日産、新しいクロカンSUV「テラ」を発表、日本導入も視野に! 2018年4月から中国で発売開始(2/2)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:NISSAN
期待の新型SUVテラを発表。なんとフレーム付きSUV!
日産は2018年2月26日(月)に「 LCV 事業の取り組み」に関するラウンドテーブルを日産グローバル本社で実施した。
登壇したLCV事業担当のアライアンスSVP、アシュワニ グプタ氏は、このプレスブリーフィングで、新中期計画「Nissan M.O.V.E to 2022」におけるLCV事業の新型車第一号となる新しいフレームSUVの「テラ(TERRA)」がまもなく中国でお披露目されること、今春より中国を皮切りにアジア各国で発売が開始される予定であることを発表した。
テラは実用的かつ頑丈な本格的フレームSUVで、日産がLCVに掲げる『どこにでもいける(Go Anywhere)』を体現しているという。日産デザインの象徴であるVモーションを強調したフロントマスク、力強いフェンダーなどによって、タフでありながら乗用車的、都会的で洗練された印象を受ける。
詳細は4月に発表とのことなので続報を待つしかないが、現在、中国の鄭州日産(ていしゅうにっさん)で製造販売されているフレームSUV「パラディン」の後継車ではないかと目される。パラディンはダットサントラックの系譜を持つ北米向け「フロンテラ」の中国版だ。もしこれの後継車なら、エンジンはナバラに搭載されている直4のQR25型が中心となるだろう。
新型テラのボディサイズは全長5m以内か
ボディサイズは写真を見たところ全長5m以内が予想されること、ナバラと同一に見えるボンネット、フェンダーの造形、フロントドアなどから察するに、ナバラのSUV版に当たる車種になるのかもしれない。ナバラを運転したことがあるが、かつてのフレーム設計のトラックとは違い操縦性も良く静粛性に優れ、とても乗りやすく良いクルマだったことが忘れられない。テラもその快適性を受け継ぐことになるのだろう。
以下余談であるが、テラという名前から、かつての日産のSUV「テラノ」を思い出す人も多いかと思う。テラノは北米では「パスファインダー」と呼ばれていたが、2004年登場の3代目からはテラノとの関係も終わり北米独自モデルの「パスファインダー アルマダ」となり、2005年に「アルマダ」になった。一方のパスファインダーは…というと、2012年にモノコックボディ、FFベースのSUVになって復活している。モノコックSUVのため、日産LCVには入らないというわけだ。
テラは2022年までにLCV販売40%増を目指すための鍵のひとつ
アシュワニ氏は、「Nissan M.O.V.E to 2022」内におけるLCV事業の中期事業計画において、販売台数を2016年の85万台から+40%の120万台にアップ、営業利益8%オーバー、フレーム車種におけるリーディングプレーヤーを目指すと述べた。今回発表された新型テラは「2022年までにLCV販売40%増を目指すための鍵のひとつ」だという。さらに、この成長を支える柱は『プロダクト・パワー』『ブランド・パワー』『アライアンス・パワー』の3つがあることを説明した。
『プロダクト・パワー』とはまさに商品力のことで、現状モデルだけではなく新マーケットに向けた新商品開発も含めて、より魅力あるクルマがラインアップに存在することが成長に必要なのは言うまでもない。LCV事業の持続可能な成長のためには、商品ポテンシャルの最大化、投入エリアの最大化(中国市場)・長大化(北米市場)が必須だが、テラは商品力アップと今後も成長が期待される中国エリアへの投入という重要な役割を担っている。
『ブランド・パワー』としては、日産が世界に誇る自動運転、コネクティビティ、電動化技術などの「インテリジェント モビリティ」をLCVにおいても展開。エマージェンシーブレーキ、アラウンドビューモニターなどすでにNV350キャラバンに装備された技術や、自動運転技術「プロパイロット」をLCVにも搭載する予定だという。
『アライアンス・パワー』では、ルノー、日産、三菱の3大ブランド合計で18モデルを擁し77%の市場カバレッジを持っていること、欧州で強いルノーとはバンのプラットフォームを共有化、フレーム車種のプラットフォームにおける三菱とのシナジー効果向上など、LCV戦略の秘密兵器とも言えるアライアンスの強みを生かしていくという。
日本での販売は…「日本も市場調査対象に入っている」!?
クルマのトレンドとして世界的にSUVブームが継続しており、各メーカーから次々といろいろなサイズのSUVが登場しているが、主流はFFベースのモノコックボディだ。その昨今でフレームSUVが新たに登場したことは注目に値すると思う。
トヨタがタイで生産されるフレームのピックアップトラック・ハイラックスがトヨタによって正規輸入を開始した際、大きな話題になったことは記憶に新しい。キャラにエッヂが立っていて、魅力的なのだ。日本のユーザーの多くも、このようなタフでワイルドな「本格派四駆」を実は求めているのかもしれない。
アシュワニ氏は「市場投入については各地域で調査を行っている。日本も調査対象」と述べたことから、ハイラックスのような日本への上陸を期待したくなる。その際は、ぜひ車名に「ノ」をつけた“テラノ”で販売して欲しいと思う!
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