新型ノア&ヴォクシーの2列目シートは先代と比較にならないほどに進化! シート設計を改めて快適になった

  • 筆者: 青山 尚暉
  • カメラマン:茂呂 幸正/MOTA編集部
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前回は新型ノア&ヴォクシーのパッケージングについて触れてきた。今回はいよいよ、新型ノア&ヴォクシーの2、3列目シートの座り心地について紹介していきたい。

目次[開く][閉じる]
  1. 3列目への移動がラクラク! 2列目ロングスライドも快適
  2. スライド量は先代より減少したものの、ベンチシートもゆったりと座れる
  3. 3列目シートは格納しやすさと座り心地を両立したネット構造に!

3列目への移動がラクラク! 2列目ロングスライドも快適

注目は2列目席のキャプテンシートである。先代のリラックスキャプテンシートも810mmもの超ロングスライドが可能だったが、左右シートの外側のリクライナー部分が、超ロングスライド時にリアホイールハウスに干渉するため、左右席を中寄せスライドさせないと超ロングスライドができなかった。

結果、せっかくの折り畳み式テーブルが使えず、2-3列目席スルーも不可能になっていたのである。が、新型はリクライナーを内側に寄せたことで、中寄せスライドなしで745mmものストレート超ロングスライドを実現。おかげで超ロングスライド時でも折り畳み式テーブル(USBソケットあり)が使え、その状態でも車内後部に移動が可能になったのである。

そのため、新型の2列目キャプテンシートのシートサイズは、座面長510mmは先代の20mm増し、背もたれ高600mmは先代同等ながら、座面幅は先代の530mmから490mmになっている。とはいえ、座り心地は当然、新型のほうが、シート設計が新しい分、快適である。

スライド量は先代より減少したものの、ベンチシートもゆったりと座れる

一方、2列目ベンチシートは、座面長、座面幅ともに拡大。よりゆったりと座れるシートとなっている。なお、着座、立ち上がり性の良否にかかわる、フロアからシート座面先端までの高さ=ヒール段差は先代、新型とともに極めて優秀な370mmである。

ここで、超ロングスライド時のスライド量が先代より減っているので、リラックスキャプテンシート自慢の驚愕の膝周りスペースもまた減っていると思いきや、実際には身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で頭上、膝周り空間ともに先代とまったく同じ260mm、最大600mmという広大すぎる居住空間が広がるのである。

上級グレードならシートヒーターやオットマンも備わり、トヨタ アルファードに迫る豪華で贅沢な着座感が味わえることになる。走行中のシート振動も先代より抑えられ、もっと言えば、ひじ掛け部分の振動のなさでは、アルファードの上級2グレードよりも優れていると断言できるのだ。

加えて、ボックス型だけに、速度と路面によって発生する車内の「箱鳴り」被害!? も、2列目席がもっとも少ない。1/3列目席にそのピークがあり、気になるシーンではより気になるのである(今回の試乗では長いゼブラゾーンで発生した)。

3列目シートは格納しやすさと座り心地を両立したネット構造に!

3列目席は、ワンタッチで左右に跳ね上げたあとも自動で固定できるようになった、格納前提のシートであることは先代と変わらない。

先代は格納性を重視するあまりか、座り心地が硬く、またファブリックの表皮の織り方のせいか、走行中にお尻が前にズリズリと動いてしまいがちなシートだった。

その点については、先代登場時から開発担当者に注文をつけていたのだが、この新型では一般的なウレタン構造のシートから、格納のしやすさと座り心地を両立したネット式のシートに変更しているのが新しい。

3列目席のシートサイズは座面長430mm(先代455mm)、幅1190mm(先代1190mm)、背もたれ高515mm(先代520mm)と、座面長以外は同等だ。

で、実際になかなか快適なアクセス性(2列目席ウォークイン、または先代同等幅の2-3列目席スルー)で3列目席に乗り込んでみると、たしかに筆者が先代の3列目席に指摘していた、前方向へのお尻の滑りやすさはネットシートの柔軟性だろうか、改善されていた。

しかし体重65kgの筆者だと、ヒール段差が330mm(先代360mm)でしかないため、やや膝を立てる着座感になるとともに、座面後端が後ろ上がりになっているようで、お尻が落ち着かない座り心地に思えたのも本当だ(体型による)。

ちなみに3列目席座面の前部は、手で押すとすぐにフレームに当たる仕立てなのだが、大人であればそこに太腿裏が当たることはまずない、足を立てた着座姿勢になるため、座り心地には直接影響しないはずである。

3列目シートは短時間であれば座れるレベルだ

というわけで、実際に試乗できた2列目キャプテンシートについて言えば、ストレート超ロングスライド機構のアイデア、使いやすさ、車両本体の乗り心地、静粛性の向上と合わせ、贅沢感溢れる居心地、上級感溢れる座り心地はなかなかの進化をみせたと言っていい。

一方、そもそもあまり期待はしていない3列目席は、座面長が正確には22mm(設計値)短くなったこともあり、大人であれば短時間なら座っていられないこともない……というレベルにとどまる(あくまで筆者の体型での印象だ)。

2列目キャプテンシートに比べ、座り心地の改善幅は小さいということでもある。3列目席の座り心地に関しては、リアサスがノア&ヴォクシーのトーションビームから、乗り心地に優れたダブルウィッシュボーンになるアルファードに敵うはずもない。

ただ、そう感じされる一端が、ワンタッチで格納、固定までできる新機構のためだとすれば、納得できないこともない。もちろん緊急席、子供席、ペット専用席としてとらえるなら、文句など出ないはずの3列目席ではある。

【筆者:青山 尚暉】

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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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