プリウス vs 新型ノート オーラ “プレミアムハイブリッド対決”! 新型オーラ、プリウスに”燃費”以外では勝利!?【動力性能&コスパ勝負!】

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂 幸正・小林 岳夫・NISSAN・TOYOTA
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日産から、新型プレミアムコンパクトカー「ノート オーラ」が発表された。“プレミアム”を名乗るだけあって、日産自ら、ひとクラス上の『トヨタ プリウス』の名をライバルとして挙げていた。

そんなライバル関係にある人気ハイブリッドカーのプリウスと、新型ノート オーラを、国内外の新車事情に精通するカーライフジャーナリスト 渡辺 陽一郎氏が徹底比較。後編ではノート オーラとプリウスの動力性能とコストパフォーマンスを中心にお届けしよう。

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目次[開く][閉じる]
  1. 新型ノート オーラのライバルはコンパクトカーにあらず! 挑むのはひとクラス上のハイブリッドキング“プリウス”だ
  2. 動力性能や走行安定性は小柄な新型ノート オーラが有利だが乗り心地の面ではプリウスも健闘
  3. 燃費性能はいまだにプリウスが有利! 装備の先進性や機能面では最新モデルの新型ノート オーラが強い
  4. “プレミアムハイブリッド対決”は設計の新しいノート オーラに軍配! ただし長距離移動や多人数乗車の需要が多いユーザーにはプリウスも検討価値あり

新型ノート オーラのライバルはコンパクトカーにあらず! 挑むのはひとクラス上のハイブリッドキング“プリウス”だ

トヨタ プリウス vs 日産 新型ノート オーラの徹底比較、前編ではノート オーラとプリウスの内装と使い勝手を中心にお届けした。

後編となる今回は、余裕を持たせた動力性能や燃費、コストパフォーマンスといった面を中心に、“プレミアムハイブリッド”の特徴と魅力について比較していこう。

動力性能や走行安定性は小柄な新型ノート オーラが有利だが乗り心地の面ではプリウスも健闘

勝負その5! 動力性能比較

ノート オーラのハイブリッドシステム“e-POWER(イーパワー)”は、エンジンが発電を行い、その電力を使ってモーターを駆動する。モーターの最高出力は136馬力、最大トルクは30.6kg-mとされ、ノートに比べてパワーアップされた。最高出力は17%、最大トルクは7%向上している。

2WDの車両重量は、ノート オーラGが1260kg、プリウス Sは1450kgだ。プリウスでもパワー不足はないが、車両重量の違いも含めると、加速感はノート オーラに余裕がある。

エンジンノイズは、アクセルペダルを踏み込むとノート オーラでは3気筒特有の粗い音質が耳障りだが、通常のは静かだ。モーター駆動の滑らかな加速感が際立つ。

■勝者:ノート オーラの勝ち

勝負その6! 走行安定性比較

日産 ノートは現行型でプラットフォームを刷新して、業務提携を結ぶルノーのルーテシアと同じタイプを使う。そのために新型ノート オーラも、走行安定性と操舵感が良好だ。ステアリング操作に対して、車両が比較的機敏に反応するから、進行方向を変えやすい。下り坂のカーブで危険を避けるためにブレーキを作動させた時も、後輪の接地性を失いにくい。

トヨタ プリウスはノート オーラに比べてボディの重さを意識させる。マイナーチェンジで後輪の接地性を高めたが、操舵感は穏やかだ。峠道を走ると、プリウスは少し曲がりにくく感じる場面もある。

その代わりボディが少しワイドでホイールベースも長く、直進安定性は良い。高速道路を巡航する時には、ミドルサイズの余裕を感じる。

■勝者:ノート オーラの勝ち

勝負その7! 乗り心地比較

ノート オーラは上級指向のコンパクトカーだが、乗り心地は少々硬い。車両の性格を考えると、後輪の接地性は高く維持しながら、機敏に曲がる性格は抑えて、乗り心地を向上させて欲しい。ややスポーティ感覚が強過ぎると思える。

トヨタ プリウスも乗り心地が快適とはいえないが、足まわりはもう少し柔軟に伸縮する。ホイールベースの違いも利いている。

■勝者:プリウスの勝ち

燃費性能はいまだにプリウスが有利! 装備の先進性や機能面では最新モデルの新型ノート オーラが強い

勝負その8! 安全装備&運転支援比較

ノート オーラ、プリウスともに、4輪車、自転車、歩行者に対応できる衝突被害軽減ブレーキを採用する。ノート オーラでは、2台先を走る車両も検知して、システムを早期に作動させることが可能だ。その代わり作動速度の上限は時速80kmとされ、プリウスとの比較では、一長一短がある。

車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、車線の中央を走れるように操舵制御する機能は、両車ともに採用する。ただしノート オーラの「プロパイロット」はオプションだ。

■勝者:引き分け

勝負その9! 燃費性能比較

2WDのWLTCモード燃費は、ノート オーラが27.2km/L、トヨタ プリウス Sは30.8km/L(ツーリングセレクションは27.2km/L)。プリウスはボディが大きく、車両重量も重いが、燃費数値はノート オーラよりも優れている。

■勝者:プリウスの勝ち

勝負その10! 装備と価格比較

日産 新型ノート オーラ Gは、プリウス Sに備わらない機能として、後方の並走車両などを検知する安全装備、ハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑えるアダプティブLEDヘッドランプ、LEDフォグランプ、液晶タイプのインテリジェントルームミラーなどを標準装着した。

その一方でプリウスには、8インチのディスプレイオーディオ、車間距離を自動制御できる運転支援機能などが装着される。

ノート オーラの場合、運転支援機能のプロパイロットは、日産コネクトナビやBOSEパーソナルサウンドシステムなどとセットで、40万1500円のオプションになる。装備内容は両車ともに異なるが、全般的に見るとノート オーラが充実している。

■勝者:ノート オーラの勝ち

<結果:5勝4敗1引き分け>

“プレミアムハイブリッド対決”は設計の新しいノート オーラに軍配! ただし長距離移動や多人数乗車の需要が多いユーザーにはプリウスも検討価値あり

日産 新型ノート オーラは、前述の通り大量に売ることを目的に設定され、機能や装備を充実させて価格を抑えた。新型車とあって、2015年に登場したプリウスに比べると、先進機能も盛り込まれている。

ただしボディはプリウスよりも小さく、当然ながらコンパクトカーを運転している感覚だ。プリウスにはミドルサイズの快適性が伴う。3名以上で乗車したり、長距離を移動する機会が多いユーザーには、後席の足元空間にも余裕のあるプリウスのメリットが際立つ。

またノート オーラにプロパイロットを装着すると、40万円以上のセットオプションになって価格が300万円を超える。ノートにも当てはまる話だが、プロパイロットを含めて、人気の高い装備を網羅した特別仕様車が必要だ。

全般的に設計の新しいノート オーラが注目されるが、用途に応じて選びたい。

[筆者:渡辺陽一郎/撮影:茂呂 幸正・小林 岳夫・NISSAN・TOYOTA]

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新車価格:
275万円460万円
中古価格:
33万円648万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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