トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト どっちが買い!? 徹底比較

トヨタ、ホンダを代表するハイブリッドモデルを徹底比較

今も昔も国内の販売ナンバーワンメーカーはトヨタだが、2位以下は大きく入れ替わった。かつては日産が2位だったが、今は5位に後退して、ホンダが2位に浮上している。3位はスズキ、4位はダイハツだ。

そして1位のトヨタと2位のホンダに共通するのは、ハイブリッドを充実させたことだろう。日産もe-POWERが売れ筋だが、車種の数が少ない。

日本は平均走行速度が低く渋滞も多いため、諸外国に比べてハイブリッドの燃費性能を発揮しやすい。トヨタは2018年(暦年)に約60万台のハイブリッド乗用車(プラグインを含む)を国内で販売して、同社が国内で売った小型/普通乗用車の45%になる。ホンダは約20万台のハイブリッド乗用車を売り、国内で販売した小型/普通乗用車の54%を占めた。トヨタとホンダにとって、ハイブリッドは国内で売る乗用車の大切な技術だ。

そこで両車の代表的なハイブリッドとされるトヨタ プリウス、ホンダ インサイトを比べたい。現行プリウスは2015年に発売されたが、2018年12月に大幅なマイナーチェンジを受けた。インサイトも同じく2018年12月に発売された新型車だ。トヨタとホンダを代表するハイブリッドが出そろって、今がまさに買い時となった。

>>>トヨタ、ホンダを代表するHVモデル2車種を画像で比較(画像124枚)

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│ボディスタイル/サイズ/視界/取りまわし性比較

ボディタイプはプリウスが5ドアハッチバック、インサイトはシビックセダンと基本部分を共通化した4ドアセダンになる。

ボンネットはインサイトが見やすく、ボディの先端や車幅の位置も分かりやすい。サイドウインドウの下端は両車ともに高めで側方と後方の視界は良くないが、優劣を競えばインサイトが勝る。プリウスは真後ろのウインドウを上下に2分割して視界を確保したが、斜め後方が見にくい。

プリウスのボディサイズは、全長が4575mm、全幅は1760mm、全高は1470mmだ。インサイトは4675mm・1820mm・1410mmだから、プリウスよりも100mm長く、60mm広く、60mm低い。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は両車とも2700mmで等しいから、インサイトはオーバーハング(ボディがホイールから前後に張り出した部分)が長い。最小回転半径はプリウスが5.1m(17インチタイヤ装着車は5.4m)、インサイトは5.3mだ。

インサイトはボディがひとまわり大きいが、視界が良いために運転しやすい。

勝者:インサイト

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│内装のデザイン/質感/操作性/視認性比較

インサイトのインパネは、デザインがオーソドックスだが、プリウスに比べると少し上質だ。ATはシフトレバーではなく、スイッチ式で慣れを要するが、プリウスと大差ない。

メーターはプリウスがデジタル式で、最上部に配置した。インサイトのアナログ形状に比べると好みが分かれるが、高い奥まった位置に装着されるから視認性は良好だ。

勝者:プリウス

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│前後席の居住性比較

プリウスの前席はおおむね快適だ。乗員の体がシートに適度に沈み、背もたれの下側が硬めだから、しっかりと支える。肩のサポート性も良い。

インサイトも同様の座り心地だが、EXに採用されるプライムスムース&ファブリックのシート生地は、柔軟で伸縮性が優れ、座り心地はさらに快適だ。

後席の居住性は、両車とも似ている。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は、両車とも握りコブシ2つ少々になる。頭上の空間も握りコブシ半分程度だ。

ただしインサイトは全高がプリウスに比べて60mm低いので、後席は腰の落ち込んだ姿勢になりやすい。座面の前側を大きく持ち上げたから大腿部が離れることはないが、少し窮屈に感じる。

勝者:プリウス

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│荷室比較

プリウスは5ドアハッチバックだから、リアゲートが大きく開く。ヒンジの位置が前寄りだから、開閉時にリアゲートが後方へ張り出しにくい。ステーションワゴンと違って、縦列駐車をしている時でも荷物を積みやすい。荷室の底は少し浅いが、面積は広い。

インサイトも後席を倒してトランクスペースを拡大する機能を備えるが、収納性はハッチバックボディのプリウスが優れている。

勝者:プリウス

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│動力性能&エンジンフィーリング比較

プリウスはモーターの動力性能が高く、加速も滑らかだ。1.8リッターエンジンとモーター駆動を併用して、複雑な制御を行う。巡航中にアクセルペダルを踏み増した時の加速力は、ノーマルタイプのガソリンエンジンでいえば2.2リッターに相当する。モーターは反応が素早いから、底力があってパワフルだ。

インサイトのハイブリッドは、1.5リッターエンジンが主に発電機を作動させ、駆動はモーターが受け持つ。高速の巡航時のみ、エンジンがホイールを直接駆動して、燃費効率を高める制御も行う。

モーター駆動が中心だから、加速は電気自動車と同様に滑らかだ。アクセル操作に対して素早く反応するから運転しやすい。制御がシンプルで運転感覚が馴染みやすい面もある。動力性能はノーマルエンジンに当てはめると2.5リッターに相当する。ノイズは小さく、プリウスよりもエンジンの再始動が分かりにくい。上質に仕上げた。

勝者:インサイト

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│走行安定性比較

以前のプリウスは比較的良く曲がる半面、下り坂のカーブでブレーキングを強いられたりすると、後輪の接地性を損ないやすかった。そこを先ごろのマイナーチェンジで改めている。良く曲がる感覚は少し薄れたが、後輪の安定不足が解消されて、走りのバランスを向上させた。

インサイトの安定性は、改善を受けたプリウスよりも、さらに優れている。操舵感は穏やかだが、小さな舵角から正確に反応して上質だ。路面の手応えも分かりやすく、直進時を含めて安心して運転できる。

走行安定性も優れ、正確に曲がって後輪の接地性も高い。足まわりがプリウスよりもしなやかに動く。カーブを曲がっている最中に、路面のウネリやブレーキングといった挙動を不安定にする要素が加わっても、車両の姿勢や旋回軌跡を乱しにくく、操舵角に合わせて旋回を続ける。またインサイトは、ボディとサスペンションの取り付け剛性が高く感じる。

勝者:インサイト

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│乗り心地比較

プリウスの乗り心地は、マイナーチェンジで改善されたが、低速域は全般的に硬い。タイヤが路上を転がる時に発するノイズも少し大きい。

グレードによっても差があり、15インチタイヤ装着車は割合に柔軟だ。17インチタイヤを履いたツーリングセレクションは、引き締まり感が伴い、コツコツと硬めに感じることがある。

インサイトはプリウスに比べると、足まわりが柔軟に動く。16インチタイヤのLXは、乗り心地が柔らかいが、タイヤの歪みも感じられて操舵した時の反応も少し甘い。17インチタイヤのEXは、適度なメリハリがあって重厚な印象だ。

勝者:インサイト

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│安全&快適装備比較

両車ともにミリ波レーダーと単眼カメラをセンサーに使った緊急自動ブレーキを標準装着した。歩行者を検知することも可能だ。後方の並走車両を知らせる機能も採用されている。

運転支援機能では、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールが備わり、先行車が停止した時には自車も止まる。

さらにインサイトは、クルーズコントロール作動時に、車線の中央を走れるように操舵の支援を行うレーンキープアシストも採用した。

勝者:インサイト

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│燃費性能比較

プリウスのJC08モード燃費は、売れ筋のSやAが37.2km/Lだ。インサイトはベーシックなLXが34.2km/L、EXが31.4km/Lになる。燃費数値はプリウスが勝る。

勝者:プリウス

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│グレード構成と価格の割安度比較

インサイトはカーナビなども標準装着されるから価格が高い。ベーシックなLXが326万1600円だ。推奨グレードは、後方の並走車両を知らせるブラインドスポットインフォメーションなどを標準装着したEXで349万9200円になる。

インサイトEXに相当するプリウスのグレードは、Aツーリングセレクションで、SDナビとリアクロストラフィックアラートのセットオプションを装着すると条件が合う。この合計額は336万2040円だ。

ほぼ同額だが、インサイトのハイブリッドシステムは高機能だから、プリウスよりも買い得と判断できる。

勝者:インサイト

トヨタ プリウス vs ホンダ インサイト│総合評価/どっちが買い!?

ハイブリッドの機能と動力性能、走行安定性、乗り心地などを総合的に判断すると、インサイトが買い得だ。

ただしインサイトはカーナビまで標準装着したので、価格が高まった。機能や装備を考えれば買い得だが、ベーシックなグレードを用意せず、カーナビを安価なディーラーオプションから選ぶこともできない。

つまり買い得ではあるが、購入しにくい。もう少し価格の安いグレードを用意する必要がある。プリウスなら256万5000円のSに25万円程度のカーナビを加えて、280万円前後で購入できる。

推奨度が高いのはインサイトだが、予算が足りない時はプリウスが選びやすい。

勝者:インサイト

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:小林 岳夫・茂呂 幸正]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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