VW ティグアンTDI 4モーションで北海道へ |“歴史を感じる鉄道体験”の旅【後編】〜夕張支線や保存車両にオヂサン大騒ぎ〜(3/4)

  • 筆者: 遠藤 イヅル
  • カメラマン:小林 岳夫・オートックワン編集部
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北海道の鉄道が辿ってきた歴史が詰まる「三笠鉄道記念館」

「クロフォード公園」で編成毎保存されるキハ82系特急型気動車にムネアツ!

続いて向かったのは、三笠市にある「三笠鉄道村」。同施設は「三笠鉄道記念館」と「クロフォード公園」の2つに分かれており、まずはクロフォード公園にティグアンを向かわせました。天候は回復し、先ほどまで震えるような寒さだった気温も、ちょうど良い程度まで上がってきました。

三笠鉄道村には多種多様な車両が保存されていますが、幌内線の三笠駅跡にあるクロフォード公園の目玉は「編成単位」で置かれたキハ82系特急型ディーゼルカーです。

キハ82系は昭和30年代半ばに登場し、蒸気機関車牽引の優等列車の数多くを置き換えて無煙化を大きく推進しました。全国各地でその姿が見られ、北海道でも「おおとり」「北斗」「オホーツク」などで長きにわたって活躍した名車で、北海道の鉄道になくてはならない車両でした。クロフォード公園にはグリーン車や食堂車を含んだ6両編成(キハ82 100+キハ80 150+キシ80 27+キロ80 52+キハ80 145+キハ82 87)が旧幌内線の線路の上に保存されています。

長い編成を組む車両でも1両単位での保存が多い中、このように「今にも動き出しそうな」姿は珍しく、車体に傷みがなければ現役当時に北の大地で見たキハ82系そのものでした。クルマと並べることもできるので、最新のクリーンディーゼルエンジン搭載車と、かつての国鉄型ディーゼルカーの共演も楽しめました。

キハ82系には排気量16.98リッター 直8、定格出力180ps/1500rpmのディーゼルエンジン「DMH17H」を各車両1~2機搭載(食堂車のキサシ80を除く)していました。このエンジンの現設計は戦前のガソリンエンジンまで遡る(!)という大変古いものでしたが、戦後に実用化されてから1970年代まで国鉄の標準機関として使用が続きました。現在もなお千葉の小湊鐡道、いすみ鉄道などで現役で用いられており「カランカラン」という独特のアイドリング音を聞くことができます。

歴史ある幌内駅跡に建つ「三笠鉄道記念館」

そしてクロフォード公園から約3km先、旧幌内線支線の終点幌内駅跡に建つ三笠鉄道記念館へ移動です。

幌内線は岩見沢から幾春別を結ぶ本線のほか、途中三笠から幌内までを結んでいた貨物専用の支線を持っていました。この支線は開業が1882(明治15)年と古く、北海道の鉄道路線の中でも最古に属していました。幌内線は1987(昭和62)年4月の国鉄→JR化の際にもJR北海道に引き継がれましたが、その直後の7月には早くも廃線となってしまいました。そして幌内駅跡に三笠鉄道記念館が同年に設けらています。

三笠鉄道記念館は北海道で活躍した機関車、客車、ディーゼルカーなどの保存車を展示している以外にも貴重な実物資料などによって北海道の鉄道の歴史を学べるゾーン、巨大なHOゲージ鉄道模型のジオラマなど見どころがいっぱいでした。

保存車は駐車場の前も含めてかなりの数が置かれており、5月~9月の間運転される「自分で運転できる蒸気機関車(S−304号。1939年日本車輌製C形タンク式蒸気機関車、室蘭の鐡原コークスで使用)」のほか、C12型タンク式蒸気機関車、北海道用に開発された交流電気機関車ED76型500番台、DD13形ディーゼル機関車、キハ56系急行形ディーゼルカー、スユニ50形郵便荷物合造車、操重車ソ81など貴重な車両が保存されています。本当なら1両ずつ詳細にお知らせしたいほどです。

>>歴史的価値も高い貴重な展示車両の数々を画像ギャラリーでもっとじっくりチェック

庫内以外の車両は傷みが進んでいるものの、屋外の留置線に並べてあるような車両配置は、こちらも遠目では「現役車両が配置されている車庫」のような雰囲気もありました。車両は間近まで近寄ることが可能なので、北海道独自の装備である客車向け「歯車式車軸発電機」などもじっくり見ることができました。

日本各地の保存車両の多くは、華やかな存在で話題となりやすい蒸気機関車です。そのためこれほどの規模でディーゼル機関車、ディーゼルカーがまとまって残されているのはとても珍しいこと。蒸気機関車よりも電気機関車、電気機関車よりもディーゼル機関車が好きで、機関車と同じくらい電車やディーゼルカー、客車、貨車も好きなぼくにはとても嬉しい場所でした。

T編集長、Kカメラマンの3オヂサンは保存車をじっくりチェックしたり庫内の機関車の運転席で大はしゃぎしたり、北海道の鉄道が歩んできた歴史に思いを馳せたりして大満足。あっと言う間にそろそろ宿に向けて出発の時間となってしまいました。

すっかり日が陰ってきました。一体何時間いたのでしょう、ここに(笑)。

>>これぞ「ザ・北海道」! 雄大な景色にも良く似合うティグアン[次ページ]

今にも向こうから列車がやって来そうだ・・・

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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