三菱 デリカD:5&最新SUVモデルを雪上試乗! 形を変えても受け継がれるランエボの血筋(1/2)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:三菱自動車 / オートックワン編集部

三菱の誇るフルラインナップを雪上で体験

空気もだいぶ緩んできて、桜も咲き始め、季節が気持ちよく春へと移ろっているのが実感できる昨今。

そういうタイミングで“三菱の4WDは雪道で凄かった!”なんて聞かされてもなぁ……と思われたあなた。分からないでもないのだけど、ちょっと考えてみて。クルマは決心したり思い立ったりしたからってその場で手に入れられるってものでもない。雪国で暮らす人やウインタースポーツに熱中している人にとっては、実はこれからが次のシーズンを楽しく過ごすために頭や心の中であれこれ巡らせるのに相応しい時期。

夏前ぐらいまでに注文すればシーズン到来までに(たぶん)間に合うし、シーズン到来までにクルマに(きっと)慣れておけるタイミング。そう、春の訪れは次の冬のための準備期間のスタートでもあるのだ。

大幅進化を遂げたデリカD:5、販売好調の理由とは

実際のところ、昨年の12月に“マイナーチェンジ”版として発表されて2月中旬から発売が開始された新型デリカD:5、改めてちゃんと見つめ直して真剣に考えてみることをオススメしたくなるクルマなのだ。

事実上のフルモデルチェンジといえるほど大きな変貌を遂げた“新車効果”も大きいとは思うのだけど、それまで月に1000台ほどの販売状況だったのに、昨年11月21日の先行予約がスタートしてからは、月販1500台の目標台数を大幅に上回る受注があって、ユーザー間の噂では納車が追いついてないケースも少なからずあるという。

もともと固定ファンが多い車種の12年ぶりの新型であるうえに、他ブランドからの乗り換え志願者が増えたからというのは簡単に予想できるけれど、様々なメディアによる高評価に、晴れてオーナーとなった人達のクチコミが拍車を掛けてさらに盛り上がる、ということも簡単に予想できる。

意識している人は、早めに動いた方がいいかも知れない。

──と、クルマそのものについて触れる前にそんなことをあっさり言えてしまうのは、新型デリカD:5の出来映えにたっぷりと素晴らしいさを感じているからだ。

>>【画像】ハードな雪上コースを全開走行! 三菱の最新ラインナップの走りとは

顔の“アクの強さ”をかき消す進化を遂げたデリカD:5の走りに感動

世の中を真っ二つに分けて時には論争にすらなった新しい“顔”に、白状するなら“……ないな”と感じていた僕だけど、一度走らせてみた後には“これはこれでいいのかもね”なんてクチに出しちゃったぐらい。そう、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという言葉があるけれど、逆もまた真なり、なのである。人間、そういうところはシンプルにできてるのだ。

プラットフォームを大幅に見直して、サスペンションも煮詰め直して、エンジンも新開発かと思えるくらい手を入れ直し、トランスミッションを6速から8速へとアップデートし……と、ガラリと変わったルックスを除けば、新しいデリカに施された改良に派手目なことは何もない。でも、それがどれほど大きな効果を生んでいるのか、おそらく乗れば誰もが一発で解るだろう。特にマイナーチェンジ前のモデルを体験したことがあるなら、なおさらだ。今回はマイチェン前のモデルが比較用に用意されていたので、進化の度合いがありありと伝わってきて、軽く驚かされたほどだった。

エンジンの進化でグッと走りやすくなった

最初に「おっ?」と思わされたのはエンジン。2.2リッター直4ディーゼルターボ、グッと静かになってるのだ。もちろんディーゼル特有の音質でカラカラ音も聞こえてくるのだけど、音量そのものが抑えられている。ガソリンエンジンでもこのくらいの音がするものはあると感じたぐらいで、少なくとも車室内にいる限りではディーゼルっぽさがあまり気にならない。

それにアクセル操作によるツキがよくなってるようにも感じた。おそらく燃焼室の改良や新しいインジェクターの採用などが効いてるのだろう。このくらいアクセルを踏んだらこのくらい反応して欲しいという無意識の期待に添ったチカラをデリバリーしてくれるから、無用な踏み過ぎが抑えられる。今回のような雪道は当然ながらタイヤが滑りやすいのだから、ドライバーとしては難なく切り抜けるために微妙なアクセル操作を試みることになるわけだが、クルマがそれにすんなり応えてくれるのだ。

ということは、ドライな路面の街中でもよりイージーにスムーズなドライビングがしやすい、ということにも繋がる。シンプルな言い方をするなら、運転しやすいし気持ちいい、ということだ。さらにはアクセルの踏み込み過ぎが抑えられるため、燃費のいい走り方をしやすいということにもなるだろう。

もちろんそれにはトランスミッションを8速ATにして、変速比が低い方にも高い方にもワイドになったということも大きく貢献している。

乗り心地も大幅な改善を実感

乗り心地もよくなってると思う。雪道はパッと見た感じが真っ白だから気づきにくいところもあるけれど、実際には大小取り混ぜた凹凸が次から次に現れて、そうした部分をタイヤが踏むたびに車体にショックが伝わってくる。が、マイチェン前のモデルと較べると、明らかにそのときの感触は角が丸まったマイルドな印象で、快適性が大きく増しているのだ。

車体の剛性が高くなり、それによって改良が加えられたサスペンションがより仕事を完遂しやすくなったということなのだろうが、それがオンロードでの走行にも恩恵をもたらすのは言うまでもないことだろう。

唯一無二の走破性が最大の進化を遂げていた!

けれど圧倒的な進化を感じたのは、やはり走破性だ。

走ったコースはまるで落ちるような感覚の下り坂から壁かと思うような登り坂までの様々なアップダウンもあれば、複雑な曲がり方をしたコーナーが続く箇所もあり、クローズドコースじゃなければアクセルを深く踏み込む気にはなれない速度の伸びるストレートもあり、とバラエティに富んでいた。

中にはどう考えても普通のいわゆる“生活四駆”レベルでは絶対に走れない箇所もあった。なのに新しいデリカD:5は、涼しい顔してスイスイと行けちゃうのだ。マイチェン前のモデルでももちろん走破できることは走破できるのだけど、ドライバーはもっと一生懸命ドライビングをしないとならない。新型のように4WDモードをオートにしたまま、コースの過酷さを視界以外から感じることなくあっさり走り抜けていくようなことは、ちょっと難しい。

それに、よく曲がるのだ。こんな路面の上でも想像していた以上にステアリングが利く。少しぐらいオーバースピードでコーナーに挑んでも、頭が逃げていってしまったりオシリがズルリと弾けてしまうようなことにはまずならない。操作した分だけキッチリと曲がってくれる印象。それは直線区間を利用して少し無理めに思える高速スラロームを試してみたときも同じで、一瞬滑ったかと思った次の瞬間には安定した姿勢に戻っていて、危なげというモノが感じられなかった。

前述の車体剛性とサスペンションの改良に加え、AWC(オールホイールコントロール)と呼ばれる三菱独自の4WDシステムの駆動力配分とトラクションコントロール、それにスタビリティコントロールなどの制御が大きく進化してるというが、デリカ・ファンにとっての最も大きな価値は、おかげで一段階も二段階も高まったようにすら感じられる。おそらく世界中のどこを探しても、これほど走破性の高いタフなミニバンなど存在しない。それに、ここまで走ることが楽しいと感じさせてくれるミニバンも。

買いか否かをこの種のクルマを求めてる人に問われたら、僕は間違いなく「買いだよ!」と答えることだろう。

>>次ページ:アウトランダーPHEV&エクリプスクロスが、雪上試乗で新たな“顔”を表した

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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