キャンピングカーは「日常的に使えて、乗って楽しくて、便利でカッコいい」クルマであるべき!|アルフレックス【Vol.2】

一般的なキャンピングカー専門店とは一線を画すブランド「アドセット」とは?

前回も紹介した、アルフレックス社のキャンピングカー専門ブランド「アドセット」。類い稀なオリジナリティと“哲学”にも似たキャンピングカー作りの製作コンセプトはいわゆる世間のキャンピングカー専門店とは一線を画す。そのあたりの開発事情も紹介しながら、アドセットのキャンピングカーの魅力を伝えていきたいと思う。

「これを言うと身もフタもないのですが、実は“キャンピングカー”という言葉があまり好きではないんです」と竹山代表。

「僕が作りたいのは“日常的に使えて、乗って楽しく、便利で、カッコイイクルマ”。それがたまたまキャンピングカーというクルマに似ているだけなんです」と冒頭から笑いながら語ってくれた。

実は、アルフレックス社の“アドセット”のホームページには、その文中に“キャピングカー”という表記が出てこない。ただ“クルマ”と書かれているだけだ。そこには竹山代表のそういう思いがベースにある。

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「クルマの中が家みたい」中学生で受けた衝撃がアドセットの原点

さて、話を戻そう。アドセットのクルマの開発、設計、施工のすべてに携わる竹山代表だが、「キャンピングカー」との出会い=原点は14歳の当時までさかのぼる。

友人の家でたまたま見かけた洋書。そこにあったのはサーファーが車中で着替えていたり、車内にお酒を飾ったりした家の部屋のようなクルマの室内。マイルーム自慢のような、その疑似生活感のある空間に“クルマの中が家みたいになっている!”と当時の竹山少年は衝撃を受けた。

世はスーパーカーブームの真っ只中。まだキャンピングカーなんていう言葉もなかった時代だ。竹山代表は、当時ミツバチ族なんて言われた、自転車で日本一周するほど野宿やキャンプが大好きな少年。

スーパーカーも大好きだったが、洋書の中のアメリカの“バニング乗り”の楽しみ方に衝撃を受け、“ここには夢がある!”と人に影響されないこのクルマ(キャンピングカー)をいつか絶対に所有する! 作ってやる! と思ったのだそう。竹山さんが中学生の頃の夢だ。

免許を取ってからは日産 ホーミーのバニングに始まり、バニキャン(バニングキャンパー。中はシンク、ベッド、冷蔵庫を積んで、室内をジャガード生地でオシャレにカスタムしていた)、モーターホームなどを次々乗り継ぎ、行ってないところがないくらい日本中を走り回った。

そして、結婚を機にハイエースベースのバンコンに乗り換え。それからもハイエースのスーパーロング、キャブコン(当時はTボディと呼称)、バスコン、クラスB、クラスA、クラスC、トレーラーも引っ張るなど、およそキャンピングカーと呼ばれるものは全て経験。キャンピングカーのいいところも悪いところも、全てこの頃に知った。

その後28歳でキャンピングカー販売店として独立。車両の販売をメインとしながらキャンピングカー製作に携わるように。以来25年近く経つが、今でも、自分がいいと思った最初の衝撃が忘れられないという。それだけに“思いが入らないクルマは作れない”のだそうだ。

キャンピングカーショーにローダウンしたハイエースで出展

アドセットでは、創業1号機である「フレックスランドナー」から、最新の「シーバス」まで16機種を開発。開発にものスゴくコストをかけたものもあるが、車両の法規制の変更や、自分が気に入らないクルマは1年であっさりなくしたモノもある。その一番の理由はそこに“自分の思い”があるかどうかだ。

今では多く見られる2段ベッドも、実はハイエースのワイドミドルをベース車両に展開したのはこのアドセットが最初。当時のキャンピングカーショーにハイエースの標準ボディ・ロールーフを出展したのも初だ。ただ、当時は200系ハイエースが発売されてすぐの頃。今のようにハイエース専用ホイールなどまともにない時代だ。そんな状況もあってか、当時のお客さんを含めた周囲から、竹山代表の作った作品、価値観はことごとく否定される。

「今でこそ普通なんですけど、当時はキャンピングカーショーにローダウンやインチアップホイールを履かせたハイエースで出展するメーカーなんてどこもいなかったです。ボディカラーも9割以上が白かシルバーで。ウチのデモカーはモスグリーンやブルーメタリックだったので、『キャンピングカーを知らない』とか周りから色々と言われましたね。でも、当時から僕は自分の価値観しか見ていなかったですね(笑)」。

アドセットをメジャーにした「ラグズテリア」と「クライムジャンパー」

2007年には“ラグジュアリーなインテリア”がコンセプトの、2列目シートにキャプテンシートを採用した「ラグズテリア」を開発。当時はキャプテンシートという言葉もなく、そんなラグジュアリーなシートの存在すらなかったため、シボレー アストロの電動シートユニットをバラしてイチから完全ワンオフ。それをハイエースに使用したという。

当時はホリエモンがプライベートジェットに乗って話題になっていた頃。“ハイエースがプライベートジェットみたいだったら夢がある!”と思って開発をスタート。ボディキットはすべてラグズテリア専用で開発。ホイールはワークのLS・20インチをオリジナル塗装し、内装には豪華なキャプテンシートを装備した。全身ワンオフで固められた夢のようなクルマだ。

「ラグズテリアは今のウチの礎を作ってくれたクルマですね。アルフレックスという会社の名前を世に知らしめてくれたコマーシャルカーです」。実は、そのモデルを見たトヨタから開発協力依頼が舞い込むほど、その後のトヨタ10系アルファード・ロイヤルラウンジに影響を与えた衝撃作だ。

そのプライベートジェットのような「ラグズテリア」とは逆に、“人がいっぱい乗れて、いっぱい寝られる”ことをコンセプトに、万人が楽しめるライトなキャンピングカーとして開発されたのが「クライムジャンパー」。2段ベッド仕様のハイエース・ワイドミドルの8ナンバーをベースにしたこのクルマもまた大ヒットを飛ばす。

「部屋を外に持ち出す」ことがアドセットのコンセプト

1980年頃、西海岸で見られたサーファーたちが作ったパネルバン。“部屋を外に持ち出す”という考えで用途を限定することなくライフスタイルを豊かにする可能性を秘めたクルマ作り。アドセットのクルマが他のキャンピングカーと一線を画すのはこの原体験を大切にしているからに違いない。

「ウチのクルマに興味を持ってくださる方は、ずいぶんと下調べをしてくる人も多いです。だからわざわざ説明不要なマニアックな方もたくさんいらっしゃいます。もちろん重箱の隅までつついてもらっても大丈夫なくらいモノづくりには自信を持っています」。

アドセットのクルマは本当に仕上げが丁寧だ。どこから見ても本当に美しい。

オートクチュールのようなクオリティから生まれた「ニューブリリオ」、アクティブなマリブビーチに浮かぶお洒落なモーターボートのような「マリブ」、間接照明が演出する日本の和の贅沢さを感じさせる「クライムジャンパー エレガンス」、ヨットインテリアを彷彿とさせる「クライムジャンパープレミアム」、走る・泊まる・遊ぶ、をスマートにこなせる「シーズネクス ワイドボディ」、都心部や狭小地で機動力を発揮する「シーズネクス 標準ボディ」、NV200をベースに誰もが気軽にアウトドアライフを始められるミドルキャンパー「シーガル」など、時間と手間を存分に掛けた珠玉のクルマたちがラインナップとして揃っている。

「個人的には“こだわる”という行為には良い部分も悪い部分も半分ずつあると思っています。でも、こだわる=それだけ考えている、ということ。そこはわかっていただきたいです。開発時には、巷のハヤリものを真似するのではなく、自分が思うスタイルを徹底して “探求と追求”しています」。

人生のパートナーとして選んでもらいたいアドセットのキャンピングカー

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もともと、竹山代表は、自社のキャンピングカー開発時に流行りやトレンドをクルマ業界から得ることをしない。自分が大好きな服や鞄、靴、時計など他のシーンからインスピレーションを受け、それを自分がこだわる生地やカラー、デザインへと生かす。さらにアルフレックス社では“ウチのクルマいかがですか?”といったセールス型の営業スタイルもとっていない。購入を勧めることなく、あくまで聞かれた質問に対して真摯に答えるスタンスと、挨拶程度に留めている。

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「人生にこういうクルマが必要な時期は必ずあります。逆に乗る時期を外すと乗り損なってしまうのがキャンピングカーです。欲しい時が買い時です。ジョギングシューズって、買ったらやっぱり履きますよね? それと同じだと思うんですよ。キャンピングカーも買ったら使ってみるし、そうなるとライフスタイルは100%変わります。これは断言できますね。そしてもうひとつ。“キャンピングカーを降りときも必ず来ます”。これもお客様に必ずお伝えしている言葉です」。

竹山代表は“自分がいいと思うスタイル”でないと嫌な人だ。しかもモノを売るのではなく、お客さまへの特別感を売るという姿勢。このアルフレックスという会社で、アドセットというキャンピングカーを買う、そこへの達成感やプライオリティが最高に高まることを願っている。キャンピングカーという“一見必要ないかもしれないモノだけど、でもすごく欲しい”という気持ちを理解して背中を押してくれる何かが、このアドセットのクルマ達にはある。

その共感させられる原点には、やはり14歳の時に洋書の中で見た、お家のようなあの室内があるのだろう。セオリーにとらわれない、あの時の竹山代表の感動体験が今もアドセットの開発を引っ張っている原体験になっている。自分だけの車内で過ごす、秘密基地のようなアドセットのクルマに我々が魅了されてしまうのは、きっとそのせいだと思うのだ。

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ADDSET(アドセット)とは?

ADDSETはアルフレックスが手掛けるバンコンバージョンのブランド。開発から設計、製造までをアルフレックスで一貫して行っているので、使い勝手やクオリティ、デザイン性が高く、多くのユーザーから支持されています。「CEEBUS(シーバス)」や「C'sNEX (シーズネクス)」といったハイエースベースのキャンピングカーが代表作。

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