autoc-one.jp 記事・レポート 新車情報 試乗レポート マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル)│スポーティなクルージングが愉しめるマツダのフラグシップセダン

試乗レポート 2018/7/10 13:41

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル)│スポーティなクルージングが愉しめるマツダのフラグシップセダン

モータージャーナリストの今井優杏さん
モータージャーナリストの今井優杏さんモータージャーナリストの今井優杏さんマツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2画像ギャラリーはこちら

『マツダのフラグシップはアテンザなのだ』という強い意思表示

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5

マツダのフラッグシップモデルであるアテンザが、ビッグマイナーチェンジを受けてお披露目された。

そのプレゼンテーションの冒頭に述べられた言葉が、とても印象的だったのでお伝えしたい。

「市場の要求がSUVに移行していることにまず危機感を抱きました。我々はセダンやスポーツワゴンでしか持ち得ない価値を再定義し、お客様に運転したい、所有したいと思ってもらえるようなクルマを作りたかったのです」

あくまでもマツダのフラグシップはアテンザなのだ、と、ピシャリと断言したかのように受け取られるこれは、開発主査・脇家氏の口から述べられたものだ。

確かに同社内でのシェアを見ても、マーケットを見ても、SUVが幅を利かせていることに疑いの余地はない。そして傍から見ればそれ自体は、会社にとって決して悪いことでもないように思える。だって数売れてるんなら、収益的にはオールOKなはずだもの。

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2

しかし、自動車メーカーが自ら定義付ける“フラッグシップモデル”という存在は、流行モデルに左右されるほど薄いものではない、ということなのだろう。

事実、新型アテンザのマイナーチェンジの変更幅は、フルモデルチェンジと見まごうほどだ。その気合いの入りよう、半端ないって。あいつ半端ないって。モデル末期のマイチェンやのにサスシステムの構造変えたりしてるもん。そんなんできひんやん、普通。

・・・すみません、時代に乗っかろうとしすぎました。

しかし、冗談抜きに、このマイチェンはマジ半端ないって(以下自粛)。まさにこれこそがフラッグシップだからこそ施せる改良だ。

詳細は以下に綴るので、ご確認いただきたい。

踏み代に応じてトルク特性が抜群にリニアなSKYACTIV-G 2.5

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5
マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5

まず、新型アテンザは、走りがあらゆる意味で洗練された。

特に顕著なのはペダル類の踏み心地=加速感が、劇的に向上している。これはガソリン/ディーゼルともに即、実感するに至った。

試乗会場に用意してあったのは、FFの2.5リッターガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.5)と4WDの2.2リッターディーゼルエンジン(SKYACTIV-D2.2)だったのだが、ラインナップには2.0リッターガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.0)も設定される。この3種類すべてのパワートレーンにトルク改善など改良を加え、さらにSKYACTIV-G 2.5には気筒休止システムを採用して燃費の向上も図っている。

SKYACTIV-G 2.0のみ試乗には至らなかったのでこの限りではないのかもしれないが、SKYACTIV-G 2.5では踏み代に応じてのトルク特性が抜群にリニア。トルクバンドの盛り上がり方が実にスムーズなのだ。かといって演出が過剰すぎないので、まさにマツダの言う「人馬一体」「意に添う」というところが叶えられている。先代では踏みはじめ、踏み込みに対してほんの少しのラグがあってからトルクが生まれて来るイメージだったので、このスッキリ感はハッとするほどだ。

狙いは“エフォートレス・ドライビング”

今、ファッション界では“抜け感”という意味のワードが盛んに使われているのだが、まさに新型アテンザのドライビングの狙いが、そんな流行ワードに符号するかたちになっている。

“エフォートレス・ドライビング”というのがそれで、“エフォートレス”とは“努力を要しない”とか、“肩の力を抜いた”ということを示すのだという。

つまり、どんな人でもしゃかりきにならずともサラっと運転出来る、という意味だ。さらにアテンザは、ステアリングを握る運転手だけでなく、他のすべての乗員にもこの“エフォートレス”を感じられるようなドライビング・フィールを叶えたかったのだという。

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2

事実、そういう視点で乗ってみれば、ペダルの踏み感自体も先代よりも軽く味付けされたようにも感じられて、確かに“エフォートレス”だ。

ディーゼルエンジン搭載のSKYACTIV-D2.2にはもっと過激な味付けがされていて、踏み代よりもトルクが多めに生まれて来る感じ、すなわちややスポーティな印象を受けた。

開発陣に話しを聞いたところによると、パワートレーンで乗り味に差をつけたつもりはないというが、フィーリングとして明確に違いがある。

まだまだ走りを楽しみたい!と望む層にはきっとドンピシャ

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5
モータージャーナリストの今井優杏さん

さて、ある程度の速度に乗ると、フラッグシップセダンというイメージからすればやや締まったアシが、マツダらしいスポーティなクルージングをもたらしてくれる。

そう、あなたが愛車にもし、“絶対的に静かでフラットなセダン”を求めるならば、きっとそれはアテンザではないと思う。しかし、まだまだ走りを楽しみたい!と望む層にはきっとドンピシャだ。

特にSKYACTIV-G 2.5のFFは、ステアフィールも軽くて挙動自体も軽快だし、さらに後席までもがエフォートレス、というにはちょっと及ばないくらい、サスペンションは硬め。だからこそ、コーナリングなんかではカチっと決まったハンドリングを叶えてくれるし、路面のインフォメーションもしっかり拾う。

先述の通り、アクセルレスポンスは抜群なので、そのキャラクターとは味付け的によくマッチングしている。日頃からたくさん走りたい人には、きっと響くと思う。かといって、ガチガチすぎてコーヒーも飲めないほどでは決してなく、上質なセダンとしての品位は失っていないのでご安心いただきたい。

この、コシがあるけどカタすぎないという落としどころがもたらすオンザロード感も、先代からの進化著しい。

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5

先代はもう少し突き上げがあったし、制振も低かったからだ。改善の理由として、タイヤとサスペンションの変更が挙げられる。

サスペンションに関して、具体的にはストローク感(ふわふわ方向)と減衰感(ゴツゴツ方向)の両方を改善するため、前者にはフロント・リアともにコイルばね定数特性変更、スタビライザーブッシュ接着、バンプストッパー特性変更、ストローク干渉低減が、後者にはフロントにはダンパーの大径化および飽和特性の採用、リアにはダンパー飽和特性採用とトップマウントウレタン材の採用が行なわれている。

それに伴い、電動パワステ制御の最適化もなされた。

どうしてここまでの変更をサスペンションに行ったかといえば、タイヤが変わったからだ。

新開発タイヤは、ヨーロピアンタイヤのような“体感的にソフト”を実現

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-G 2.5

今回、アテンザはタイヤメーカーとがっぷり四つに組んで新開発したタイヤを装着している。地面と接地するのがタイヤだけである以上、ある程度の性能発揮の部分をタイヤが担うのは当然のことだ。

従来モデルの装着タイヤは、簡単に言えば“硬かった”という。

新型ではそのアタリを柔らかくし、いわばヨーロピアンタイヤのような“体感的にソフト”を実現することで、タイヤがひとつの減衰部品と出来るくらいに初期の入力を飲み込むことができるようになった。そこで、実数として先代よりも縦ばね定数を下げることができた。こうして硬くてしなやか、という今のアシまわりを実現することが可能になったそうだ。

制御で余計な仕事をさせなくても、ドライバーが自然に操作

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2

ちなみに試乗中、「Gベクタリングコントロール」の効果を感じ辛かったことが気になった。

導入以来、ループ橋のように連続したRを通過する際などに、抜群の効果を感じていたGベクタリングコントロールは、ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させて接地荷重を最適化してくれる運転支援機能だ。

これまではもっとこの介入を感じるようなものだったのだが、新型アテンザのそれは至極消極的に抑えられている。

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2

それもこのタイヤとサスペンションシステムによって受けた恩恵で、これまでGベクタリングコントロールで抑え込まざるを得なかったフロントのフワフワ感が、タイヤ&サスの改善により収まるようになったため、制御で余計な仕事をさせなくても済むようになったのが理由だという。

たしかに、制御で不自然に曲げられるより、ドライバーが自然なドライブで操作出来た方が良い。ここにも“エフォートレス”が生きている。

さらにもう少し落ち着いたクルマが欲しいなら、モデル内でも断然SKYACTIV-D2.2の4WDという選択肢がオススメだ。

車重自体もガソリンエンジンとディーゼルエンジンでは約100kgの差があって、文字通りドッシリしているうえ、さらに4WDを選べばリアも物理的にFFより重くなる。その接地からハンドリングもカチっと固まり、結果的に重厚感あふれる質感が産み出される。

美麗内装が創り出す上質な世界観にうっとり

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル) SKYACTIV-D 2.2

最後に。

ここまで走りを熱弁しておいてアレだが、実は今回のアテンザの一番のオススメポイントは内装の質感の高さにこそあると思うので最後に触れておきたい。

とにかく綺麗。美麗内装なのだ。

特に最上級グレード(L Package)には感激してしまった。身も蓋もないが、「この値段でコレ!?超オトクやん!」となること請け合い。ここはもう、先代が比較対象にならないくらいだ。

ダッシュボードにまで張り巡らされたアルカンターラのようなスウェード風素材は東レ株式会社による新素材で、量産車初搭載となるもの。これがドアパネルにまで張り巡らされて、シートに身を埋めたとき、上質な世界観にうっとりしてしまう。

また、前席にはシートヒーターだけでなく、ベンチレーションまで備えられ、これがまた力強く熱気を吸ってくれパワフルさで大変満足なことこの上ない。

ナビも1インチ大きくなり、まさにフラッグシップにふさわしいおもてなしを手に入れている。

個人的に気に入ったのはピュアホワイトのレザー内装。きっとこの世界観、とくにこの女性にウケると思います。奥様におすすめしてみて!

モータージャーナリストの今井優杏さん

安全系もまたフラッグシップらしく、レーダークルーズコントロールを含む今のマツダが備え得る最高級のものが導入され、こちらも守備範囲を拡げている。

確かな走行性能に加えて、内外装の質感も高め、商品力は抜群。

悩ましいのはガソリン?ディーゼル?2.0リッター以外はさらに、FF?4WD?そしてAT?MT?

そう、選ぶ楽しみがあるのもマツダならでは!

是非最高の自分の一台を見つけて欲しい!

[TEXT:今井 優杏/PHOTO:茂呂 幸正]

マツダ 新型アテンザの主要スペック

マツダ アテンザ(2018年大幅改良モデル)の主要スペック
車種名アテンザ(セダン)
グレード20S など25S L PackageXD など
駆動方式2WD2WD2WD
トランスミッション6EC-AT6EC-AT6EC-AT
価格(消費税込)2,829,600円~3,542,400円3,240,000円~
WLTCモード燃費15.0km/L14.2km/L17.8km/L
市街地モード燃費11.7km/L10.6km/L13.9km/L
郊外路モード燃費15.4km/L14.5km/L17.6km/L
高速道路モード燃費17.2km/L16.8km/L20.8km/L
全長4,865mm4,865mm4,865mm
全幅(車幅)1,840mm1,840mm1,840mm
全高(車高)1,450mm1,450mm1,450mm
ホイールベース2,830mm2,830mm2,830mm
乗車定員5人5人5人
車両重量(車重)1,510kg1,540kg1,620kg
エンジン直列4気筒直列4気筒直列4気筒直噴ターボ
排気量1,997cc2,488cc2,188cc
エンジン最高出力156PS/6000rpm190PS/6000rpm190PS/4500rpm
エンジン最大トルク20.3kgf・m/4000rpm25.7kgf・m/4000rpm45.9kgf・m/2000rpm
燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン軽油
マツダ アテンザワゴン(2018年大幅改良モデル)の主要スペック
車種名アテンザワゴン
グレード20S など25S L PackageXD など
駆動方式2WD2WD2WD
トランスミッション6EC-AT6EC-AT6EC-AT
価格(消費税込)2,829,600円~3,542,400円~3,240,000円~
WLTCモード燃費15.0km/L14.2km/L17.8km/L
市街地モード燃費11.7km/L10.6km/L13.9km/L
郊外路モード燃費15.4km/L14.5km/L17.6km/L
高速道路モード燃費17.2km/L16.8km/L20.8km/L
全長4,805mm4,805mm4,805mm
全幅(車幅)1,840mm1,840mm1,840mm
全高(車高)1,480mm1,480mm1,480mm
ホイールベース2,830mm2,830mm2,830mm
乗車定員5人5人5人
車両重量(車重)1,530kg1,560kg1,630kg
エンジン直列4気筒直列4気筒直列4気筒直噴ターボ
排気量1,997cc2,488cc2,188cc
エンジン最高出力156PS/6000rpm190PS/6000rpm190PS/4500rpm
エンジン最大トルク20.3kgf・m/4000rpm25.7kgf・m/4000rpm45.9kgf・m/2000rpm
燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン軽油
筆者: 今井 優杏

【お車の買い替えをご検討中の方へ】

■下取り相場は調べられましたか?
車の乗り換えを行う際、よくある失敗はディーラーで営業マンから好条件を提示され、ハッキリした下取り価格を知らずに手放してしまうパターンです。一件好条件に見えても、実は下取り相場より安く、損をしてしまうことも。
■買取専門店にお願いするのも一つの手
買取専門業者は様々なメーカー・年式の車種、また改造車や希少車でも適正価格で転売するノウハウを持っているので、よりディーラー下取りより高く買い取ってもらえる可能性が高いといわれています。一括査定サービスを利用すれば、同時に複数の買取店に査定を依頼できるので便利です。
■【Ullo(ウーロ)】の一括査定なら翌日18:00に査定結果をお届け!
オートックワンの一括査定サービスUllo(ウーロ)ならお申し込みの翌日18:00に、複数買取業者からの査定結果をお届けします。さらに、よく一括査定で聞く、しつこい営業電話などは一切なし。
申込んだら「いつの間にか」査定が終わっています。

マツダ アテンザ の関連編集記事

マツダ アテンザの新車記事の一覧。新型車や注目の自動車の解説記事、試乗レポートなど、オートックワンがお届けする最新の自動車記事をご覧になれます。

マツダ アテンザ の関連編集記事をもっと見る

マツダ アテンザ の関連ニュース

この記事にコメントする

オートックワン公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック! オートックワン公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!
編集企画(パーツ・用品)PR