トヨタ 新型スープラ 3モデルにイッキ乗り! 公道試乗で見えたそれぞれの“個性”とは(4/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:茂呂 幸正
末っ子のSZはチューニングしたい人向け
17インチタイヤを履くベースグレードのSZは、一番穏やかなスープラなのかと思ったが、これも少し違っていた。その要因となっているのはランフラットタイヤとのマッチングだ。バネ下でのタイヤのバタ付きはないのだが突き上げ感が高く、乗り心地だけで見るとSZ-Rよりもサスペンションが硬くなっているような印象を受けてしまう。
また不整地で快活に走るとハンドリングが定まらず、リアサスペンションのストロークが不足しているような印象を受ける場面がある。これは実際のストローク量不足というよりは、タイヤとサスペンションの伸縮周波数が合っていないからだろう。もしSZ-Rと同じ可変ダンパーを付けたとしたらそれが収まるのか? とも考えたが、それはわからない。
ただこのSZが、ダメな末っ子なのかというと、そうではないと思う。むしろSZ-Rと同じ「B48」型直列4気筒ターボを搭載し、可変ダンパーレスとなっていることが、チューニングの可能性を引き上げていると思うのだ。つまりSZはクラブマンレーサーのベース車輌として、大きな可能性を秘めている。
またプロムナードスポーツカーとしてスープラを楽しみたいのであれば、最初からランフラットなしの18インチタイヤに換えてしまうのも手かもしれない。
新型スープラ最大の美点は“運動性能の高さ” スポーツカーのこれからに期待したい
なんども言うが新型スープラ最大の美点は、その類い希な運動性能の高さだ。ワイドトレッド&ショートホイルベースが生み出すロールの少ない走りは、日常域ではストレスフリーな爽快感をもたらす。
そしていざドライバーがドライビングにフォーカスすれば、本気でこれに応えてくれる。
スポーツカーとしての速さを備えながらも、これだけ濃密な対話ができるスポーツカーはいまや貴重である。
ベンチマークである718ケイマンとの差は、もはやキャラクターの違いでしかない。その実力は、拮抗していると筆者は感じた。
ぜひ一度、その運動性能を直接比較してみたいものだ。それぞれの特性を解き明かし、その素晴らしさを伝えてみたい。
スポーツカーは、まだまだ死なない。そんな晴れ晴れしい気持ちになった試乗であった。
[筆者:山田 弘樹/撮影:茂呂 幸正]
新型スープラ(日本仕様)主要諸元
「RZ」グレード
排気量:2,998cc/エンジンレイアウト:直列6気筒/過給:ツインスクロールターボ/トランスミッション:8速スポーツAT/駆動レイアウト:FR(後輪駆動)/乗車定員:2人/最高出力:250kW(340ps)/5,000-6,500rpm/最大トルク:500N・m(51.0kgf・m)/1,600-4,500rpm/0-100km/h加速:4.3秒/車両重量(社内測定値):1,520kg/全長×全幅×全高(社内測定値):4,380×1,865×1,295mm/ホイールベース:2,470mm/タイヤサイズ:(前)255/35R19(後)275/35R19/トレッド:(前)1,594mm(後)1,589mm
「SZ-R」グレード
排気量:1,998cc/エンジンレイアウト:直列4気筒/過給:ツインスクロールターボ/トランスミッション:8速スポーツAT/駆動レイアウト:FR(後輪駆動)/乗車定員:2人/最高出力:190kW(258ps)/5,000-6,500rpm/最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/1,550-4,400rpm/0-100km/h加速:5.2秒/車両重量(社内測定値):1,450kg/全長×全幅×全高(社内測定値):4,380×1,865×1,290mm/ホイールベース:2,470mm/タイヤサイズ:(前)255/40R18(後)275/40R18/トレッド:(前)1,594mm(後)1,589mm
「SZ」グレード
排気量:1,998cc/エンジンレイアウト:直列4気筒/過給:ツインスクロールターボ/トランスミッション:8速スポーツAT/駆動レイアウト:FR(後輪駆動)/乗車定員:2人/最高出力:145kW(197ps)/4,500-6,500rpm/最大トルク:320N・m(32.6kgf・m)/1,450-4,200rpm/0-100km/h加速:6.5秒/車両重量(社内測定値):1,410kg/全長×全幅×全高(社内測定値):4,380×1,865×1,290mm/ホイールベース:2,470mm/タイヤサイズ:(前)225/50R17(後)255/45R17/トレッド:(前)1,609mm(後)1,616mm
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