トヨタ 新型スープラ 3モデルにイッキ乗り! 公道試乗で見えたそれぞれの“個性”とは(2/4)

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新型スープラ 最上位モデル RZの実力を試す

現状の新型スープラのフラッグシップモデルは「RZ」。3リッター 直列6気筒ツインスクロールターボ(340ps/500Nm)をフロントに搭載するその走りは、確かに最上級仕様と呼ぶに相応しい仕上がりとなっていた。

去年の11月末、袖ヶ浦フォレストレースウェイで行なわれたプロトタイプ試乗会での印象は、「とにかく良く曲がる」だった。

前後重量配分にこだわり、エンジン搭載位置を開発終了寸前になってまでさらに車体中央へとマウントし直した執念。ここにワイドトレッド×ショートホイールベースのシャシーがもたらす回頭性は、一種異様だ。

その堂々たるボディがまるでマツダ ロードスターのように曲がり、コーナーではトヨタ 86の2.5倍と言われるボディが、横Gをしっかりと受け止める。

乗り始めからプロトタイプとの違いを意識

コーナーでブレーキを未練たらしく残さずにターンインできる様は、とても直6をフロントノーズに積んでいるとは思えなかった。

逆に言えばヘタにブレーキを踏み続けようものなら、VSC(車両安定装置)がSPORTの状態でもスピンモードに陥るほどのカミソリぶり。これが高速コーナーでは不安につながり、プロトモデルではアクセルを踏みきれない場面もあった。

今回の試乗路はあくまでもオープンロードだから、こうした領域の確認はできなかった。しかしローンチ版となったRZには、乗り始めからプロトタイプとの違いを意識した。

走りに振り切っても乗り心地は悪くなっていない

具体的にはサスペンションがやや剛性を上げたように感じた。またリア周りの剛性感もグッと増した。これによってかアクティブディファレンシャルの作動がわからないほど、トラクションの掛かり方が自然になった。

確かに足回りはしっかりしている。しかし乗り心地が犠牲となっていないのは、ダンパー容量がしっかり確保されているからだろう。

また後述する4気筒モデルに比べて重たくなるフロント軸重が、跳ねや突き上げを良い方向で相殺しているからだ。むしろ豊かなトルク特性を持つエンジンと相まって、RZは上質な乗り味を披露してくれる。

新型スープラのアイデンティティでもある直列6気筒「B58」ユニットは、本家BMWよりもさらに気持ち良いエキゾーストノートを響かせているのが印象的だった。聞けばその仕様はまったく同じではなく、トヨタがBMWにエンジンマッピングを始めパワー特性には独自のリクエストを出したらしい。

特にエキゾーストは新設計で、Z4と比べてもカラッと抜けのよいサウンドだ。またトヨタとしては今後、さらにオプションのスポーツエキゾーストを用意するアイデアがあるという。

分厚い低中速トルクも頼もしいが、それ以上に回す快感がある。トルクを押し上げた先に直列6気筒の伸びとパンチが待っている。

このパワーを完全にシャシーは受け止めている。こうなるとM3やM4に搭載される名機「S55」ユニットの搭載を妄想してしまうが、どうやらそのプランは多田チーフエンジニアのアタマの中にもあるようであった。

ちなみにこのB58ユニット搭載に当たっては、面白い話がある。BMWはトヨタのデザインを見てクーリング不足を指摘したというのだ。しかしトヨタはTME(トヨタ モーター ヨーロッパ株式会社)との連携などによりこれを克服したのだという。具体的な内容は別途改めて記すつもりなので、楽しみにしていて欲しい。

>>RZは価格に恥じないフラッグシップモデルへと仕上がった[次ページへ続く]

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山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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