日本版コンシューマレポート -三菱 RVR ユーザー試乗レビュー-(7/8)

日本版コンシューマレポート -三菱 RVR ユーザー試乗レビュー-
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新型RVR ユーザー総合評価

各カテゴリー毎の評価平均

ユーザー採点の評価平均をすると、全体としてのバランスはとても良い。

ユーザーコメントでポジティブな声の主体は「コストパフォーマンスが高い」というもの。これは、三菱側の狙い通りである。対して、ユーザーコメントでネガティブな声をまとめると「優等生でまとまり過ぎ、スペシャリティがない」というものだ。

特に、「先代RVRとは全く別物だった」という指摘が複数回答あった。こうした、「RVR」に対する賛否両論を、実は三菱側は想定していると思う。

なぜなら、「RVR」は三菱の新世界戦略車の中核だからだ。日本で「RVR」として先行発売された同車は、ヨーロッパでは「ASX」(今年3月ジュネーブショーでデビュー)、アメリカでは「アウトランダースポーツ」(今年4月ニューヨークショーでデビュー)、中国では「ASX」(今年4月北京ショーでデビュー)として登場している。

これら全発表会に益子修・三菱自動車工業・社長が自ら商品プレゼンを行うほどの力の入れようだ。こうしたなか、日本の「RVR」は、先代の「事実上の日本専用車」という枠組みからは抜け出さねばならなかった。

「全ての要望を日本仕様で満たしきる」ことは事実上不可能だからだ。だからといって、三菱側が「日本のユーザー不在」の商品開発をしたと思われては困る。

世界市場のなかでも日本のユーザーは「最も目が肥えている、厳しいお客様」であり、ネット社会の昨今、本家本元の「日本でのユーザーの声」は世界各地のユーザーの耳に直結しているからだ。

世界市場のなかで、唯一「RVR」という名称を日本市場に用いたのは、先代「RVR」が築き上げた「三菱らしい新しいクルマの発想」を引き継ぎたかったからだ。

「RVR」の商品の開発時期としても、ランサーファミリーのフルモデルチェンジ、アウトランダーの登場を受けるカタチとなったことが好条件だ。つまり、開発データが豊富にあり、部品の共通化での購買コストの削減が可能だ。結果として、「コストパフォーマンスの高いクルマ」が出来上がったのだ。

筆者の個人的な意見では、現状の三菱の事業体制において、「RVR」はベスト商品だと思う。日本を含めた世界各市場で「他社との競合性が低いセグメントで、穴狙いが出来るチャンスを持ったクルマ」だ。

ただし、三菱自動車工業におかれては、今回の日本国内ユーザーからの「RVRへの生の声」を十分に認識して、さらなるハイレベルな商品開発に望んで頂きたい。

新型RVR/ユーザーコメント総評

・コンパクトなのにちょっと上質感を感じさせるデザインがグッド。走りは万人向けで実用的 (クロリックさん 東京都)

・取り回しの良さなど、思っていたよりいい。エンジンはもう少しトルク感が合っても良いと思う。減税50%などのアドバンテージもあるので、もっとうまくCMなどで良さをアピールしたらよいと思います。勿体無いです (匿名 東京都)

・現在、旧型のRVRに乗っている。名称は同じでも全く進化した良いクルマに仕上がっていると思う (オオヌマさん 静岡県)

・SUVのエコカーとしては優等生。トルク感向上のため、EU向けのクリーンディーゼルの国内販売を望みます (ツカモトさん 愛知県)

・現在販売されているSUVの中で、もっともコストパフォーマンスが高いと思います。走りが気持ちよく、燃費がよく、内装も及第点、とてもバランスがいい車だと思います。欲しくなりました (ヒロムさん 愛知県)

・一度は乗ってみたいですが・・・メインカーでは?がつきました (ヨシハシさん 大阪府)

・初代RVRとは名前のみ同じでコンセプトは全然違う車で残念でした (フジモトさん 福島県)

・4WDに試乗し燃費、デザイン、内装共に満足しました。特に4WDにもかかわらず燃費が他の車より向上していて雪国なので冬のことを考えると申し分のない車だと思う (オオシマさん 長野県)

・デザインが正直気に入らない 車自体はとてもいい仕上がり (イマイさん 長野県)

・アウトランダーが希望でしたが、こちらの購入を考えてます (フジマルさん 福岡県)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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