ホンダ 新型 インサイト試乗｜突如復活したHondaハイブリッドの3代目モデル、その正体とは！？(5/6)

渡辺陽一郎がおススメする新型インサイトの狙い目グレードは「EX」

LXグレードは安全装備の面で推奨できず

このようにEXとLXは上下関係ではなく、好みに応じて選べる並列の間柄だ。それなのにLXは、入念に造り込みながら最後で手を抜いてしまった。

EXとEX BLACK STYLEには、ブラインドスポットインフォメーション(ドライバーの死角に入る後方の車両を検知して知らせる機能)を標準装着したが、LXではオプションでも付けられない。快適装備やシートの生地をグレードに応じて差別化するのは良いが、安全装備は公平に設定すべきだ。標準装着が無理なら、せめてオプションで単品装着できるようにして欲しい。

安全装備で手を抜いたLX(326万1600円)は推奨できず、約24万円高いEX(349万9200円)が新型インサイトのベストグレードになる。

新型インサイトがちょっと割高に見える理由とは

326万1,600円～362万8,800円と、300万円台中盤前後に位置するインサイトの価格帯は、やや高めに思えるが、装備内容を見ると印象が変わる。

ベーシックなLXグレードにも、ホンダインターナビ(8インチワイドディスプレイ付)＋リンクアップフリー＋2.0ETC車載器、ドライバー注意力モニターなどが標準装着され、後からオプション装着すべき実用装備がほとんどないからだ。

インサイトLXの価格はシビックセダン(265万320円)に比べて61万1280円高いが、装備と内装の質感を高めた価格換算額が約35万円に相当する。そうなるとハイブリッドシステムの換算額は約26万円と考えられる。ホンダのスポーツハイブリッドi-MMDは高コストなシステムで、ノーマルエンジンとの実質差額は、ライバル競争の激しいステップワゴンが約47万円、オデッセイは58万円くらいに相当する。

そうなると、あくまでもシビックとの比較ながら、インサイトは割安と判断できる。本来ディーラーオプション(売り上げは直接販売店の収益になる)で選択の余地を残すべきカーナビまでメーカー標準装着にしてまで価格を高めたのは、販売現場の気持ちを汲み取らないホンダらしさともいえるが、予算の許すユーザーには推奨度の高いクルマだ。

少し頑張れば購入できる国産セダンの実力は、このあたりだろう。機会があったら、販売店で新型インサイトを試乗すると良いと思う。ホンダの、というよりも日本車の商品力を実感できる。

[筆者：渡辺 陽一郎／撮影：茂呂 幸正]

【オートックワン動画】1分でわかるホンダ 新型INSIGHT(インサイト)

ホンダ 新型インサイトの主要スペック

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新車価格：

335.5万円～372.9万円

中古価格：

17.9万円～361.6万円

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