スカイライン”歴史を塗り替えたモデル”5選|ハコスカから西部警察まで、歴代スカイラインを振り返る

スカイラインの明日はどっちだ!?

新型が登場するたびに「こんなのスカイラインじゃない!」とか「待望の新型スカイラインが出た!」と、ユーザーもそうでない人も話題に上るという点では、GT-Rと並んで日産を代表する車種といっても過言ではないスカイライン。気がつけば、現行日産車の中で一番長い歴史を持つモデルとなっている。

今回は、常にクルマ好きの注目を集める歴代スカイラインの中から、独断と偏見で5つの世代をピックアップしてみた。過去のスカイラインを振り返りながら、これからのスカイラインの行く末に思いを馳せてみたい。

>>ああ懐かしい! ハコスカ、RSターボから最新スカイラインまで![フォトギャラリー]

”ハコスカ”こと3代目スカイライン

キャッチコピーは「愛のスカイライン」

古いスカイラインと聞いて、多くの人が頭に思い浮かべるであろうモデルがこの3代目スカイライン、通称”ハコスカ”ではないだろうか? もともとスカイラインはプリンス自動車が開発・販売していたモデルであったが、1966年に同社が日産に吸収合併されてから初めて登場したモデルでもあった。

デザイン的には先代の2代目の印象を踏襲したものであったが、今日までスカイラインの象徴のひとつであるサーフィンラインを持ち、よりシャープな印象を受けるデザインに進化している。

そしてこの代のスカイライン、一番のトピックと言えばやはり「スカイラインGT-R」の登場だろう。当時のプロトタイプレーシングカーであるR380に搭載されていたGR8型エンジンをストリート用にデチューンしたと言われるS20型エンジンを搭載したスカイラインGT-Rは、モータースポーツでも無類の強さを発揮したのだ。

6代目”ニューマン”スカイライン

西部警察で活躍! キャッチコピーは「史上最強のスカイライン」

アメリカの俳優、ポール・ニューマンが広告キャラクターであったことで「ニューマンスカイライン」という愛称でも呼ばれることがある6代目スカイライン。しかし、筆者のようなアラフォー世代にとっては何と言っても西部警察のマシンRS&RS軍団の印象が強烈に残っているのではないだろうか。赤黒ツートンのボディにゴールドのエンケイメッシュホイール、そしてFET極東製エアロパーツをまとった姿に憧れた人は多いだろう。

スカイラインとしては、スカイラインの父とも言われた桜井眞一郎氏が手掛けた最後のモデルであり、当時最強の190PSを発生させた2000ターボRSは「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが使われ、マイナーチェンジでは鉄仮面と呼ばれる専用のフロントマスクを採用。現在も人気の高いモデルとなっている。

8代目”R32”スカイライン

GT-R復活、幅広いラインナップの通称「超感覚スカイライン」

最後の5ナンバーサイズボディを持った(GT-Rを除く)8代目、いわゆるR32型スカイラインは、当時日産が推し進めていた901運動(1990年代までに技術の世界一を目指す計画)の影響もあって高いハンドリング性能を持っており、未だにベストFR車としてこのモデルを上げるファンも少なくない。

そんな8代目の最大のトピックといえば、やはりGT-Rの復活だろう。およそ16年ぶりに復活したスカイラインGT-Rは当時のグループAで勝利することを命題とし、当時のターボ係数をかけても4.5リッタークラスに参戦できるようにと2568ccと市販車としては中途半端な排気量となっていたのだ。

そんなハイスペックな8代目スカイラインではあるが、ロアグレードには直列4気筒1.8リッター、SOHCエンジンを搭載したGXiも存在し、こちらは最高出力91PS、リアはドラムブレーキというシンプルなもの。これほど幅広いラインナップを持つのも8代目スカイラインの魅力かもしれない。

11代目”V35”スカイライン

直6からV6へ、”らしくない”スカイライン

11代目となるスカイラインは、登場以前の第33回東京モーターショーに「XVL」という名前で登場したモデルがベースとなった。当時の日産は次世代の価値観を革新するプレミアムセダンとしてXVLをリリースしており、新型スカイラインとしてではなく、完全な新規車種として開発していたのだった。

結局、紆余曲折を経て11代目のV35型スカイラインとして販売されることとなったが、それまでの伝統であった直列6気筒エンジンや丸テールといった伝統を捨て去り(丸テールは後期で復活したが)良くも悪くもスカイラインの呪縛から抜け出したモデルと言えるかもしれない。

スカイラインとしては受け入れられないファンも少なくなかったかもしれないが、クルマ単体として考えれば非常によくできたスポーツセダン(クーペ)であり、事実、北米ではインフィニティブランドから販売され、インフィニティブランドをけん引するほどの人気車種となっていた。

13代目”V37”スカイライン

エンブレムはインフィニティ

現行モデルとなる13代目V37型スカイラインが登場したのは2014年のこと。日本では引き続き日産販売会社から販売されるにもかかわらず、海外と同じインフィニティマークを備えたモデルとなったことで往年のファンをさらに混乱させる結果となった。

しかし、クルマとして見ればスカイライン史上初のハイブリッドモデルを設定したり、ダイムラーから供給を受けた4気筒2リッターターボエンジンを設定したりと、常に革新と共に歩んできたスカイラインらしい部分も見ることができた。

日産エンブレム復活! ビッグマイナーチェンジ

そして2019年7月に行われたマイナーチェンジでは、エンブレムを再び日産へと戻し、2リッターターボの代わりに自社製のV6 3Lツインターボエンジンを新設定。ターボエンジンを搭載したトップグレードは405PSを発生するハイチューンエンジンを搭載した「400R」を用意し、スポーツセダン復権の兆しを見せている。

また、ハイブリッドモデルには最新の運転支援システムである「プロパイロット2.0」を設定。これは高精度な3次元の地図データ、車の周囲の状況を把握するカメラやセンサーなどを連動させることで、高速道路の同一車線上での手放し運転や前方車両の追い越しが可能となったもの。これをまずスカイラインに搭載したという点で、日産がスカイラインを重要視していることが分かるだろう。

400馬力を超えるターボモデルを設定する一方で、ハイブリッドモデルにはハンズオフ走行も可能となった運転支援システムを搭載するという点を見る限り、スカイラインは引き続き日産の基幹車種であることは間違いない。海外では販売されているクーペモデルが存在しない点など、物足りなく感じる点もないわけではないが、これからもクルマ好きが話題の中心に挙げる車種であり続けることは間違いない。

[筆者:小鮒 康一]

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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