車中泊におすすめの車10選! 快適な車中泊のコツから注意点まで徹底解説

  • 筆者: MOTA編集部
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車中泊は、自由気ままな旅を楽しめる人気のスタイルです。

この記事では、快適な車中泊を実現するための車選びのポイントから、おすすめの軽自動車と普通車を5車種ずつご紹介します。さらに、車中泊のコツやメリット、注意点とマナー、そしておすすめスポットまで、車中泊に関する役立つ情報を幅広く解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 快適な車中泊のための車選びのポイント
  2. 車中泊におすすめ・人気の軽自動車5選
  3. 車中泊におすすめ・人気の普通車5選
  4. 車で寝るときのコツを紹介
  5. 車中泊をするメリット
  6. 車中泊で注意するべきポイントとマナー
  7. 車中泊で利用したいおすすめスポット
  8. まとめ

快適な車中泊のための車選びのポイント

車中泊の成功は、車選びにかかっているといっても過言ではありません。ここでは、快適な車中泊にぴったりの車の特徴と、選び方のポイントをご紹介します。

車中泊に適した車種の特徴

車中泊で最も重要なのは、なんといっても室内の広さです。室内が狭いと、長時間同じ姿勢で過ごすことになり、「エコノミークラス症候群」を発症してしまうリスクがあります。これは、長時間同じ姿勢でいることで血栓ができ、肺の血管を塞いでしまう恐ろしい病気です。

快適な車中泊をするためには、横になって寝返りが打てるほどの広いスペースを確保できるかどうかが非常に重要になります。単にシートを倒して仮眠を取るだけなら問題ありませんが、数時間にわたる睡眠や連泊を考えるなら、できるだけ体を伸ばせる空間が必要です。

フルフラットなスペースを作れることがポイント

車内に広いスペースを作る上で大切なのは、シートアレンジでフルフラットにできるかどうかです。フルフラットとは、シートの背もたれを倒し、水平(フラット)な状態にして広い空間を確保するシートアレンジのことです。ひと言でフルフラットと言ってもさまざまなパターンがあります。

一般的な1列目と2列目のシートの背もたれを後ろに倒すパターン。

3列シートのミニバンでは、1列目から3列目のすべてのシートの背もたれを後ろに倒しフルフラットにするパターンもあります。

また1列目はそのまま、2列目と3列目のシートの背もたれを倒すタイプもあります。

ボディサイズに制約のある軽自動車で車中泊をする場合は、フロントシートを後ろに倒し、リアシートを前方に折りたたんでフルフラットにするケースも多く見られます。

重要なのは、どのような方法であれ、車中泊の際にはフラットで広い寝床を確保することです。ただし、車種によっては完全にフラットにならず、段差ができてしまうことも。その場合は、後述する段差解消マットなどの活用が必須となります。

車中泊に向いているボディタイプは?

「車中泊を意識して車を選ぶなら、軽自動車のスーパーハイトワゴンやミニバンが良いのでは?」と思われるかもしれません。もちろん、これらの車が車中泊に向いているのは間違いありませんが、シート形状やアレンジ方法によっては段差ができやすく、寝心地が良くない車も存在します。

近年人気のSUVやステーションワゴン、さらにはコンパクトカーでもフルフラットのシートアレンジが可能なモデルが増えています。車中泊用途だけを考えて車を選ぶのではなく、自分のライフスタイルや普段使いの状況に合わせて最適な一台を選ぶのが賢い選択と言えるでしょう。

車中泊におすすめ・人気の軽自動車5選

ここからは、車中泊におすすめの軽自動車を5車種ご紹介します。維持費が安く、小回りが利く軽自動車は、初めての車中泊にもぴったりです。

車中泊のおすすめ軽自動車その1:ホンダ N-VAN

ホンダ N-VANは、車中泊におすすめの筆頭候補です。同社の人気軽自動車N-BOXのプラットフォームを活用した軽貨物車で、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトにより荷室を低床化し、高さのある荷物でも楽に積載できるのが大きな特徴です。

最大の魅力は、運転席を除く助手席とリアシートをすべて「ダイブダウン」機構でフルフラットにできる点です。これにより、助手席からテールゲートまで約2.5mの広大なフラット空間が出現し、大人でも足を伸ばしてゆったり寝られます。助手席側のドアはセンターピラーレスで開口部が大きく、荷物の出し入れも非常にスムーズです。

ディーラーオプションの「マルチボード」は、車内の利便性を高めます。ラゲッジ用とリア用があり、両方使えば前席からラゲッジルームまでほぼ段差のないフラットな状態に。

ボード下には収納空間も確保されているため、寝床を確保しつつ荷物を整理できるのも嬉しいポイントです。

ホンダ N-VAN

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1945〜1960mm

WLTCモード燃費

17.0~19.8km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ軽自動車その2:スズキ スペーシアベース

スズキ スペーシアベースは、商用車の積載性や広い荷室空間、使いやすさと、乗用車のデザイン、快適性、運転のしやすさを融合した軽商用車です。ホンダ N-VANと同様に、軽乗用車ではなく4ナンバーの軽商用車として登録されます。

外観は、改良前のスペーシアカスタムに準じたフロントマスクが特徴で、ブラック塗装されています。ホイール、ドアハンドル、上級グレードXFに装着されるルーフレールもブラックで統一されています。

内装は、フロント部分が軽乗用車のスペーシアと同様の形状です。

注目すべきは荷室で、商用車のため後席はコンパクトに格納できます。格納時の荷室サイズは、長さ1205mm、幅1245mm、高さ1220mmです。

スペーシアベースには、荷室に設置するマルチボードが採用されています。

このボードは3段階の高さ調整が可能で、最下段にセットすると、荷室床からボードまでの高さが165mmになります。この状態で前席をリクライニングさせると、マルチボードと連結し、車中泊に適した広い空間が生まれます。

ディーラーオプションの「リラックスクッション」を使用すれば、段差が抑えられ、より快適に就寝できます。マルチボードの下側は収納スペースとして活用でき、就寝時でも荷物の整理がしやすいです。

スズキ スペーシアベース

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1785〜1800mm

WLTCモード燃費

19.9~21.2km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ軽自動車その3:ダイハツ アトレー

2021年にフルモデルチェンジしたダイハツ アトレーは、先代の軽乗用車(5ナンバー)から、ベースとなった軽商用バン「ハイゼットカーゴ」と同様の4ナンバー軽商用バンへと変更されました。

アトレーは、ホンダN-VANやスズキ スペーシアベースと同様に、軽商用バンでありながら軽乗用ワゴンのような内外装が特徴です。メッキやシルバーの装飾が多用されており、一見して軽商用車のような簡素なイメージはありません。

荷室は広々としたボックス型空間で、後席は床下に格納できるため、2名乗車時には完全にフラットなスペースになります。2名乗車時の荷室長は1820mmと、軽自動車としては車中泊にも十分な広さです。

荷台フロアはフラット化され、側面の凹凸も低減されており、ほぼ完璧なフルフラット空間を実現しています。

ダイハツ アトレー

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1890mm

WLTCモード燃費

14.7km/L

車中泊のおすすめ軽自動車その4:ホンダ N-BOX

国内で最も売れている軽乗用車、ホンダ N-BOX。軽自動車規格の限られたサイズを最大限に活かしたパッケージングが特徴です。車高とホイールベースを限界まで拡大し、四角く効率的なキャビン設計にすることで、上位クラスのコンパクトカーを凌ぐほどの広い室内空間を確保しています。

後席左右にはスライドドアを備え、乗り降りも抜群にしやすいので、ファミリーカーとしても十分に活躍します。

シートを倒すと若干の凹凸はありますが、大手通販サイトなどでは、この段差を解消する便利なアイテムが多数見つかります。車種専用設計で完全にフラットな寝床を作れるフレーム付きのベッドキットまで存在します。

そこまでせずとも、キャンプ用のインフレーターマット(バルブを緩めると自動的に膨らむエアマット)で十分に代用可能です。肉厚なものを選べばシートの凹凸もある程度解消できるでしょう。コンパクトに収納でき、不要な時は自宅で保管しておけば問題ありません。防災用品としても活用できる優れものです。

ホンダ N-BOX

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1790〜1815mm

WLTCモード燃費

18.4~21.6km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ軽自動車その5:スズキ ハスラー

スズキ ハスラーは、クロスオーバーSUVらしい外観でありながら、丸目のヘッドライトやスクエア型のボディが柔らかな印象を与えます。

全高が高いため運転席からのアイポイントが高く、運転視界が良いのも魅力。小柄な車体は取り回しやすく、運転のしやすさも兼ね備えています。

ハスラーはシートアレンジが多彩です。後席シートのスライドやリクライニングは、レバー操作だけで簡単に前倒しできます。乗車人数に合わせて後席を倒せば、広い荷物スペースを確保可能。助手席まで倒せば、サーフボードやスノーボードなども積載できるため非常に便利です。

車中泊の際は、運転席、助手席、後席を倒すことで大人2人分の就寝スペースを確保できます。N-BOXと同様に少々段差が生じるため、マットやクッションを敷くのがおすすめです。

また、ハスラーにはアウトドアや車中泊に便利な純正オプションギアが多数用意されているのも魅力の一つです。

スズキ ハスラー

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1680mm

WLTCモード燃費

20.8~25.0km/L(グレードによる)

車中泊におすすめ・人気の普通車5選

続いては、車中泊におすすめ・人気の普通車5選ご紹介していきます。

車中泊のおすすめ普通車その1:ホンダ フリード

最初にご紹介するのは、5ナンバーサイズのコンパクトミニバン、ホンダ フリードです。

取り回しやすいサイズながら、多人数乗車と積載能力を両立した広い室内空間が大きな特徴です。特に、低床設計とスライドドアによる乗降性の良さ、そして運転席からの広い視界も魅力で、日常使いからレジャーまで幅広いシーンで活躍します。

特に、5人乗りの「クロスター」は、2列目シートを格納することで広大なラゲッジスペースを確保できます。これにより、大人2人がゆったりと横になれる空間を作り出すことが可能です。運転席と助手席の背もたれを前に倒せばスペースをさらに拡張でき、荷室長は最大197cmほどまで広がります。

また、クロスターにはルーフレールが標準装備されており、ルーフキャリアなどを活用すれば積載量をさらに増やすこともできます。

この他にも、車中泊に便利なプライバシーシェードやトランクサイドボックスなど、純正アクセサリーが豊富に用意されています。

ホンダ フリード

全長×全幅×全高

4310mm×1695〜1720mm×1755〜1780mm

WLTCモード燃費

14.4~25.6km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ普通車その2:トヨタ シエンタ

続いてご紹介するのは、トヨタ シエンタです。

シエンタは、「扱いやすい5ナンバーサイズ」「最新の安全・安心装備」「低燃費」、そして「求めやすい価格」といった従来の魅力を引き継ぎつつ、初代からの特長である「使い勝手の良い室内空間」をさらに進化させています。

シエンタのボディサイズは、全長4260mm × 全幅1695mm × 全高1695mm(4WDは全高1715mm)で、ホイールベースは2750mmです。

シエンタの内装は、ドアポケット、メーター、シフト、カップホルダーなどが外観と同様の「シカクマルシルエット」で統一されています。これにより、愛着の湧く道具感を表現し、機能美とデザイン性を両立しています。

室内空間は、日常での取り回しを重視した5ナンバーサイズを維持しつつ、従来型より20mm高くなった室内高に加え、水平基調の低いベルトラインとサイドガラスを立てたデザインにより、広々とした開放的な空間が広がります。

さらに、クラストップレベルとなる最大1000mm(従来型比+80mm)の前後カップルディスタンスを実現し、2列目の居住性が向上しました。これにより、普段の買い物で買い物かごを足元にそのまま置けたり、前席をフラットにして車中泊で便利に使えたりと、幅広いシーンで活躍します。

ラゲージスペースも大容量かつフラットで、多くのアウトドア用品などを積載できるため、アクティブなシーンでも活躍が期待できます。

トヨタ シエンタ

全長×全幅×全高

4260mm×1695mm×1695〜1715mm

WLTCモード燃費

18.3~28.8km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ普通車その3:日産 NV200バネット

取り回ししやすい5ナンバーサイズのミニバンで車中泊にも向いているのが、日産 NV200バネットです。

2009年5月に登場したNV200バネットは、従来のビジネスユースモデルの概念を打ち破り、日常使いからレジャーまで幅広いシーンで活躍できる5ナンバーサイズのミニバンとして開発されました。

ビジネスユースで人気のバンモデルに加え、5人乗り、7人乗りのワゴンモデルもラインアップされています。家族構成や車中泊の用途に合わせて選べるのが魅力です。

NV200バネットには、インテリジェントキーが採用されており、キーを取り出すことなくドアの開閉やエンジン始動が可能です。大きな荷物の積み下ろしが多いアウトドアシーンでは特に重宝します。

また、車内のプライバシー保護や断熱効果があるプライバシーガラスや、換気可能なスライドサイドウィンドウなど、車中泊時に嬉しいアイテムが標準装備されています。

5ナンバーサイズのコンパクトなボディでありながら、3列目シートを両サイドに跳ね上げると、幅1,220mmものフラットな空間が出現します。シンプルなサスペンション構造により、ホイールハウスの張り出しが抑えられ、床面が広く使えるのが特徴です。

さらに、5人乗りのバンモデルはセカンドシートを畳むと3,700Lもの荷室容量を実現。セカンドシートも前に倒せば、荷室長は2,040mm、荷室幅1,500mmとなり、大人2人が横になって車中泊できるほどの広大なスペースが確保されます。

これだけの広い空間を生み出せる5ナンバーサイズのミニバンは、NV200バネット以外にはなかなかありません。

日産 NV200バネット

全長×全幅×全高

4400〜4410mm×1695mm×1850〜1855mm

WLTCモード燃費

10.9~13.6km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ普通車その4:トヨタ ノア/ヴォクシー

トヨタ ノア/ヴォクシーのボディサイズは全長4,695mm、全幅1,730mmで共通しており、ノアの標準ボディ、ノアのエアロボディ、そしてヴォクシー(エアロボディのみ)のすべてが3ナンバー車となります。

ワイドな3ナンバーサイズを活かし、室内は広大な空間を確保。車内上部が左右それぞれ35mm拡大されたことで、開放感がさらに増しています。また、セカンドシート(2列目席)の前後スライドは、わざわざ席を中央に寄せなくてもスムーズに行えるようになりました。

7人乗り仕様では、セカンドシートのヘッドレストを外し、前後スライド調整後に倒したサードシートと連結することで、フルフラットにできます。実際に寝る際には、キャンプ用のエアマットなどを敷いて隙間や段差を埋めることで、より快適な睡眠が得られるでしょう。

一方、8人乗り仕様はセカンドシートがベンチシートのため、親子3人が並んで就寝することも可能です。近年はセカンドシートが独立した7人乗り仕様の人気が高いですが、車中泊を重視する方にとっては、あえて8人乗り仕様を選ぶのも良い選択肢となるでしょう。

トヨタ ノア/ヴォクシー

全長×全幅×全高

4695mm×1730mm×1895〜1925mm

WLTCモード燃費

ノア:14.3~23.4km/L(グレードによる)/ヴォクシー:14.3~23.0km/L(グレードによる)

車中泊のおすすめ普通車その5:トヨタ カローラクロス

トヨタ カローラクロスは、通常のカローラに比べて車高(最低地上高)が上げられたスポーティなボディデザインが特徴です。

一方で、広い室内と荷室空間も兼ね備え、実用性も抜群。定員乗車時の荷室容量は487リットル(FF・ガソリン車)で、荷室長は849mmを確保しています。後席を前に倒せば、最大荷室長は1,885mmまで拡大します。全長わずか4.5メートルにも満たないコンパクトサイズでこの容量は特筆すべき点です。

荷室の床面は非常に深く大容量ですが、後席の背もたれを前に倒した際に、荷室の床面と背もたれの間に150mm以上の大きな段差が生じます。しかし、トヨタは発売から3か月後の2021年12月に、純正アクセサリーの「ラゲージアクティブボックス」(2万8050円・消費税込)を発売しました。

このアクセサリーを使用することで、荷室の床面と後席を倒した背もたれ部が水平につながり、フラットで長い床面が実現します。これにより、長い荷物の積載や車中泊も可能になります。また、ボードの下にはスチール製の強固な補強材が組まれており、耐荷重は130kgです。

さらに、ボードを上げれば床下にも荷物を収納できるため、用途に応じた使い分けが可能です。荷室を覆うトノカバーを収納するスペースも用意されています。

トヨタ カローラクロス

全長×全幅×全高

4455〜4460mm×1825mm×1600〜1620mm

WLTCモード燃費

23.3~26.4km/L(グレードによる)

車で寝るときのコツを紹介

ここでは車で寝る方法と、快適に寝るためのポイントを紹介します。

車で寝る方法はおもに3つ

車で寝る方法

  • 運転席・助手席で寝る
  • 後部座席で横になって寝る
  • 座席をフルフラットにして寝る
  • 一つずつみていきましょう。

    運転席・助手席で寝る

    運転席や助手席を倒して寝る方法は、車中泊初心者や短時間の仮眠におすすめです。車内が狭くても比較的寝やすく、寝床作りも不要で手軽に睡眠をとれます。

    ただし、寝返りが打ちにくく、長時間同じ姿勢で寝ると腰痛の原因になることもあります。あくまで短時間の仮眠向けなので、寝る際は必ずシートベルトを外し、寝袋や布団で寝心地を良くするとさらに快適です。

    後部座席で横になって寝る

    後部座席のシートを倒し、段差をクッションや毛布で埋めることで、比較的簡単に寝床を作れます。頭と足元にクッションを置くと寝心地が調整しやすいでしょう。車内が広く足を伸ばせるスペースを確保できる車におすすめですが、背の高い人だと足を曲げる必要があったり、横向きで寝るため熟睡しにくいと感じる人もいます。

    座席をフルフラットにして寝る

    座席をフルフラットにして寝るのは、車中泊で最も快適な睡眠を追求したい方におすすめの方法です。足を伸ばして寝返りも打てるため、まるで自宅のベッドで寝ているような感覚で眠れます。

    すべての車がフルフラットにできるわけではありませんが、荷物を移動させたり座席を倒したりする手間をかけても、広々としたスペースは快適さにつながります。マットレスや寝袋を使えば、さらに快適な長時間睡眠が可能です。

    クルマで快適に寝るための5つのポイント

    快適な車中泊には、いくつかの工夫が必要です。ここでは、ぐっすり眠るための重要なポイントを5つご紹介します。

    静かな駐車場に停める

    車中泊でぐっすり眠るには、周囲の音が静かな場所を選ぶことが重要です。

    場所によっては、アウトドアを楽しむ人々の声、車の走行音、鳥のさえずりなど、さまざまな音が響き、睡眠が妨げられることがあります。事前に候補地の環境を調べておきましょう。

    車内スペースを確保する

    快適に眠るためには、荷物を整理して車内に十分なスペースを確保することが重要です。荷物が多すぎると、寝返りが打てずに窮屈で寝苦しくなってしまいます。

    必要なものだけを持っていく、かさばるものは圧縮袋を使うなど、荷物を減らす工夫をしましょう。

    シートの凸凹を極力なくす

    車中泊で快適な睡眠を得るためには、シートの凸凹をできるだけなくすことが重要です。凸凹があると体がうまくフィットせず、寝返りが打てなかったり、腰痛の原因になることもあります。

    シートを倒してフルフラットにするのが理想ですが、完全に平坦にならない場合は、段差解消マットやエアマットなどを活用して、できるだけ平らな状態を作りましょう。

    さらにマットレスや座布団を使うと、より柔らかく快適な寝心地になります。

    防寒・防暑対策をする

    場所や季節によっては、車内の温度が極端に低くなったり高くなったりします。快適な睡眠のためにも、防寒・防暑対策をしっかりと行いましょう。

    冬場は窓からの冷気対策が特に重要です。窓ガラスは熱伝導率が高く、外気温の影響を受けやすいので、車種専用の断熱シェードなどで窓を覆うと高い断熱効果が期待できます。また、荷室フロアで寝る場合は、床からの冷え対策として市販の厚手マットを敷くのも効果的です。

    夏場は、車内が蒸し暑くなることもあります。ポータブルクーラーや扇風機を活用したり、適切な換気を心がけましょう。

    いずれの季節も、気候に合わせた服装や水分補給に加え、必要に応じて寝袋などの導入も検討し、快適な温度を保つようにしてください。

    空調管理や光対策を徹底する

    車中泊で快適な睡眠を追求するためには、空調管理と光対策を徹底することが重要です。車内環境が整っていないと、ぐっすり眠ることができず、せっかくの車中泊が台無しになってしまいます。

    周囲の光が気になる場合は、カーテンやシェードなどを使うと良いでしょう。

    車中泊をするメリット

    車中泊旅の魅力は、大きく3つあります。

    1. 旅の選択肢が広がる

    車中泊のメリットの1つ目は、時間の融通が利き、旅の選択肢が広がることです。ホテルのチェックイン・アウトの時間を気にする必要がなく、天候などを見ながら臨機応変に行動できます。

    早朝登山や絶景スポット巡りなど、時間や場所に縛られない自由な旅が楽しめるのがポイントです。

    2. 宿泊代の節約

    2つ目は、宿泊代の節約です。ホテルや旅館に泊まるよりも、食費や駐車料金、入浴料などの施設利用料のみで済む場合が多いため、旅費を大幅に節約できます。

    浮いたホテル代で地元グルメを堪能したり、1日だけ車中泊にして2日目のホテルをグレードアップするなど、色々な工夫ができます。

    3. 車中泊自体をアウトドアとして楽しめる

    3つ目は、車中泊自体をアウトドアとして楽しめることです。

    現在ではフルフラットシートの車も増え、本格的なグッズや写真映えするアイテムも気軽に手に入るため、スタイリッシュな車中泊が楽しめます。

    車中泊で注意するべきポイントとマナー

    近年、車中泊が人気を集めていますが、同時にマナー違反も目立ってきています。マナー違反は、周辺住民や施設利用者に迷惑をかけるだけでなく、車中泊全体のイメージを悪化させてしまいます。

    快適で安全な車中泊のために、以下の点に注意しましょう。

    アイドリング駐車の禁止

    エンジンをかけっぱなしにすると、騒音や排気ガスによる環境汚染が発生します。

    特に冬場は、寝ている間に雪が車のマフラーを覆ってしまうと排気ガスが車内に流入し、一酸化炭素中毒に陥る危険性があります。一酸化炭素は色や臭いがないため気づきにくく非常に危険です。

    電力確保にはポータブル電源などの利用を検討し、寝る前には必ずエンジンを切りましょう。

    禁止されている場所での車中泊はNG

    長時間滞在や宿泊が禁止されている場所では、車中泊はできません。事前に車中泊可能な場所かどうかを必ず確認しておきましょう。

    また、駐車スペースではない場所への駐車や、障がい者用駐車スペースへの駐車は、他の利用者の迷惑となります。適切な場所に駐車してください。

    火気の使用・ゴミの不法投棄の禁止

    駐車場でのバーベキューは、指定されている場所や時間帯を守って行う必要があります。

    ゴミは必ず専用のゴミ箱に捨てるか、持ち帰りできない場合は自宅まで持ち帰りましょう。

    汚水や残飯なども、必ず専用の処理場所に捨ててください。洗面所やトイレに流すことは厳禁です。

    施設利用時のマナー

    洗面所はあくまで手洗い場であり、食器洗いなどの行為は禁止されています。洗濯もコインランドリーなどを利用するか、自宅で行いましょう。

    施設内で洗濯物を干す行為は、景観を損ねるだけでなく、他の利用者の通行の妨げにもなります。

    外部電源の無断使用の禁止

    公共の電源を無断で使用することは窃盗行為となります。電力は、ポータブル電源などの利用を検討しましょう。

    防犯対策

    車内で寝ている間は当然無防備な状態です。車中泊で車上荒らしやイタズラにあう可能性も否定できません。あまりにも人気のない場所で車中泊をしてしまうと、周りの目がないことから、被害に合う危険性が上がります。

    車中泊するなら、ある程度人目のある場所を選ぶか、窓にカーテンを取り付けて車内を覗かれないようにするなどの対策を取りましょう。

    トイレ対策

    車中泊では、移動中と異なり車内で一晩過ごすため、トイレ対策も重要です。できればトイレのある施設に泊まるのが一番ですが、必ずしもトイレがあるとは限りません。

    そこで、災害時などでも役立つ車内で利用できる簡易トイレを1つ用意しておくと良いでしょう。

    車中泊で利用したいおすすめスポット

    ここでは、車中泊ができるおすすめのスポットを3つご紹介します。

    おすすめその1:RVパーク

    RVパークとは、「快適に安心して車中泊が出来る場所」を提供するために、一般社団法人日本RV協会が推進している有料の車中泊施設です。簡単に言うと、日本全国にある温泉、旅館、道の駅、遊園地など施設の一画を、車中泊で間借りできる場所です。

    RVパークは、1台あたり4m×7mと広いスペースがあり、そのほかにも24時間使えるトイレ、半径15km以内に入浴施設があるなど、決まった条件を満たしている場所なので、ここに行けば誰でも快適に車中泊ができます。

    もちろんキャンピングカーだけでなく、一般の乗用車でも利用OK。車中泊初心者でも気軽に利用できる点がおすすめです。

    おすすめその2:道の駅

    基本的に道の駅は、安全で快適に道路を利用するための休憩施設であり、宿泊施設とは異なるため、車中泊をすることはNGとなっています。

    ただし、上記でご紹介したRVパークが併設されている道の駅もあり、その場合は車中泊が可能です。

    また、RVパークを併設していなくても、温泉や銭湯など入浴施設を備えているところや、道の駅自体が車中泊を積極的に歓迎しているところ(千葉県安房郡「道の駅保田小学校」など)も存在します。

    トイレや自販機などが備わり、車中泊にはもってこいの道の駅ですが、車中泊をする際は可能かどうか事前に必ず確認しましょう。

    おすすめその3:サービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)

    24時間走行可能な高速道路の休憩スポットであるサービスエリア/パーキングエリア。基本的に車中泊NGということはなく(仮眠や休憩の延長という認識)、どこで車中泊をしても大丈夫です。

    ただし「みだりに火気の使用をすること」「キャンプやBBQを行うこと」「規定の目的に反し長時間にわたる駐車を行うこと」はNGとなっているので、あくまでも車内で周りに迷惑をかけるようなことがなく、マナーを守って行いましょう。

    まとめ

    近年のアウトドアブームなどによりインフラの整備が進んだことで、本格的なキャンピングカーでなくとも、車中泊によって手軽にそしてリーズナブルに旅行を楽しめるようになりました。

    車中泊に適した車は、シートをフルフラットにした際にできるだけ段差が少ないことがポイントです。軽自動車では乗用モデルより商用モデルの方がフラットで広い空間が実現されており、普通車では広大な室内空間、荷室を備えるミニバン、そして昨今人気のSUVもアレンジ次第で快適に車中泊を行うことができます。

    自由な時間、自由な場所で楽しめるのが車中泊の醍醐味ですが、自分の身の安全は自分で確保しなければなりません。最近では車中泊を楽しんでいる方も増えているので、事前にインターネットで情報を調べたり、SNSなどで情報交換をしたりすれば安全性は向上するでしょう。

    また、車中泊の旅行をする場合は宿泊場所や自分で出したゴミの処理、周りの方々への配慮など、最低限のルールやマナーを守って楽しむことを心がけましょう。

    【筆者:MOTA編集部】

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