上質さ・乗り心地を高めたADDSETの新ブランドが始動! ラグジュアリーながら使い勝手の良いハイエース「CEEBUS MASTERS LINE」/アルフレックス【Vol.5】
目が利くユーザーの所有欲を刺激してきたアルフレックスのADDSETブランド
トヨタ ハイエースなどをベースに製作されるキャンピングカーのバンコンバージョン(バンコン)。バンコンの中でも“ラグジュアリー”と形容されるブランドが、キャンピングカービルダー「ALFLEX/アルフレックス」がプロデュースする「ADDSET/アドセット」だ。
室内に装備を詰め込むキャンピングカービルダーが多いなか、ADDSETのパッケージはどれも圧迫感のない落ち着いた佇まいが印象的。高級インポートカーを持つ富裕層たちの所有欲を刺激してきたというのも頷ける。
そんなADDSETから、新たに「MASTERS LINE/マスターズライン」なるシリーズが誕生した。ネームが示す通り、最新の技術と巧みの技、そしてデサイナーとクラフトマンの強いこだわりが融合して誕生するADDSETの最高峰シリーズだ。
「MASTERS LINEは、アルフレックスが考える現時点での頂点をカタチにし、贅を尽くしたシリーズです。価格は気にせず、一切妥協することなく仕上げました」と、アルフレックスの竹山代表。
MASTERS LINEの第1弾として、既存モデルの『CEEBUS/シーバス』、『C`sNEX/シーズネクス』をベースに製作。
MASTERS LINEのパッケージを紹介するにあたり、まずはADDSETというブランドや、ベースとなったCEEBUSについてご説明しよう。
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ナローボディ&両側スライドドアの5ドアのS-GLから開発を行うのがアルフレックスのセオリー
トヨタ ハイエースのキャンピングカーの多くが、もっとも室内の広いスーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ(スーパーロング)をベースとする。
しかし、ADDSETでは、スーパーロングより小さい標準ボディ・標準ルーフ(ナローボディ)、またはワイドボディ・ミドルルーフ(ワイドボディ)のS-GL(スーパーGL)がベース。車両の開発には、“室内の狭いナローボディから”というのがADDSETのセオリーだ。
ナローボディをベースとする理由は、5ナンバーのミニバンと同じボディサイズにより、立体駐車場や狭い場所でも使いやすいためだ。
ボディサイズ参考 | |
---|---|
標準ボディ・標準ルーフ | 全長4695mm×全幅1695mm |
ワイドボディ・ミドルルーフ | 全長4840mm×全幅1880mm |
スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ | 全長5380mm×全幅1880mm |
もう1つの理由が、「ナローボディでできることは、ワイドボディでもできる」から。ナローボディで使用できる装備をワイドボディに持ち込むのはそこまで難しいことではないという。
さらに、ADDSETでは5ドアモデルから開発するのも基本としている。室内レイアウトの自由度を考えると、ハイエースワゴンやコミューターが採用する、片側のみにスライドドアを装備する4ドアに軍配が上がる。しかし、両側にスライドドアを備え、運転席側からスライドドアが開けられる5ドアは利便性が高い。
「特別感は大事ですが、使い勝手が悪くて“気をつかう特別な存在”になっては困ります。あくまでも日常的に使えなければなりません。なによりライフスタイルがもっと豊かになるようなクルマであって欲しいんです。そんな想いから、アルフレックスではナローボディ&両側スライドドアを備えた“S-GL”にこだわって開発してきました」と竹山代表。
ナローボディの室内を最大限有効に使うため、CEEBUSの開発には3年を要した
開発の一端を、既存モデルのCEEBUSを題材に垣間見てみたい。CEEBUSは、ナローボディの狭い室内に、使いやすさと広さを確保し、普通に使えるクルマという発想を持ち込んだ、ADDSETらしいパッケージだ。屋根が低く、室内を立って歩ける高さがないという制約のあるナローボディの開発には、3年という月日を要した。
設計でこだわったのが次の5つのポイントだ。
1.ナローボディで常設ベッド
2.前向きに座れるリアシート
3.リアシートに座って調理や食事ができる環境
4.便利なオーバーヘッドキャビネットを確保する
5.バイクや自転車、大きな荷物運ぶトランスポーターのような使い方ができること
これらの条件を細分化し、出来るかぎりすべてを成立させることを考えて設計。
シートやベッドの広さ、収納力のある家具、高い積載能力……。なんでも取り込んでいったら、とんでもなく大きなモノになってしまう。そこで“狭いなら狭いなりに!”という逆転の発想で開発したという。
「狭い場所なのに、広いところと同じように使う人はいません。立って歩けないならば、座った状態でなんでもできるようにすればいい。ベッドもそうです。室内幅が1520mmしか確保できないナローボディで脚を伸ばして寝るにはどうしたらよいかを検討します。その感覚をレイアウトに持ち込んでいます。選択肢の中で最大限のものを選ぶ、まさに最大公約数をカタチにしたのがCEEBUSなんです」と竹山代表。
使わなくてもいい。とっておきの装備を所有する歓びを感じてもらいたい
一番苦労したのが、シンクと2バーナーコンロを備えたユニットの採用だったという。
「ドイツのデュッセルドルフで開催されるキャンピングカーの見本市『キャラバンサロン』に買い付けに行くのですが、そこで小型&スリムで美しい、まさに探していたようなシンクが見つかったんです。ただ、当時は自動車メーカーのライセンスがあり、すぐには無理でした。自社で作ることも考えたのですが、どうしてもそのシンクが欠かせないと、ライセンスが切れるのを待ってから、CEEBUSの開発を煮詰めていきました」と竹山代表。
実は、ADDSETにはこれまで一度も2バーナーコンロのあるパッケージは存在していなかった。なぜ、CEEBUSではバーナーコンロを取り入れたのだろう?
「使いやすさを考えたら、カセットコンロになりますよね。ですが、CEEBUSでは所有感を重視して2バーナーコンロにしました。また、50リッターの大型冷蔵庫も同じです。使いやすさだけならば上面が開くタイプですが、シンクから前方にボディを引き出すアクションがソソる。使わないかもしれないけど6リッターの冷凍庫があることも所有感を高めてくれる要素です」
竹山代表は、使う使わないではなく、2バーナーコンロや大型冷蔵庫といった装備を所有したいユーザーがCEEBUSを選ぶのではないかと考え、アイテムのセレクトは所有感を満足させることにこだわったという。
室内は隙間まで徹底的に利用する
もうひとつ、パッと見では分からない部分の話も加えておきたい。室内を最大限に有効利用するため、スペースを無駄なく使用しているのもCEEBUSの特筆すべきところだ。
純正リアヒーターをリアシート下に移設し、その空いたスペースに分電盤などの電装品の制御パネルを入れている。メンテナンス性も考えた仕上げだ。
「こんなに面倒くさいことをやったら、時間がいくらあっても足らないと言われますが、狭い室内を最大限有効に使うならば、とことんやりたい」と竹山代表。
後部スペースの床下にはポータブルトイレを装備しており、カーテンを閉めればトイレとなる。その隣には、アウトドアで活躍するリアギャレー(シンク&シャワー)を用意。汚れた手足や道具を洗ったり、外で遊んだ愛犬をキレイにしてあげたりすることもできる。キャンプや車中泊に必要な物ほとんどが揃っている印象だ。
こうやって仕上がったCEEBUSは、日常的に使うクルマとしての要件を備えながら、ラゲッジスペースはベッドやカーゴスペースとしての優れた機能性を併せ持ったパッケージに仕上がっている。
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CEEBUS MASTERS LINEでは、ハイエースの乗り心地を飛躍的に高める足回りをパッケージ
そんなCEEBUSをベースに、アルフレックスが考える現時点での頂点をパッケージングしたのが、CEEBUS MASTERS LINE(シーバス マスダーズ ライン)だ。
「高級車に乗られていた方がハイエースのバンコンに乗った時、残念に感じる部分をヒアリングしました。その代表例が、乗り心地です。商業バンならではの突き上げや横揺れは、普段高級外車に乗られている方には我慢できない部分のようです。そんなバン特有の乗り味を解消するべく用意したのが、ユーアイビークル製のコンフォートサスペンションのセットです」
車高を下げる車高調に、走行安定性を高めるスタビライザー、突き上げを減らすリーフスプリングのセットを取り付けることで、弱点だった乗り心地が飛躍的に向上。アルフレックスでも一番人気のオプションであるこの足回りを、MASTERS LINEでは最初からパッケージに取り込んだのだ。
贅を尽くした室内は、まるでタワーマンションのショールーム
スライドドアを開けると、後ろ向きに回転させた運転席と助手席と、リアシートによるダイニングスペースが広がっていた。ワンタッチで脱着できるフラットテーブルも標準装備しているので、家族や友人と一緒に心置きなく食事が楽しめる。
家具は明るいホワイトを基調にブルーグレーとリアルステンレスを使ったヘアラインを合わせたもので、北欧風な上質な室内が印象的。まるでタワーマンションのショールームのような雰囲気に仕上がっていた。
スタンダードモデルのCEEBUSに対し、MASTERS LINEではシートやベッドマットといった素材をしっとりとしたマットなレザー生地へと変更。毛足の長いフロアカーペットやダッシュボードマットまで装着しており、室内をトータルにコーディネイト。
2バーナーコンロにシンクを備えた家具は、後部にオーバーキャビネット2箇所とポケットシェルフを搭載し、旅に欠かせない収納スペースを確保。そのキャビネット底面には個別にON/OFFの切り替えができるLED照明器具も装備している。
リアシートの後ろは、常設ベッドスペースを用意。マットは120mm厚と堅牢なもので、ナローでも長さ1380mm×幅1520mmという広いフラットスペースが現れる。また、アルフレックスの専売特許であるベッドスペースのプライバシー保護と効率的な断熱を確保する窓埋めパネル「ウインドサーモパントリム」を備えることで、個室感をさらに増長。断熱効果もあり、くつろぎの時間を約束してくれる。
日々改良を重ねて進化し続ける姿勢が、唯一無二のブランド力を作り出す
ADDSETの頂点に君臨するCEEBUS MASTERS LINE。美しさと機能性を融合しながら、ちゃんと乗れて、たくさん詰め、ちゃんと寝られる、無限の可能性を秘めたパッケージであろう。使う側の想像力をかき立てるクルマともいえる。
>>CEEBUS MASTERS LINEの詳細はこちら(アルフレックス オフィシャルサイト)
所有して乗ることでライフスタイルが豊かになり、新しい価値観を広げられるクルマ作りを実践しているアルフレックス。すでに発売しているキャンピングカーでも、イヤーモデルごとにマイナーチェンジが行われている。立ち止まることなく、常に進化しつづける企業姿勢こそが、ラグジュアリーブランドである所以なのだろう。
次回は、MASTERS LINEのもう一方、C'sNEX MASTERS LINEをご紹介するので、こちらもお楽しみに!
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- 筆者 岡本 晃
- 元自動車雑誌編集者/編集長。現在は「オフィス・アヘッド」という屋号で、ライター/編集者として活躍している。自動車雑誌、カスタム系雑誌への寄稿が多く、関西エリアを拠点に活動中。ジャンルを問わず、面白いモノ・コトを掘り起こして執筆することに力を注いでいる。
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Brand Info - ADDSET(アドセット)
ADDSET(アドセット)とは?
ADDSETはアルフレックスが手掛けるバンコンバージョンのブランド。開発から設計、製造までをアルフレックスで一貫して行っているので、使い勝手やクオリティ、デザイン性が高く、多くのユーザーから支持されています。「CEEBUS(シーバス)」や「C'sNEX (シーズネクス)」といったハイエースベースのキャンピングカーが代表作。
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