欠点もあります。

    それは2列目シートに座った乗員の足が、1列目の下側に収まりにくいことです。これはe:HEVシステムの一部を1列目シートの下側に収めているためです。したがってe:HEVで2列目に快適に座るには、スライド位置を少し後方へ寄せねばなりません。

    4人以内で乗車する時なら問題ありませんが、多人数乗車では2列目と3列目で足元空間を分け合う必要があるため、e:HEVはノーマルガソリンエンジンよりも窮屈になります。

    最も満足度が高いのAIR EX e:HEV

    上記に挙げたポイントを踏まえてフリードの買い得グレードを挙げるなら、満足度が総合的に最も高いのはAIR EX e:HEV(304万7000円/6人乗り)です。

    予算をもう少し安く抑えたり、多人数乗車時の居住性を追求するなら、AIR EXのノーマルガソリンエンジン(269万7200円/6人乗り)を推奨します。

    アウトドアを楽しむ人にはCROSSTARの5人乗りがおすすめ

    多人数乗車の機会がなく、多量の荷物を積んだり車中泊を楽しむためにミニバンを買いたいユーザーには、CROSSTARで2列シートの5人乗りが最適です。

    3列目のシートは装着されませんが、車内の後部が掘り込まれており、床も低く設定されているので、荷物の積載に適しています。

    さらにCROSSTARの2列シート仕様は、荷室に棚を吊る時や、用品類を装着する時に便利なユーティリティナットやサイドパネルも備えられています。

    5人乗りは6人乗りよりお買い得

    CROSSTARの5人乗りは、これらの多彩な機能を装着していながら、6人乗りよりも4万4000円安いです。ちなみに先代型では、5人乗りの価格が6人乗りよりも高く設定されていました。

    新型では、5人乗りになるとリアクーラーが省かれるものの、買い得度を高めています。したがってCROSSTARを買うなら、AIRでは選べない5人乗りを推奨します。

    おすすめのパワーユニットはe:HEV

    CROSSTARの5人乗りでベストなパワーユニットは、低燃費で走りも上質なe:HEVです。

    ノーマルガソリンエンジンと比べた時の価格アップは、AIR EXと同じく34万9800円で、3列シート仕様と異なり、e:HEVでも居住性に不利はありません。

    予算が足りない時は、CROSSTARにノーマルガソリンエンジンを搭載した5人乗りを選ぶと良いでしょう。

    新型フリードのグレード選びまとめ

  • 3列シートならAIR EX(6人乗り)のe:HEV
  • 足元空間の広さや低価格にこだわるならノーマルガソリンエンジン
  • 車中泊などアウトドアを楽しむならCROSSTARe:HEVの5人乗り
  • グレード選びの結論をいえば、3列シートならAIR EX(6人乗り)のe:HEVがベストで、足元空間の広さや低価格にこだわるならノーマルガソリンエンジンです。

    車中泊などに適した5人乗りの2列シートであれば、CROSSTARe:HEVがベストで、予算を抑えたいならノーマルガソリンエンジンです。

    今後の展開として、5ナンバーサイズの2列シートを求めるユーザーのために、AIRの5人乗りが追加される可能性もあります。

    「5人乗りは車中泊のイメージだからSUV風のCROSSTAR」という発想は少々短絡的で、販売店も「AIRの5人乗りを希望するお客様もおられます」と述べています。

    新型フリードの納期

    新型フリードの納期について、販売店に尋ねると「予約受注の段階で注文すれば2024年の7月頃までに納車できそうですが、6月の正式発表以降に注文すると12月頃になるでしょう」とのことです。

    早めに納車されたいでしょうが、納期が遅れてもしっかりと試乗して購入することをおすすめします。

    特に3列シートの場合、ハイブリッドとノーマルガソリンエンジンで、先に述べた多人数乗車時の居住性と走りの違いを比べ、ご自身のライフスタイルに適したグレードを選択することで、失敗のない購入ができるでしょう。

    新型フリードのライバル車「トヨタ シエンタ」との比較

    新型フリードのライバル車はトヨタ シエンタです。

    シエンタは、新型フリードに比べると車両のデザインや機能がコンパクトカーに近いです。新型フリードの全長は新型になり4300mmを超えましたが、シエンタは4260mmです。

    新型フリードの全高は1700mmを上まわりますが、シエンタの2WDは1695mmです。このようにシエンタは小さなボディサイズを強調しているのです。

    車内空間、シートの比較

    新型フリードとシエンタは、車内空間の広さも異なります。身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目シートに座る乗員の膝先空間を握りコブシ1つ分に調節してみましょう。

    新型フリードの3列目に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分ですが、シエンタは0.5つ分に留まります。このように足元空間は新型フリードが広いです。

    一方で、シエンタは薄型燃料タンクの採用で、床を低く抑えて座面との間隔を広げています。これにより、3列目の床と座面の間隔は、シエンタが40mm上まわり、新型フリードに比べて膝の持ち上がる姿勢になりにくいです。

    シート配列の比較

    シートの配列も異なります。新型フリードの2列目には、キャプテンシートと呼ばれるセパレートタイプの6人乗りがありますが、シエンタはベンチタイプの7人乗りのみです。

    新型フリードでも人気のあるセパレートシートの6人乗りがシエンタには用意されません。

    荷室の比較

    荷室のアレンジも異なります。

    新型フリードは3列目を左右に跳ね上げて格納する一般的な方式です。対するシエンタは3列目を2列目の下側に収める方式ですから、荷室に3列目が張り出さず、スッキリと広い空間に変更できます。

    その代わり3列目を操作する時は、2列目を動かす必要もあってシートアレンジが面倒です。一方で新型フリードの格納は素早く簡単に行えるというメリットがあります。

    価格・買い得度の比較

    それぞれの価格は、新型フリードで売れ筋になるe:HEV AIR EX 6人乗りが304万7000円で、シエンタで最上級のハイブリッドZは303万6600円です。

    両車の価格は近いですが、シエンタ ハイブリッドZには、新型フリード e:HEV AIR EXが標準装着していないアダプティブハイビームシステム、両側電動スライドドアのハンズフリー機能、10.5インチディスプレイオーディオなどが備えられています。

    つまり新型フリードは、質感や乗り心地などにコストを費やしており、シエンタは装備を充実させました。機能や装備と価格のバランスだけで買い得度を判断すると、シエンタが優れています。

    新型フリードとシエンタどちらが最適?

    両車の推奨ユーザーについてまとめましょう。

    3列目まで人を乗せるというミニバンの機能を重視するユーザーには、新型フリードが適しています。

    一方でシエンタは、通常は3列目を格納して荷室の広いコンパクトカーとして使いながら、稀に3列目をセットして多人数で乗車する用途に向いています。

    ちなみにシエンタは、トヨタの他ミニバンと明確に差別化されています。シエンタは性格がコンパクトカーに近く、3列目が2列目の下に格納されるなど、荷室の使い勝手が大幅に向上されています。一方で3列目まで快適に座れるというミニバンの機能を追求するトヨタ ノア&ヴォクシーとは車両の性格が明らかに異なります。

    またトヨタ アルファード&ヴェルファイアも、Lサイズセダンに近い世界観を備えており、ノア&ヴォクシーやシエンタとは車両の性格が違います。トヨタでは、各車種の性格を明確に区分して重複を防ぎ、競合を避けて共存共栄を図っています。

    対するホンダの発想では、各車が最良のクルマ造りを追求します。そのために新型フリードに対してベストなクルマ造りを行いますが、ステップワゴンと重複が生じて、競争関係に陥ることもあります。このように新型フリードとシエンタには、ホンダとトヨタの商品開発における本質的な違いも表現されています。

    【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正】

    ホンダ/フリード
    ホンダ フリードカタログを見る
    新車価格:
    250.8万円343.8万円
    中古価格:
    16万円402.9万円
    トヨタ/シエンタ
    トヨタ シエンタカタログを見る
    新車価格:
    199.5万円323.5万円
    中古価格:
    19.4万円383万円

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    渡辺 陽一郎
    筆者渡辺 陽一郎

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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    監修者MOTA編集部

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