三菱 デリカD:5&最新SUVモデルを雪上試乗! 形を変えても受け継がれるランエボの血筋(2/2)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:三菱自動車 / オートックワン編集部
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アウトランダーPHEV&エクリプスクロスが雪上で豹変!?

この試乗会では、別のアップダウンの少ない雪上サーキットのようなコースで、アウトランダーPHEVとエクリプスクロスを走らせることができた。軽く付け加えておこう。

まずはアウトランダーPHEVだ。御存知のとおりこのクルマは、前後それぞれに独立したモーターを持ち、それを電子制御してトルク配分を行うことで4輪を駆動する。基本的な駆動力をモーターから得ているため、制御の緻密さや反応の素早さはエンジンのみのクルマより遙かに優れているという特性を持っている。

そのツインモーターによる4WDに、タイヤの横スライドを制御するASC、クルマを安定した自然な姿勢に保つ制御を行うAYC、ブレーキのロックを防ぐABSといったそれぞれの機構の働き統合制御するS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)というシステムが備わっている。

最新のアウトランダーPHEVの走行モードは、ノーマル、スノー、ロック、スポーツの4つ。スタビリティコントロールをオフにしてドライブしたときのことをお伝えするなら、モードをスノーにセットして理性的に走るなら、雪道でもまず怖いことは何も起こらない。発進も加速もコーナリングもブレーキングも、安定したまま走ることができる。ノーマルでも注意深く走るなら慌てるようなことにはならないが、安定感に関してはもちろんスノーには及ばない。

それをロックにすると、意外や楽しかった。通常は前寄りになっている前後のトルク配分が、滑ったときにはやや後ろ寄りになるので、ちょっと振り回して走ってみようというときにコントロールしやすく感じたのだ。さらにスポーツをチョイスしてみると駆動がさらに後輪寄りになって、そのうえアクセル操作に対するトルクの立ち上がり方が敏感になるから、面白いように後輪がスライドする。ステアリングとペダルの操作に細心の注意を払わないといけないから疲れるし、もしものことを考えるとあまりオススメはできないけれど、楽しいことは楽しい。モーターならではのトルクの立ち上がりの素早さ、回生をフルに使ったときの巧みが減速が、その楽しさをさらに大きなものにしている。この辺りの楽しさは、そのままドライのオンロードでの走りにも通じるものだろう。

パッと見では穏やかなアウトランダーPHEVに、まさかここまでスポーティな貌が隠れていたとは思いもしなかった。

さらにダイナミックな挙動を見せるエクリプスクロス

エクリプスクロスは、さらにダイナミックな印象だった。こちらはモーターはないが、電子制御4WDと各種電子デバイスを統合制御するS-AWDは備わっている。走行モードはオート、スノー、ノーマル、グラベルの4つだ。

アウトランダーPHEVと同じようにスノーで、あるいはオートで理性的にドライブすれば、見事な安定感とともに怖さなしに普通に走れてしまう。ノーマルでも注意深く走れば何事もない。

ところがグラベルを選ぶと、これがまた本当に楽しいのだ。駆動力配分が最大で60%まで後輪に送られ、エンジンのパワーもトルクも絞られることもないので、ブレーキングで前輪に荷重を寄せてステアリングを切ることで後輪をスライドさせるような走り方も、積極的にアクセルを踏み込んで後輪を滑らせることで曲がっていくような走り方も、しっかりと受け入れてくれる。

エクリプスクロスはもともとドライのオンロードでも動きが軽快といえる部類なわけだし、ステアリングのフィールもなかなか悪くないので、こういう走らせ方をすると本当に楽しいし気持ちいい。病みつきになりそうなレベルだ。

ちなみにスタビリティコントロールをオンにした状態でもある程度までは遊ばせてくれるし、それでいて乱れ過ぎそうになるとしっかり制御が入って安定させてくれる。これは様々なドライバーに“楽しんでみて”といっているようなものだ。……クローズドコース以外ではオススメはしないけど。

いずれにしても、デリカD:5、アウトランダーPHEV、エクリプスクロス、こうして走らせてみるといずれもドライビングが楽しいクルマだった。ナリからは想像もつかないスポーティなテイストを持っている。これらは姿の違う、時代にマッチしたランエボなのかも知れない。

[筆者:嶋田 智之 / 撮影:三菱自動車・オートックワン編集部]

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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