発売後に即完売!絶大な人気を得た初代「三菱 ランサーエボリューションI」/ランエボ 23年間の軌跡
2015年8月、ランサーエボリューションの集大成となる特別仕様車『ランサーエボリューション ファイナルエディション』が発売されるとともに、23年にわたる歴史に幕を閉じます。
当記事では、そんなランエボの歴代モデルを紹介致します。第一弾は1992年に発売された初代ランサーエボリューションです。
LANCER EVOLUTION (1992年10月発売)
1974年のサファリラリー(ケニア)において、世界ラリー選手権(WRC)で日本車初の総合優勝を果たした『ランサー』の名を受け継いだ『ランサーエボリューション』が1992年に発売されました。
1988年からWRCに参戦して通算6勝を挙げていた『ギャランVR-4』も、90年代になると苦戦を強いられるようになり、これに代わるWRCホモロゲーションモデルが検討されていました。そこで白羽の矢が立ったのが、コンパクトセダンの『ランサー』でした。
『ランサー』の軽量・コンパクトなボディを補強して剛性を高めながら、『ギャランVR-4』で熟成を重ねてきた4G63型2.0LインタークーラーターボエンジンとVCU付センターデフ方式のフルタイム4WDを搭載。最高出力は『ギャランVR-4』より10PS高めた250PSを発揮しました。
また、アルミ製ボンネットフードなどの採用により軽量化を推進。サスペンションは剛性アップを中心に最適化しました。大開口のフロントバンパー、大型リヤスポイラーなど、空力性能も追求。ラリーカーのベースとして高い運動性能を実現したうえで、市販車としてはRECARO社製スポーツシートやMOMO社製ステアリングホイールなどの特別装備も採用し、発売後に即完売するほどの人気を博しました。
WRCでは1993年の第1戦モンテカルロから1994年第3戦サファリまで参戦。最高位は2位ながら、高いポテンシャルを披露しました。
■ ランサーエボリューション(GSR)
全長:4,310mm × 全幅:1,695mm × 全高:1,395mm
重量:1,240kg
ホイールベース:2,500mm
トレッド前:1,450mm/後:1,460mm
エンジン:4G63型インタークーラーターボ
最高出力:250PS/6,000rpm
最大トルク:31.5kgf-m/3,000rpm
トランスミッション:5MT
駆動方式:VCU式フルタイム4WD
サスペンション前:マクファーソンストラット/後:マルチリンク
ブレーキ前:15インチベンチレーテッドディスク/後:14インチディスク タイヤ:195/55R15
販売台数 7,628台
第1世代(LANCER EVOLUTION I~III)WRC制覇のためのホモロゲーションモデル
『ランサーエボリューション』は、世界ラリー選手権(WRC)のホモロゲーションモデルとして1992年に発売。スポーティなコンパクトセダンである『ランサー』に、それまでWRCを戦ってきたミドルセダンである『ギャラン VR-4』から2LターボエンジンとVCU式フルタイム4WDなどを受け継いで搭載し、“エボリューション”の名を冠して登場しました。
動力性能は当時の2Lクラストップの最高出力250PS、最大トルク31.5kgf-mを発揮し、WRCでは早々に高いポテンシャルを披露しました。 1994年、ホイールベースとトレッドの拡大、サスペンションの改良、タイヤのサイズアップなどにより、初代の課題であったハンドリング性能を向上させた『ランサーエボリューションII』を発売。最高出力も260PSまで高められ、WRCではケネス・エリクソンにより念願の初優勝を遂げています。
1995年に発売した『ランサーエボリューションIII』は、ハイスピード化が進むWRCを有利に戦うため、ターボチャジャーの改良などにより最高出力を270PSとするとともにエアロパーツを大幅に改良。ダクトの大型化などにより冷却性能を高め、リヤスポイラーやフロントエアダムの大型化によりダウンフォースを増大させ、トミー・マキネンが三菱自動車初のドライバーズチャンピオンを獲得しました。
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