【新旧比較】「マツダ デミオ」の新型と旧型を比較してみた/渡辺陽一郎(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
動力性能
旧型デミオが搭載していたエンジンは、1.3リッター(3種類)と1.5リッター。新型は1.3リッターのガソリンと1.5リッターのクリーンディーゼルターボになる。1.5リッターのガソリンは廃止された。
旧型が追加設定した1.3リッターのスカイアクティブGは、基本的には新型の1.3リッターエンジンと同じだ。ただし新型はバルブの開閉機能などを見直して、最高出力は8馬力高い92馬力(6000回転)、最大トルクは0.9kg-m上まわる12.3kg-m(4000回転)としている。
旧型の1.3リッターエンジンは繊細で滑らかな回転感覚が特徴だったが、登坂路などでは実用回転域の駆動力が不足していた。新型ではこの欠点が解消され、運転しやすくなった。
一方、1.5リッターのクリーンディーゼルターボは新開発のエンジンだ。最高出力は105馬力(4000回転)、最大トルクは6速ATが25.5kg-m(1500~2500回転)、6速MTが22.4kg-m(1400~3200回転)になる。ディーゼルなので高回転域の吹き上がりは鈍いが、実用回転域の駆動力はガソリンエンジンでいえば2.5リッター並みだ。かなり力強い。
進化度数:
1.3リッター 3点/10点(比べてようやく気付くレベル)
ディーゼル 9点/10点(超絶的に進化した)
走行安定性
旧型も低重心によって軽快な運転感覚を味わえたが、走行安定性には少し不満を感じた。前期型は機敏に曲がる代わりに後輪の接地性が削がれやすく、後期型になって改善されたものの、コンパクトカーの平均水準を少し上まわる程度であった。
しかし新型は、スカイアクティブシャシー&ボディを新採用。プラットフォームは同じスカイアクティブシャシーでも、アテンザやアクセラが採用する3ナンバー車用ではなく、5ナンバーサイズのデミオのために大半の部分を刷新している。
そのためにボディやサスペンションの取り付け剛性が向上して、走行安定性はかなり高まった。コーナーへの進入では、操舵角に応じて車両の向きが的確に変わり、この時にアクセルペダルを戻すような操作をしても、後輪の安定性が低下しにくい。駆動力の高いクリーンディーゼルターボとのバランスも取れている。コンパクトカーでは最も優れた走行安定性を身に付けた。
進化度数:8点/10点(大幅に進化した)
この記事にコメントする