トヨタにもあった!? 意外と知られていないトヨタのハンズオフ機能「アドバンスド・ドライブ」を公道でテスト! 超カンタンかつ高精度な作動に驚愕

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:和田 清志・TOYOTA・LEXUS
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トヨタの高度運転支援技術「Toyota Teammate(トヨタ・チームメイト)」に「Advanced Drive(アドバンスド・ドライブ)」が新たに加わった。これは高速道路などでの走行支援機能のひとつで、本線走行をはじめ車線変更と分岐においても、ハンズオフ(手放し運転)を含む運転のサポートを実施するというもの。完全自動運転時代の幕開けを予感させるアドバンスド・ドライブの機能を、モータージャーナリストの今井 優杏さんが公道上で試してみた。テスト車両はFCVの「トヨタ 新型MIRAI(ミライ)」だ。
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  1. メルセデス・ベンツやBMWより数段上の技術力、なのになぜかあまり誇ろうとしない…やけに控えめなトヨタの姿勢
  2. トヨタの高度運転支援技術「Toyota Teammate(トヨタ・チームメイト)」に含まれる目玉機能がアドバンスド・ドライブだ
  3. トヨタのアドバンスド・ドライブ、使い方は超カンタンでしかも高精度に機能する
  4. 「アドバンスド・ドライブ」の難点は車線変更と分岐、そしてドライバーの“目視”との関係

メルセデス・ベンツやBMWより数段上の技術力、なのになぜかあまり誇ろうとしない…やけに控えめなトヨタの姿勢

結構スゴイ新技術をシレっと載せてしまう…ちょっぴりアピール下手なトヨタにヤキモキ

「少々控えめすぎるんじゃないか」というのがトヨタの先進技術の導入の仕方だと、個人的に歯がゆく思っている。

かのメルセデス・ベンツが「ハイ、メルセデス」の音声認識システムを搭載した車載型AIをTVCMでガンガンにアピールしていたすぐあと、トヨタはカローラスポーツとクラウンという、控えめに言っても同社の基幹機種と言ってもいいような大事なモデルに「エージェント」という、メルセデス・ベンツの音声認識AIのようなシステムを、DCMという車載通信機とともに搭載した。

ちなみにこれはディスプレイオーディオとセットで販売されたことにより、既存のトヨタ車オーナーからはやや使い勝手の変更面での不満も出たらしいと聞いているが、このディスプレイオーディオ×DCM×エージェントは将来的にトヨタの顧客を守る大事な情報源であり、販売店とのコネクションを築く技術だと思っているから、是非オーナーの皆様も新しい機能を受け入れてほしいと切望している。

その内容に関しては今回のテーマではないので、またいつかお話しをする機会を待ちたい。ちなみに「エージェント」の音声認識力の高さ・検索力の高さは正直ここだけの話、メルセデス・ベンツやBMWのそれとは一線を画するほど“使える”機能であるということを、声を大にして言っておく。ほんと凄いんだから。

トヨタにもあった! ハンズオフ運転可能なクルマのこと、ご存じでした!?

さて、前置きがやたら長くなったが、なにを言いたいかというとみなさん。

トヨタにも“ハンズオフ”出来るクルマがあるって、知ってますか!?というお話しなのだ。

熱心な読者諸兄におかれましては、おそらく“やっちゃえニッサン”のTVCMで日産 スカイラインが手放し運転できるらしい、とか、ホンダがレジェンドでレベル3の自動運転を市販車で実現したらしいとか、そういうのはよくご存知だと思う。しかしトヨタとレクサスにハンズオフ機能があるってことを知っている人は、かなり少ないように思う。

いや、それも仕方ない。

現在この機能『Advanced Drive(アドバンスド・ドライブ)』は、水素燃料のFCV「トヨタ ミライ」と、「レクサス LS」にしか導入されていないからだ。

ここで話は冒頭に戻る。いかに特別なモデルにしか搭載されていないからってトヨタさん、ちょっと“こっそり導入”が過ぎませんかということなのだ。実に奥ゆかしい。でも興味は有り余るほどある。

というわけで、今回、このアドバンスド・ドライブを試す機会を得たのでレポートしたい。

トヨタの高度運転支援技術「Toyota Teammate(トヨタ・チームメイト)」に含まれる目玉機能がアドバンスド・ドライブだ

さて、トヨタは今、高度運転支援技術を「Toyota Teammate / Lexus Teammate(チームメイト)」と銘打っている。今回試乗した“ハンズオフ”を含む運転支援技術も、この機能の中のひとつとされている。

アドバンスド・ドライブは、高速道路や自動車専用道路の本線上を走行する際、ナビゲーションで目的地を設定すると、実際の交通状況に応じて車載システムが認知・判断・操作を支援し、車線・車間維持、分岐、車線変更、追い越しなどを行いながら目的地に向かって分岐までの運転を支援する、というもの。

その中で条件が整えば、ドライバーはすぐに運転に復帰できる状態にいなければいけないという条件付きではあるものの、ステアリング操作からも開放される。

ざっくりとわかりやすく言えば「高速道路でクルコン作動中に渋滞含む一定条件下で手放し運転できますよ」という感じだ。

この機能のためにトヨタ/ レクサスは同社初となるLiDARを採用、それに5台のレーダーと4つのカメラを組み合わせてセンサリングする。

トヨタのアドバンスド・ドライブ、使い方は超カンタンでしかも高精度に機能する

ワンプッシュでシステム起動! の手軽さ

このアドバンスド・ドライブ、実際に使ってみると『やや慎重だな』という印象を受けた。

試乗シーンは横浜みなとみらい近辺。首都高速を含む高速道路である。予めナビに目的地を設定し、料金所のゲートをくぐって高速道路に入る。システムをオンにする操作は、ステアリングホイール右側のメインスイッチをワンプッシュするだけ。他社の同様の機能ではスイッチ+SETと2ステップが多い中、トヨタ/レクサスは潔い選択だと思った。この時点ではレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストがハンズオンのまま作動する。

しかし、ほどなくしてポン、という電子音に加えて「アドバンスド・ドライブを開始します」との女声アナウンスとともに、メーターの内部がブルーに変わった。これが“ハンズオフOK”のサインだ。

なにげなくやってるステアリング操作って、実は意外と大変だったのね

おそるおそるステアリングホイールから手を離す。いつだってこの瞬間は緊張を伴うが、一旦コレに慣れてしまうともう普通のクルマに戻れなくなるのを知っている。日産のプロパイロット2.0、スバルのアイサイトX、そしてホンダセンシングエリート。BMWにもあるね。どれも目からウロコの体験だ。

これらの機能を使い、ハンドルから手を離してみて気づくことがある。それは「ハンドル持つって実はメッチャしんどい姿勢やったんちゃうん?」ということなのだ。

ほんの少しでもハンドルから手を離して一旦リフレッシュできるということが、その後のドライブの快適さをより長く持続させるキモ、と言っても過言じゃないかもしれない。

驚くほどの高精度、そして気遣いも感じられるトヨタのアドバンスド・ドライブ

トヨタのアドバンスド・ドライブも、驚くほどの高い頻度でハンズオフ可能のシーンに切り替わる。

ハードな曲道や複雑な合流ではまた「ポーン」という電子音とともにブルーの画面がグレーに切り替わってハンズオン運転に戻ることを促されるが、例えば東名高速とか、平坦でなだらかな道なら、かなりのエリアをハンズオフ出来ることは間違いない。

この機能がパワフルな効力を発揮するのは特に渋滞時で、前車に追従して完全停止するところから再加速まで、完全にステアリングホイールに手を添えずにいられるのは相当にありがたいことであった。

ちなみにこの手放し運転の最中、全幅が広い大型トラックなどを追い越す際には、心持ち右側に寄りながら走行するなどという気遣いもプログラムされているし、高精度地図データの搭載により、カーブの手前では自動的に減速するなどということも勝手にクルマがやってくれる。しかもこの制御がわざとらしく加減速したりするのではなく、実にナチュラルなのだ。有り難い。そしてこの制御、運転巧い。

ただ、ひとつこれだけはうまく機械とリンク出来ず、難しいと思った操作があった。車線変更と分岐だ。

「アドバンスド・ドライブ」の難点は車線変更と分岐、そしてドライバーの“目視”との関係

追い越し時の車線変更でウィンカーまで自動で作動させる反面、ステアリングの保持を求められる

アドバンスド・ドライブでは、目的地をナビにセットしていれば、分岐や車線変更、追い越しなども行ってくれる。システムが周囲の状況を判断して操作可能、となった場合には、メーター内に操作指示画面が出て、ウインカーのONまで自動で行うのだ。

しかし、このときはステアリングの保持が必須になるのである。

次の分岐や車線変更の手前で、メーター内には操作の提案画面が掲示される。その提案にステアリングスイッチで了解すると、ステアリングの保持が求められ、さらにステアリングホイール中央にあるドライバーモニターカメラがドライバーの曲がりたい方向への目視を確認すると、あとは自動的に車線変更が行われる…というものなのだが、ドライバー的にはこのとき、ついハンドルを強めに握って圧をかけてしまったり、それどころか自分でハンドルをつい切ってしまって機能がキャンセルされたりだとか、目視をカメラ側が認識してくれなかったりとか、いろんなドライバー側のミスが重なって、何度かに一度くらいしか、正しく作動させることが出来なかった。

ハンズオフからステアリング操作、そしてハンズオフに戻る一連の動作を決めるカギは“目視”

私が慣れてないだけちゃうんかいというツッコミに関してはまあ、ほんと仰るとおりですごめんなさいなのだけれど。さらに踏み込んで言うなら、ハンズオフだったところからいきなりハンドルを保持させることによっての力のかかり具合(握り方とか腕の重さとか)で、システムがキャンセルされることへの今後の対応と、“目視”というワンアクションが必要なのかどうかに焦点が当たってくると思う。ここは今後ディスカッションがされていく部分ではないかな。

事実、トヨタの技術者もこの件に関してはデータを集めている最中で、今後はアップデートで改善していくと答えてくれた。

ホンダの同機能はプラス375万円、しかも完全限定販売! トヨタなら55万円のオプションで誰でも手に入る

で、この部分だけを切り取ると、ナビさえ入れておけばハンズオフで車線変更や追い越しまでバンバンしてくれるホンダセンシングエリートのほうが優れているように思うし、実際ホンダのそれはかなり使い勝手が良いのだが、ホンダセンシングエリートは、実はシステムだけで375万円という値札が付いている。しかも一般販売ではなくリース販売のみという限定商品だ。しかしトヨタは55万円、レクサスは66万円で、まあ高いことは高いけれど、他の車種への展開も含めて、台数を捌いていく前提の機能と思って間違いはない。

この価格を考えれば本気で歓迎すべき機能であるし、事実、今後のアップデートによる洗練も大いに期待できると感じた。

[筆者:今井 優杏/撮影:和田 清志・TOYOTA・LEXUS]

トヨタ/MIRAI
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新車価格:
710万円860万円
中古価格:
139万円730.1万円
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新車価格:
1,078万円1,796万円
中古価格:
58万円1,606.8万円

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筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

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