LS400、アルシオーネ、シティ・カブリオレなどメーカーの垣根を超えた旨熱モデルが一挙勢揃い!!【オートモービルカウンシル2019】

4社合同ブースのテーマは「百花繚乱80's」

2019年4月5日から7日まで幕張メッセを会場に開催されたオートモビルカウンシル2019。貴重なクラシックモデルの展示即売会という側面のほか、各自動車メーカーがそれぞれ趣向を凝らしたブース出展をしている点も来場者の楽しみのひとつとなっている。

昨年の同イベントでトヨタが掲げた「メーカーやブランドの垣根を越え、クルマを愛する全てのみなさまとともに、ヘリテージを尊び、人とクルマの未来を見すえ、日本の自動車文化を育んでいきたい」という想いに賛同した国産メーカー4社がひとつのテーマの元、各社を代表するクルマを展示したのがこの合同ブースだ。

今回のテーマは「百花繚乱80's」であり、80年代は日本メーカーの独創性と品質への情熱が欧米メーカーに追いつき、さまざまな技術や新車型が開花していった、日本の自動車産業にとって極めて重要な時期であったということで、その時代を彩った各社の代表的なクルマを展示している。

来年以降はこれに賛同するメーカーがさらに増えることを期待しつつ、今回展示された車両をご紹介していこう。

>>>メーカーの垣根を超えた旨熱モデルを画像でチェック!

1984年式 ホンダ シティ・カブリオレ(AA型)

ホンダブースにも展示されていたシティだが、こちらはオープンモデルのカブリオレが展示されていた。元々、コンパクトなボディのなかで室内空間を確保するために背の高いシルエットを採用したシティであったが、その頭上方向のクリアランスを無限大にしてしまったのがこのカブリオレと言えるだろう。

ボディはブルドッグの愛称で知られた「ターボII」のブリスターフェンダーを持ったボディを流用し(ただしエンジンはNAエンジン)、Bピラーを残す形で幌を開閉するシステム。開けた幌はリアデッキ部分にちょこんと乗る形になり、なんとも可愛らしいルックスを作り上げていた。ちなみにこの幌を手掛けたのはかの有名なピニンファリーナであり、Bピラー付け根部分にそのエンブレムが装着されている。

1989年式 日産 フェアレディZ(Z32型)

Z32型フェアレディZについては、日産ブースに展示してあった「初代フェアレディZ(S30型)」とまとめて記述しているので、そちらをチェック!

■日産 初代フェアレディZ(S30型)が生誕50周年!【オートモービルカウンシル2019】

1989年式 スバル アルシオーネ(AX型)

アルシオーネ以前にもスバルにはレオーネのクーペが存在していたが、アルシオーネはレオーネとは全く異なるスバルのイメージリーダーとなるべく生み出されたモデルだった。当時のスバルはどちらかというと地味なデザインが中心だったが、そのイメージを打破するべく、当時量産車として世界トップレベルの空力性能を持つウェッジシェイプデザインを採用していた。

エンジンは当初、レオーネにも搭載されていた水平対向4気筒1.8リッターターボエンジンを搭載していたが、87年のマイナーチェンジで2.7リッターの水平対向6気筒エンジンを追加。安全装備として4つのセンサーを持つ当時としては高度な制御を持つABSを搭載するなど、現代のスバルの安全に対する意識の基となったモデルとも言えるだろう。

1990年式 スバル レガシィツーリングワゴン(BF型)

80年代のステーションワゴンと言えば、どちらかというと“ライトバン”のイメージが強く、商用車から派生したモデルという感覚だったが、そのイメージを打破したのが1989年に登場したこのレガシィツーリングワゴンだったのだ。

エンジンからプラットフォームまで新設計で挑んだレガシィは瞬く間に大ヒット車種となり、特に2リッターターボエンジンを搭載したGTグレードは“速いステーションワゴン“という新たな魅力を創造し、他メーカーからも同様のステーションワゴンを多く生み出す結果となった。当時の富士重工(現スバル)は経営的に厳しい局面を迎えており、レガシィのヒットがなければ今のスバルはなかったと言っても過言ではない。

1985年式 トヨタ カリーナED(ST160型)

セダンとは居住性を重視するもの、という不文律をブチ破り、4ドアセダンながらクーペばりの低い全高を持ったピラーレスハードトップとして誕生したのがこのカリーナEDだった。車名こそカリーナだがメカニズム的には同時期のセリカであり、まさに4ドアクーペと呼べる仕上がりとなっていた。ちなみにEDとはExciting Dressyの頭文字を取ったものである。

当時でもどちらかというと年配ユーザーが多かったセダンにスタイリッシュなボディを採用したことで、若い世代からの支持も集め爆発的なヒットとなったカリーナED。その結果、他メーカーからもペルソナやプレセアなど、多くのフォロワーを生んだ名車でもあった。

1984年式 トヨタ MR2(AW11型)

国産初の量産ミッドシップとして1984年に登場したMR2。通常はとてつもないコストがかかるミッドシップ車だが、トヨタは当時のカローラのコンポーネンツを流用してコストを抑えていた。この手法はフィアットX1/9などでも見られた手法であり、5世代目のカローラが前輪駆動になっていなければ誕生していなかったモデルと言える。

デビュー当初は当時のAE86にも搭載された1.6リッターの4A-G型エンジンが上級グレードに採用されていたが、86年のマイナーチェンジで新たにスーパーチャージャーを追加した4A-GZ型エンジンが追加され、サンルーフよりも開放感の味わえるTバールーフ仕様も設定された。初の量産ミッドシップ車として課題もあったモデルだが、時折こういったモデルを生み出すのがトヨタの懐の深さなのである。

1990年式 レクサス LS400(XF10型)

トヨタの高級車ブランドとして1989年にアメリカで立ち上げられたレクサスブランド。その最上級車種として投入されたのが、このLS400だった。日本ではセルシオという名前で販売された同車は、それまで“安くて高品質”だった日本車に“高級さ”もプラスしたモデルとして脅威を持って迎えられたモデルだった。

その優れた動力性能と静粛性、フラットな乗り心地は欧州の高級車メーカーを震え上がらせ、多くのメーカーが研究用に購入したという逸話も残っているほど。もちろん、その後のレクサスの快進撃は皆さんの知るところだと思うが、トヨタのみならず日本車全体の評価を上げたのがこのLS400だったのかもしれない。

[筆者:小鮒 康一/撮影:和田 清志]

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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