トヨタ ランクルプラド最新情報|マイナーチェンジで悪路走破性が向上。デザインや価格など変更点を徹底解説!

トヨタの本格派SUV、ランクルプラドがマイナーチェンジ!

今のSUVは、大半の車種が乗用車系のプラットフォームを使う前輪駆動の2WDか4WDになったが、1990年代の中盤までは、後輪駆動をベースにした悪路向けのオフロード4WDが主力だった。

トヨタハイラックスサーフ、日産テラノ、いすゞビッグホーンなどはすでに過去のクルマだが、ランドクルーザーとランドクルーザープラドは今でも健在だ。悪路に強い本格的なオフロードSUVとして、根強い需要に支えられている。

ランドクルーザープラドは全長が4825mm、全幅(車幅)が1885mmと大柄で、最小回転半径も5.8mに達する。売れ筋の価格帯は400~480万円と高い。雪道程度であればC-HRやハリアーなど、前輪駆動をベースにしたシティ派SUVの4WDでも十分に走り切れるから、ランドクルーザープラドは一般的な選択肢とはいえない。それでも悪路を重視した本格派として、SUVの求心力のような存在だ。トヨタのクラウンと同様、ランドクルーザーシリーズは60年以上にわたって普遍的な価値を提供している。

このランドクルーザープラドが2017年9月12日にマイナーチェンジを実施した。
変更点はデザインや安全装備など、細かな変更点が4つほど。走行性能などに大きく変更点はないので、ランクルプラドの試乗レポートを読みたい方はこちらの記事をご覧いただきたい。

>>やっぱランクルにはディーゼルでしょ!/トヨタ ランドクルーザープラド ディーゼル搭載モデル 試乗レポート

マイナーチェンジの変更点(1)|フロントフェイスとインパネデザイン

フロントフェイスはまるでアイアンマン!?

まず新型ランドクルーザープラドの外観はボンネットを前方視界に配慮した形状に変更して、フロントグリルとヘッドランプのデザインも見直している。
大型のメッキグリルと左右のヘッドランプに連続性を持たせ、力強さを演出した。ボディがひとまわり大きな(プラドではない方の)ランドクルーザーに近づいた印象だ。リヤコンビネーションランプの形状も変更された。

ヘッドランプは、従来型には一部の上級グレードを除くとハロゲンが装着されてLEDはオプションだったが、新型では全車にLEDが標準装着される。

このほかアルミホイールのサイズは、従来型ではTZ-Gに18インチ、ほかのグレードは17インチだったが、改良後はTZ-Gに19インチを装着した。ほかは17インチだが、TX・Lパッケージはオプション(6万4800円)で19インチに拡大できる。19インチアルミホイールは切削光輝&ダークグレーメタリックとされ、上質でスポーティな雰囲気に仕上げた。

ボディカラーは全9色、内装色は2色から選択可能

ボディカラーは、ブラッキッシュアゲハガラスフレーク(光沢のある濃いブルー)など新色を含む合計9色を用意した。内装色は新しいニュートラルベージュを含む2色を選択できる。



内装はインパネのデザインが上質感アップ

内装もインパネを中心に変更を受けた。エアコン吹き出し口の上端部分を下げることで前方視界を向上させ、ナビゲーションシステムはタブレット型に薄型化されている。ステアリングホイールは操作性を考えてデザインを変更し、車内には金属調の装飾を施して質感を高めた。

マイナーチェンジの変更点(2)|悪路走破性

新型ランクルプラドの“TZ-G”グレードにトルセン式LSDを初採用

メカニズムではランドクルーザーとしては初めて、トルセン式LSD(リミテッドスリップデフ)をTZ-Gの後輪に採用している。

その一方で電動式リヤデフロックがディーゼル全車にオプションで用意される。TZ-GではトルセンLSDをキャンセルして、マルチテレインセレクト+クロールコントロール+電動リヤデフロックをセットで装着することも可能だ(2万1600円)。

リヤデフロックは悪路の走破力を大幅に高めるが、舗装路では使えず注意点の多い装備でもある。その点でトルセンLSDは、片側のホイールが空転を生じると自動的に最適な差動制限力を発生させて空転を抑える。難しさがなく幅広いシーンで役立つから、TZ-Gは選択を可能にした。

マルチテレインセレクト+クロールコントロール+電動デフロックの組み合わせは、以前からTZ-Gに用意されていた。マルチテレインセレクトは悪路向けの走行モードで、マッド&サンド(ぬかるみと砂地)、モーグル(うねるような大きなデコボコのある悪路)など、5種類を選択できる。
モードに応じてエンジン特性/アクティブトラクションコントロール/ブレーキ油圧を最適に制御して走破力を高めるものだ。

クロールコントロールも悪路向けの機能で、作動時にはアクセル/ブレーキペダルの制御を車両に任せ、低速で条件の悪いオフロードを走破できる。こういったきわめて条件の悪い場所を走る時は、トルセンLSDよりも電動デフロックが効果的だから、用途に応じてトルセンLSDと選び分けたい。

ランクルプラド初となる舗装道路用のドライブモードセレクトも搭載!

このほか新型ランドクルーザープラドの“TZ-G”グレードでは、舗装路用のドライブモードセレクトも新たに採用している。コンフォート/エコ/ノーマル/スポーツS/スポーツS+という5つのモードが用意され、TZ-Gに標準装着されるAVS(ショックアブソーバーの減衰力とパワーステアリングの操舵感を可変させる機能)、電子制御式エアサスペンション(後輪側)を走行モードに応じて最適制御する。

つまりTZ-Gには悪路用のマルチテレインセレクト、舗装路用のドライブモードセレクトがそれぞれ5モードずつ用意されるわけだ。「そこまで使いこなせるのか」という疑問もあるが、ランドクルーザープラドのようなクルマでは「付いていること自体に価値がある」という見方も成り立つ。「時速300キロで走れるスーパーカーを日本の道路で乗りまわす価値があるのか」というのと話の次元は同じだろう。

マイナーチェンジの変更点(3)|安全装備

トヨタセーフティセンスPを全グレード標準装備

新型ランクルプラドのマイナーチェンジは安全装備にまで及び、Toyota Safety Sense P(トヨタセーフティセンスP)をすべてのグレードに標準装着した。ミリ波レーダーと単眼カメラをセンサーとして使い、車両のほかに歩行者も検知して、衝突の危険が迫ると警報を発して緊急自動ブレーキも作動させる。車線逸脱の警報、対向車や先行車を検知してハイ/ロービームの自動切り替えも行う。

このほか車間距離を自動制御してペダル操作を軽減するレーダークルーズコントロールも採用するが、最近になって増えている全車速追従型ではない。速度が下がった時には機能が解除されるから注意して使いたい。

マイナーチェンジの変更点(4)|価格とグレード構成

エンジンラインナップと燃費には変更なし

エンジンは従来と同じく直列4気筒2.7リッターのガソリンと、2.8リッターのクリーンディーゼルターボだ。トランスミッションは6速ATとなる。

JC08モード燃費はガソリンが9.0km/L、ディーゼルが11.8km/Lで変更はなく、アイドリングストップも依然として装着されていない。

新型ランクルプラドのディーゼルに5人乗りグレードを追加

グレード構成はディーゼルが変更を受け、以前はTXが2列シートの5人乗り、TX・Lパッケージが荷室に3列目の補助席を加えた7人乗りとしていたが、新型では両方で5/7人乗りを選べるようになった。

価格は最も安いガソリンのTX(5人乗り)が353万8080円。エコカー減税が免税になって買い得感の伴うディーゼルのTX(5人乗り)は415万2600円、最上級のディーゼルを搭載したTZ-Gは536万3280円だ。

従来型と新型ランクルプラドで価格を比べると、装備内容が近いディーゼルのTX・Lパッケージ(7人乗り)は、従来型が469万6037円、新型ランクルプラドは482万2200円となる。新型は12万6163円値上げされたが、トヨタセーフティセンスPの標準装着化などを考慮すれば妥当な価格上昇だ。

トヨタ ランドクルーザープラド グレード別価格表
グレード定員エンジン価格

TX

5人

ガソリン

3,538,080円

7人

3,692,520円

TX”Lパッケージ”

5人

4,047,840円

7人

4,202,280円

TX

5人

ディーゼル

4,152,600円

7人

4,307,040円

TX”Lパッケージ”

5人

4,667,760円

7人

4,822,200円

TZ-G

7人

5,363,280円

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>>【カタログ】トヨタ ランドクルーザープラドの詳しい情報はこちら

>>【ニュース】トヨタ、ランドクルーザープラドをマイチェン…迫力あるフロントフェイスに進化

>>【試乗】トヨタ ランドクルーザー70 試乗レポート

トヨタ 新型ランドクルーザープラド 主要スペック(2017年マイチェンモデル)

トヨタ ランドクルーザープラド 主要スペック
グレードTZ-GTX(ガソリン・5人乗り)

価格

フルタイム4WD

フルタイム4WD

駆動方式

5,363,280円

3,538,080円

JC08モード燃費

11.2km/L

9.0km/L

エンジン

ディーゼル

ガソリン

排気量

2,754cc

2,693cc

全長

4,825mm

4,825mm

全幅(車幅)

1,885mm

1,885mm

全高(車高)

1,835mm

1,850mm

ホイールベース

2,790mm

2,790mm

乗車定員

7人

5人

車両重量(車重)

2,320kg

2,050kg

エンジン最大出力

130kW(177PS)/3400rpm

120kW(163PS)/5200rpm

エンジン最大トルク

450N・m(45.9kgf・m)/1600~2400rpm

246N・m(25.1kgf・m)/3900rpm

燃料

軽油

レギュラーガソリン

トヨタ/ランドクルーザープラド
トヨタ ランドクルーザープラドカタログを見る
新車価格:
366.6万円554.3万円
中古価格:
100万円759.4万円
トヨタ/ランドクルーザー200
トヨタ ランドクルーザー200カタログを見る
新車価格:
482.7万円697.4万円
中古価格:
221.6万円1,498.8万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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