ホンダ CR-V(ガソリン・FF・5人乗り仕様)実燃費レポート|人気SUVの実燃費を徹底テスト(1/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:永田 恵一 / 和田 清志

人気SUV、CR-Vの実燃費をチェック!

今回の燃費テストでは、ホンダ CR-Vの実燃費をテストした。2018年は三菱 エクリプスクロスの登場やスバル フォレスターのフルモデルチェンジなどで豊作だったミドルSUV市場に、ホンダが投入した一台だ。

ホンダ CR-V(ガソリン・FF・5人乗り仕様)実燃費レポート 目次

■市街地編

■郊外路編

■高速道路編

■まとめ

■コース概要

燃費テスト概要

起用グレード

新型CR-Vには1.5リッターのガソリンターボエンジンと2リッター2モーターハイブリッドがあるが、今回テストに起用したのは前者。

このガソリンターボエンジンは、NAエンジンで換算すれば2.5リッター級の動力性能を持つ。その中でもグレードは、上級となるEXマスターピースのFF車(5人乗り仕様、車両本体価格359万9100円、JC08モード燃費15.4km/L)を選んだ。

テスト詳細と結果

テストは2018年12月5日(水)の午前6時半頃開始し、午後3時頃帰京するというスケジュールで実施。天候は曇りのち晴れ、最高気温19度と、12月ながら秋のように過ごしやすい気候であった。交通状況は比較的スムーズで、乗車人数はドライバー1人(体重約70kg)で行った。

新型CR-V燃費テストの結果は以下の通り。

 CR-V1.5ターボFF

カタログ燃費(JC08モード)

15.4km/L

総合

13.8km/L

市街地(街乗り)

11.4km/L

郊外路

13.9km/L

高速道路

18.0km/L

今回はライバルとなるガソリンエンジン搭載のミドルSUVから、過去データのあるトヨタ ハリアーと日産 エクストレイルの2リッターガソリンエンジン搭載車の燃費も併記していく。全体的に1.5リッターガソリンターボを搭載する新型CR-Vの燃費は、ガソリンエンジンのミドルSUVとしては及第点といえる結果だった。

ここからは市街地編、郊外路編、高速道路編、それぞれの章で燃費や走りの質などについて詳細な評価を行っているので、購入を検討している方への情報になれば幸いだ。

ホンダ CR-V車種概要

1990年代に生まれたホンダの救世主的な一台

1990年代前半のSUV市場は三菱 パジェロやトヨタ ランドクルーザーファミリーのような、大きく重い本格的なクロスカントリー車がほとんどだった。そこに1995年にデビューした初代CR-Vは、前年に登場したトヨタ RAV4と並び「乗用車に近い性能を持ちながらキャビンやラゲッジスペースは広く、それでいながら雪道などの悪路にもそれなりに対応し、コストパフォーマンスも高い」という、現代に通じる乗用車ベースのライトなSUVというジャンルを開拓した新鮮な存在だった。

当時のホンダは経営が厳しい時期ではあったが、初代CR-Vは1994年に登場した初代オデッセイに続く救世主的なモデルとして、ホンダの経営立て直しに大きく貢献することとなる。さらにいうと、初代CR-Vは当初海外展開には消極的だったが、登場後はアメリカをはじめとする世界各国の現地法人から導入のリクエストが殺到。急遽、左ハンドル仕様やMT車を設定するための大規模な設計変更が必要になるほどの事態となる。結果的には、世界的にもアコードやシビックとならぶ基幹車種の1つに成長した。

ボディサイズの拡大が仇となり4代目を最後に日本から撤退

だがCR-Vは初代モデル以後、日本市場ではボディサイズの拡大や価格も上がり、全体的に“手軽だった初代モデルの良さ”を失い続け、販売も低迷。2011年に登場した4代目モデルを最後に、2016年3月以降日本向けはラインナップ落ちしていた。実は海外では初代モデル移行も着実に進歩し続けて踏ん張ってはいたものの、日本市場ではボディサイズの拡大が致命的な欠点となってしまったのだ。

日本でのSUV人気を受け復活

しかしここ数年、日本でもSUVの市場が本格的に拡大。ホンダのSUVはコンパクトクラスのヴェゼルしかなく、他社に対し心もとなかったこともあり、世界的には2016年から登場していた5代目となる現行型モデルが日本市場に再投入される形となった。

CR-Vが世界で年間50万台以上売れる人気車種だけに、現行型のコンセプトは「CR-Vに求められる要素を究めた、平均点の高いクルマ造り」である。

機能面を見ていくと、クルマの土台となるプラットフォームは現行シビックから使われている新世代となるミドルクラス用ものを採用。

パワートレーンには、シビックやステップワゴンに加え近々ヴェゼルにも搭載される4気筒1.5リッターターボと、ステップワゴンやオデッセイにも搭載される2リッター2モーターエンジン直結モード付シリーズハイブリッドの2つが設定される。組み合わされるトランスミッションはともにCVTだ。

前者はタービンに代表される周辺パーツに手を加えることでチューニングが比較的容易にできるターボエンジンのため、CR-V用はレギュラーガソリンで最高出力190馬力、最大トルク24.5kgmという、NAエンジンで換算すれば2.5リッターエンジン級の性能を誇る。後者は今回の燃費テストには登場しないが、2リッター4気筒エンジン(最高出力145馬力&最大トルク17.8kgm)を主に発電用に使い、モーターでの前輪の駆動を中心に行うハイブリッド。高速域での巡航では、燃費効率が有利なエンジンと前輪をクラッチで直結駆動するモードも活用し、実質的には3リッターのNAエンジン級の動力性能を備える。

駆動方式は両者にFFと4WDが設定され、うちハイブリッドの4WDはホンダの2モーターハイブリッドとしては初の組み合わせとなる。その他燃費向上のための技術としては、水温に応じて開閉するシャッターグリルが採用される。これにより適切な水温を維持しつつ、空気抵抗の低減に貢献する。

カタログに載る燃費は、1.5リッターターボがJC08モードで15.0~15.8km/L、ハイブリッドではより実用燃費に近いとされる新しいWLTCモード燃費が採用され、その数値は20.2~21.1km/L。エコカー減税は、ハイブリッドが重量税と取得税の免税、さらに登録翌年の自動車税の75%軽減が適応となる。

運転支援装備も充実

ここ数年クルマを選ぶ際の大きなチェックポイントの1つになった運転支援システムは、ミリ波レーダーと単眼カメラを使用するホンダセンシングと、ドアミラーの死角になりやすい斜め後方を監視するブラインドスポットモニタリングが全グレードに標準装備される。

ホンダセンシングは歩行者にも対応する緊急ブレーキ、停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール、車線の中央を維持しようとするLKAS(車線維持システム)、先行車発進お知らせ機能、見落とすこともある一時停止や進入禁止といった標識をメーター内に表示する標識認識機能など、多彩な機能を持つ。

自動ブレーキの性能は、CR-V自体は公的機関が行うJNCAPのテストは受けていないものの、同等の性能を持つと思われるシビックセダンが、車両などの物体に対しては50km/hで作動する能力を持つ。対歩行者では日中のテスト結果しかないが、単純な飛び出しに対しては大人60km/h、子供40km/h、駐車車両などの陰からの飛び出しに対しては大人、子供ともに40km/hからの停止が確認されている。CR-Vも、ミドルクラスのSUVとして水準以上の自動ブレーキの性能を確保しているといえそうだ。

グレード体系は1.5リッターターボ、ハイブリッドとも共通で、他車であれば最上級グレード並みの装備内容となる標準グレードのEX、EXに本革シートやサンルーフなどが加わる上級グレードのEXマスターピースの2つとなる。さらに1.5リッターターボには、3列目シートを持つ7人乗り仕様も設定される。

>>次ページ:市街地編

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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