VW ティグアンTDI 4モーションで北海道へ |“歴史を感じる鉄道体験”の旅【後編】〜夕張支線や保存車両にオヂサン大騒ぎ〜(1/4)

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:小林 岳夫・オートックワン編集部

いよいよ北海道に上陸。え、港の朝グルメを無視するの!?

お待ちかね!? TDI+4モーションという魅力的なアイテムを得たVWのコンパクトSUV「ティグアン」に乗り、北の大地を2泊3日で巡る旅の後編をお送りいたします。

前編は朝に東京を出発、仙台近郊で日本の交流電化の祖「ED91」の保存車に感動し、八戸発の夜行便フェリーにティグアンと一緒に乗り込んで苫小牧に到着するよ!というところまででした。

<前編はこちら!>

>>VW ティグアンTDI 4モーションで北海道へ |“歴史を感じる鉄道体験”の旅【前編】〜東北で新幹線の礎となった機関車に出逢う~

川崎近海汽船が運航するフェリー「シルバーエイト」が苫小牧に到着したのは朝6時。天気は曇り、気温は7度でした。フェリー接舷後ぼくとT編集長、Kマメラマンは慌ただしく艦内のティグアンに乗り込み下船を待っていると、甲板員からいよいよ出発OKのサインが。ティグアンはフェリーのランプウェイから北海道に上陸です。下船時もワクワク。これもフェリーの楽しさですよね。

ところで、八戸出航の際にぼくがSNSで「フェリーなう」という投稿をしたところ、北海道在住の友人が「苫小牧に“ホッキカレー”が有名なマルトマ食堂がある」と教えてくれました。グルメでも知られる?T編集長も興味津々です。でも、なんとぼくたちはその食堂を諦めて先を急ぐことを決断しました(涙)。そこまでして行かねばならない場所とは?

>>"鉄分濃いめ"な北海道旅の想い出をフォトギャラリーで観る

廃止直前!JR石勝線夕張支線で国鉄型ディーゼルカーを堪能

ホッキカレーに後ろ髪を思いっきり引かれつつ苫小牧市内で給油を行い、いざ今日最初の目的地を目指します。その場所とは、「石勝線夕張支線」。JR北海道は経営難から13線区で廃線が検討されていますが、石勝線夕張支線はいち早く廃線が決定、2019年3月31日付で営業を終えることになっています。そこで、ひょっとしたら(というかかなりの確率で)最後に乗る機会になるかもしれない石勝線夕張支線に乗っておこう!ということに。

しかし石勝線夕張支線は1日5往復しか運転されていません。そのうちの1本、新夕張7時48分発に乗るためには、苫小牧から約60km離れた夕張まで国道234号と道東自動車道を使えば間に合うはず。とはいえさすがにホッキカレーを食べている時間はなさそう。それで苫小牧での朝食は諦めたのでした。鉄ちゃんは鉄道のためなら食事をオミットすることはザラなのです(キリッ)!

国道と並走する室蘭本線のディーゼルカーなどを撮影しつつ新夕張駅前に到着したのは7時40分。あらま、やっぱり結構ギリギリでした。ホームに上がるとすでに夕張行きのキハ40形ディーゼルカーがお待ちかねです。そして7時48分定刻、距離にして16kmほど北の夕張駅目指して1両編成のローカル列車はエンジンの音も高らかに動き出しました。ちなみに国鉄時代の昭和55年に造られたこのディーゼルカー、富士重工(現:スバル)製なんですよ!

残念ながら廃止されてしまう夕張支線ですが、実はとても歴史が古い路線です。「夕張」と聞けば「メロン」を思い起こす人も多いと思いますが、40代以上なら「炭鉱」「幸せの黄色いハンカチ」を連想するのではないでしょうか。

夕張には1800年代末期に炭鉱が開発されて採炭が始まっており、その輸送に鉄道も施設されました。現在の夕張支線となるこの路線の開業は今から126年も前の1892年というのですからオドロキです。

しかし日本の経済発展を支えた夕張炭鉱も、1960~70年代に入ると石炭以外でのエネルギー源(石油など)の普及や、海外からの安価な石炭輸入に押されて次々と閉山。炭鉱に従事する人々で賑わい、最盛期には11万人以上の人口を誇った夕張市もそれに合わせて衰退してしまい、夕張支線もついにその役目を終えることとなりました。なお、映画「幸せの黄色いハンカチ」でも炭鉱が栄えていた頃を感じさせる夕張の姿を見ることができます。高倉健演じる主人公も夕張炭鉱で働いていたという設定でしたよね。いつか昭和のクルマでまたここを訪れてみたいです。

夕張支線で使用されるのはキハ40の350番台。本来は日高本線用に改造された車両です。定格出力330ps/2000rpmの性能を持つ12.7リッター直6ターボディーゼルエンジン「DMF13HZB」型が搭載されていますが、夕張までは上り勾配が続くため、車体の重たいキハ40はゆっくりとゆっくりと登っていきます。

車窓の景色は秋色の始まり。車内はわずかな地元の方々と数人の鉄道ファンのみという寂しさでしたが、鉄ちゃんオヂサン3人は窓を開けて写真を撮ったり外を眺めたりして、無くなる路線とキハ40を堪能しました。

到着した夕張駅前には1990年代初期に建てられた巨大なリゾートホテルがそびえていました。可愛らしい駅舎も1990年頃の建築。リゾートブームに沸いた北海道、そのバブルの残り香が感じられる当時の雰囲気たっぷりです。そんな夕張駅でキハ40はわずかな時間で折り返し、再び新夕張駅に戻ってきました。でももう少し北海道の鉄道の歴史を辿るべく、夕張にとどまることにしましょう。

>>鉄道の栄枯盛衰に炭鉱で栄えた街・夕張の過去を偲ぶ[次ページ]

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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