日産、新しいクロカンSUV「テラ」を発表、日本導入も視野に! 2018年4月から中国で発売開始(1/2)

日産の事業計画でも重要な、成長を続けるLCV市場

LCVという言葉をご存じだろうか。LCVとは「Light Commercial Vehicles」の略で、日本語でいえば「小型商用車」に当たる。

その内訳はピックアップトラック、バン、小型トラックが該当し、世界で販売される日産車の6台に1台を占めるという。商用車、とりわけ小口輸送に活躍するLCVは経済活動に必要不可欠なものだから、自動車メーカーとしてもそのボリュームは無視できない。日本も昭和40年代頃までは、販売の主力は乗用車ではなく商用車だった時代もある。

商用車は華やかなスポーツカーや高級車に比べたら目立たない裏方的な存在だが、自動車メーカーを支える大切なラインアップでもあるのだ。

中期事業計画『Nissan M.O.V.E to 2022』とは

ところで日産は昨年秋に、2022年までの6か年の中期事業計画となる『Nissan M.O.V.E to 2022』を発表している。

『Nissan M.O.V.E to 2022』は、8%の営業利益立を確保しながら年間売上高を16兆5000億円に増加させ、累計2兆5,000億円の自動車事業のフリーキャッシュフローを実現することを目標としている。この事業計画の達成にも、日産ではLCV事業の成長は必要不可欠であると説明する。

ちなみに2017年の日産LCVのグローバル販売台数は、前年比7%増の907,929台だった。この数字を見ても、LCV市場が無視できないボリュームになっていることがわかるだろう。

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日産のLCV、地域ごとに異なる販売車種構成の違いに興味津々

では日産がグローバルに展開するLCVにはどんな車種があるのだろう?日産では、LCVを4つのカテゴリーに分けているので、それを世界規模での地域別車種構成も含めて見てみることにしよう。

(1)フレームSUV

日産にはすでに、エクストレイルやジューク、欧州向けのキャッシュカイ(日本名:デュアリス)など多くのSUVを擁するが、いずれもモノコックボディで乗用車としての使用を軸に設計されたクルマである。いっぽう、フレーム式とは、簡単に説明するとはしご型(ラダー)などに形成された堅牢なフレームに、サスペンション、エンジンを架装し、その上にボディを載せた構造を持つ。英語ではその名の通り“Body on frame”と称される。強固なフレームを持てることから積載量の大きなトラックや、高い悪路走破性が要求される本格的なクロスカントリー型(クロカン)4輪駆動車などに採用されており、フレームSUVも俄然高い人気を誇っている。古くは乗用車もこの構造を取っていたものも多い。

日産では現在、トヨタ ランドクルーザーに対抗するフラッグシップSUVで、中東地域での販売がメインの「パトロール」(日本では以前存在したサファリの名前の方がイメージしやすいかも)、パトロールを北米地域向けにリデザインして販売しているフルサイズSUV「アルマダ」の2車種がこれに該当する。

サファリ(パトロール)って乗用車的な高級SUVでしょう、これってLCV…つまり商用車なの?ということなのだが、商用車にもプライベートの遊びにも使えるSUVとして、日産ではモノコックボディのSUVと一線を引いて扱っている。

確かにランクルもサファリも、アフリカや中東ではトラックになったり、バンとしても活躍している。そういえば日本でも、以前サファリの消防車などがあったのを思い出す。これもフレーム付き車種ならではと言える。なお、世界規模でのLCVの地域別・カテゴリー別構成で見ると、やはり特に中東・アラビア湾岸地域(GCC)でフレームSUVの販売割合が高い。

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(2)ピックアップ

このカテゴリーには4車種が設定される。まず、急速に販売際数を伸ばしている小山のような巨躯を誇る北米向けフルサイズピックアップ「タイタン」、世界133カ国で販売され、5つの工場で生産されるグローバルな1t積みピックアップで、トヨタ ハイラックスや、いすゞ D-MAXなどをライバルとする「ナバラ/フロンティア(仕向け地によって名前が異なる)」、北米向けピックアップトラック「フロンティア」、そしてルノー/ダチアの小型乗用車「ロガン」をピックアップトラックにした「NP200」がそれだ。これらもNP200以外はフレームを持つモデルとなる。グローバルLCV市場で見ると、北米ではシェアのうち実に7割以上をフルサイズピックアップが占める一方、タイ/オーストラリアでは8割が1t積みピックアップ、南米では25%のシェアを0.5t積みの小型ピックアップが持っており、地域ごとの勢力図の違いが興味深い。

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(3)バン

軽バンのNV100クリッパーからおなじみのNV200、NV350キャラバンの他に、欧州などではNV300(ルノー・トラフィック)、NV400(ルノー・マスター)、北米向けにはフルサイズバン/旅客用のNVシリーズなども販売される。車種構成こそ異なるが、販売エリアは言うまでもなく世界規模だ。販売割合が顕著に多いのは日本、中国、欧州で、欧州では実に9割近くとなる。

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(4)LDT(ライト・デューティー・トラック)&バス

軽トラックのNT100クリッパー、1.0t~1.5t積みトラックのNT400キャブスター(日本名アトラスF24)、マイクロバスのシビリアンなどが属する。LDT(ライト・デューティー・トラック)が強いのは日本と中国である。

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遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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