トヨタ グランエース 実燃費レポート│フルサイズワゴンのVIP送迎車の実力はいかに!?

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今回の燃費テストに持ち出したのは、メーカー自ら”上級送迎車“と呼称するフルサイズワゴンのトヨタ グランエース。ベースとなったのはすでに海外でデビュー済の300系ハイエースながら、VIPを乗せるのにふさわしい上級さを兼ね備えたモデルに仕上がっている。

すでにVIPを乗せるユーザーやハイヤー、ホテルの送迎など法人ユーザーを中心にオーダーが入っているが、ビッグサイズミニバン志向のユーザーやキャンパーのベースとして注目している一般ユーザーも少なくないということで、今回の燃費計測となった格好だ。

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  1. 燃費テスト概要
  2. トヨタ 新型グランエースの実燃費は11.03km/L
  3. トヨタ 新型グランエース実燃費レポート|市街地・街乗り編
  4. トヨタ 新型グランエース実燃費レポート|郊外路編
  5. トヨタ 新型グランエース実燃費レポート高速道路編
  6. トヨタ 新型グランエース実燃費レポート|総合実燃費編
  7. 次回の実燃費レポートは…!?
  8. 試乗ルート

テストに使用したグランエースは、より上級仕様の「Premium」で、4脚のキャプテンシートを備えた6人乗り仕様となる。搭載されるエンジンはすでに200系ハイエースやハイラックスにも搭載されている2.8リッター直列4気筒のディーゼルターボエンジンで、2.8トンに迫る巨体を引っ張ることになり、実燃費が気になるところだ。

燃費テスト概要

なお、今回の燃費測定は2月27日に行い、天候は晴れだったものの、最高気温は10度前後という中でのテストとなった。朝10時ごろに青山にあるMOTA編集部を出発し、高速、郊外路、市街地・街乗りの順で走行し、16時ごろに再びMOTA編集部へ戻るルートを選択した。燃費の数値は車両の燃費計を使用し、総合燃費のみ各セクションの数値を元に計算したものとなっている。エアコンは24度設定のフルオートで、全域をDレンジで走行している。

トヨタ 新型グランエースの実燃費は11.03km/L

新型グランエース 実燃費(WLTCモード) カタログ燃費(WLTCモード)

総合

11.03km/L

10.0km/L

市街地

8.8km/L

8.1km/L

郊外路

11.9km/L

9.9km/L

高速道路

12.9km/L

11.2km/L

結論から言うとトータルで157.4kmを走行し、全行程を走り切ったトータルの燃費は11.03km/Lとなった(セクション燃費から計算した数値)。WLTCモード燃費の数値は10.0km/Lとなっているので、若干カタログ燃費を上回る結果となった。ただし、今回の計測はドライバー1名乗車で行っており、燃費計測には有利な状況だったことを付け加えておく。

それではここからは走行シーンごとの燃費や走りっぷりなどをお伝えしていこう。

トヨタ 新型グランエース実燃費レポート|市街地・街乗り編

新型グランエース 市街地・街乗りでの実燃費:8.8km/L

市街地走行はストップ&ゴーが繰り返される燃費には厳しいシチュエーション。特に2.8トンもあるグランエースでは、ゼロ発進の負荷は相当なものだと思われる。しかし、1600回転で最大トルクの450N・mを発生させるディーゼルエンジンは、そんな巨体をものともせずにスムーズに発進していくのだ。その結果、52.2kmを走行してメーター上の燃費計の数値は8.8km/Lをマーク。WLTC市街地モード燃費は8.1km/Lとなっているのでほぼ同等の数値となった。

なお、今回の市街地走行では途中でDPF再生(ディーゼルエンジンが発生する有害物質を除去するフィルターを綺麗にする作業)が始まってしまい、一部アイドリングストップができないタイミングがあったので、状況が良ければもう少し燃費が伸びていた可能性もありそうだ。

トヨタ 新型グランエース実燃費レポート|郊外路編

新型グランエース 郊外路での実燃費:11.9km/L

郊外路は走行車両も信号も少ないため、一定のペースで走行できるシーン。大柄なボディでワインディング路は苦手に見えるグランエースだが、意外にも軽快なハンドリングで走りを楽しむことができてしまった。

後ろにVIPを乗せているときはこうはいかないだろうが、運転が楽しいというのは送迎ドライバーにとっても喜ばしいことではないだろうか。

なお、郊外路では28.4kmを走行して11.9km/Lという結果となり、カタログのWLTC郊外モード燃費の9.9km/Lを大きく上回る結果となった。

トヨタ 新型グランエース実燃費レポート高速道路編

新型グランエース 高速道路での実燃費:12.9km/L

最後は高速道路を通るルートを振り返る。今回は芝公園出入り口から首都高に乗り、東京湾アクアラインを経由して圏央道の茂原長南インターで下りるルートを走行し、走行距離は76.8kmとなった。メーター上の燃費計は12.9km/LとWLTC高速モード燃費の11.2km/Lを超える数値となった。

今回、アクアライン上では風速10メートルという強風が吹いており、大柄で四角いボディを持つグランエースはさぞかし横風にあおられるだろうと覚悟して臨んだのだが、拍子抜けするほどまっすぐ走ることにビックリ。前後235サイズという太めのタイヤサイズと、2.8トン近い重量級ボディが良い方に作用したのだろうか。

トヨタ 新型グランエース実燃費レポート|総合実燃費編

今回のグランエース燃費テストは、街乗り・郊外路・高速道路と合わせて157.4kmを走った結果、総合実燃費は11.03km/Lとなり、WLTCモード燃費の10.0km/Lを超える結果となった。送迎車という性格上、アイドリングの時間が増えたり、多人数乗車で重量がかさむことが考えられるため、ここまでの数値にはならないかもしれないが、参考までに見て頂ければ幸いだ。

上級送迎車ということで、ディーゼルエンジンの騒音が気になるのでは? と思われる人もいるかもしれないが、アイドリング時とゼロ発進のときにかすかにカラカラ音がするかな、といったレベルで、恐らく後部座席に座っていればほとんど気にならないレベルと言えるだろう。

また、装着される純正タイヤが重量級ということもあって、商用車用タイヤ(LT規格)が装着されているが、これもロードノイズなどは乗用車用タイヤとそん色ないレベルだ。ただし、指定空気圧がフロント300kPa、リア350kPaと高めに設定されており、1名乗車だとややリアが跳ねる印象があった。取扱説明書にも5名乗車以下の場合はリアを300kPaまで下げることで乗り心地を重視した設定になると記載があるので、使用用途に合わせて調整するとよさそうだ。

とはいえ車両本体価格620万~650万円ということもあって、一般ユーザーにはよほどの理由がない限りはアルファード/ヴェルファイアをオススメすることになりそうだが、どうしても他人と同じクルマはイヤという人には検討の価値がある1台と言えるかもしれない。

[筆者:小鮒 康一]

次回の実燃費レポートは…!?

「燃費レポート」では、これからも話題の新型車の実燃費を徹底検証していきます。

次の検証車種は、今注目度の高いホンダ 新型フィット。次回もお楽しみにー!

試乗ルート

ルート1「市街地」

千葉県市原市の国道16号線から国道357号線、途中から片側1車線になる国道14号線、都県境から蔵前橋通りを経由し、MOTA編集部に戻るルート。スムースに流れることは少なく、渋滞路が多くを占める区間だ。 平均時速は15~20キロ程度と遅い。道のりは約55km。

ルート2「郊外路」

茂原長南インターを降り、国道409号線を西に進み、交差する国道297号線を北上し、東京湾に近い千葉県市原市内の国道16号線まで向かうルート。 道路にアップダウンは少なく信号があまりない上に走行中の流れも良く、好燃費が期待できる区間と言える。道のりは約30km。

ルート3「高速道路」

首都高速都心環状線芝公園ランプから首都高湾岸線を経由し、東京湾アクアラインから最近開通した圏央道の茂原長南インターに向かうというルート。 道路にアップダウンは少なく、流れは区間全体を通しおおよそ80km/h程度。道のりは約70km。

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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