シリーズ初の3ナンバーボディに「三菱 ランサーエボリューションV」/ランエボ 23年間の軌跡
2015年8月、1992年の発売以来「ランエボ」の愛称で絶大な人気を誇っていた「三菱 ランサーエボリューション」の23年の歴史に幕が下ろされました。
オートックワンでは初代からファイナルエディションまでの歴史を振り返ります。
今回はお届けするのは5代目モデル「ランサーエボリューションV」です。
LANCER EVOLUTION V(1998年1月発売)
1997年、WRCでは、より広範囲な改造が認められるWRカー規定が導入され、ライバルメーカーはこれに移行しましたが、三菱自動車は従来のグループA規定での参戦を継続。ラリーカーの性能向上に必要な技術要件は市販車に盛り込むという方針のもと、WRカーに対抗できる改良を施した『ランサーエボリューションV』が1998年1月に発売されました。
アルミ製フロントブリスターフェンダーとリアオーバーフェンダーを採用したうえで、前後トレッドをWRカーと共通の1770mmまで拡大。フロント倒立式ストラットを採用するとともに、タイヤを225/45ZR17にサイズアップして旋回性能を向上。また、Brembo社製大径ブレーキを採用して制動性能も大幅に向上させています。
エンジンは、ピストンの軽量化、ターボチャージャーのノズル面積拡大などにより、最大トルクを38.0kgf-mまで増大。フロントグリルの開口部を拡大して冷却性能を向上させたほか、カナード形状のバンパーエクステンション、アルミ製迎角調整式リアスポイラー&ウイッカーの採用により、空力性能も向上させています。
WRCでは1998年の第5戦カタルニアから第13戦グレートブリテンまで参戦し、WRカーと対等以上の走りを披露し、トミー・マキネンが3年連続のドライバーズチャンピオンを獲得。また、リチャード・バーンズの活躍もあり、三菱自動車初のマニュファクチャラーズチャンピオンも獲得しました。
ランサーエボリューションV 改良点
・全長×全幅×全高:4350×1770×1415(mm)
・トレッド前:1510mm(+40mm)/後:1505mm(+35mm)
・シリーズで初めての3ナンバーボディとなる
・ターボチャージャーのノズル面積拡大
・最大トルク2kgf-mアップ(38.0kgf-m/3000rpm)
・フロントキャンバー調整機構設定
・フロント倒立式ストラット採用
・ステアリングギアボックス配置変更、ジオメトリー最適化
・リアロールセンター高の見直し
・Brembo社製ブレーキシステムを初採用
・タイヤサイズ:225/45R17へ変更
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