VW 新型ポロ燃費レポート|スタイル良し、燃費良し、走り良しのドイツ産コンパクトカーが攻めてきた!(5/6)
- 筆者: 永田 恵一
VW 新型ポロ実燃費レポート|総合評価
VW 新型ポロ 総合実燃費:18.0km/L
VW 新型ポロ実燃費レポート|総合評価 | ||
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車種名 | 実燃費 | パワートレイン |
VW ポロ 2018年4月フルモデルチェンジ | 18.0km/L | 1.0Lガソリンターボ/2WD |
スズキ スイフト 2017年3月計測 | 19.6km/L | 1.0Lガソリンターボ/2WD |
トヨタ パッソ 2016年6月計測 | 20.2km/L | 1.0Lガソリン/2WD |
トヨタ アクア 2017年6月計測 | 27.6km/L | 1.5Lハイブリッド/2WD |
新型ポロは実燃費こそ特に日本の使用条件だとハイオクガソリンを必要とする燃料コストの高さも含め日本車に劣るものの、全体的にドイツ車らしい質の高さも備えた、完成度の高いコンパクトカーではあった。
なお今回ポロは筆者の手元に6日間あり、テストも含めかなりの距離を走ったのだが、ガソリン満タンから燃料残量警告灯が点くまでの航続距離は約600km(ガソリンタンクは40リッター)が確認でき、十二分といえるだろう。
ポロそのものはクルマの全体的な質に加え、精悍で抑揚あるスタイルもよく、インテリアの質感も高い。コンパクトカーという枠を超えた出来のいいクルマなのは確かだ。
しかし、「どうせポロを買うならこの仕様にしたい」と感じるハイラインのカーナビとセーフティパッケージ付きの297万4000円という価格は、国内外のライバルと比べると少し高いように感じる。というのも、車両価格200万円以下のフィットやデミオ、スポーツを含むスズキ スイフトといった日本車は個々の魅力がありながらよく出来ている、また、輸入車のコンパクトカーもそれぞれ強い個性を持つプジョー 208やシトロエン C3、ルノー ルーテシアといったフランス車が240万円程度の価格で頑張っている。これらとコストパフォーマンスで見比べると如何せん高く、値段ほどの価値を見出せるかは若干疑問である。
この価格を考えると、ポロは乗り降りや走行中つかまるために使う持ち手が無かったり、ラゲッジスペースが二段に使えるのは良いが、スペアタイヤも入る一番下のアンダーボックスに箱がないといった、粗探しのほうが先立ってしまう。
そういったことも考えると、今後ポロには本国で発売されているスポーツモデルのGTIの追加などのバリエーション拡充や、価格の見直しを強く望みたいところだ。
VW 新型ポロの主要スペック | |
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車種名 | ポロ |
グレード | TSI ハイライン |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 7速AT |
価格(消費税込) | 2,650,000円 |
JC08モード燃費 | 19.1km/L |
全長 | 4,060mm |
全幅(車幅) | 1,750mm |
全高(車高) | 1,450mm |
ホイールベース | 2,550mm |
乗車定員 | 5人 |
車両重量(車重) | 1,160kg |
エンジン | 直列3気筒DOHCインタークーラーターボ |
排気量 | 999cc |
エンジン最高出力 | 70kW(95PS)/5,000~5,500rpm |
エンジン最大トルク | 175Nm(17.9kgm)/2,000~3,500rpm |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク) |
VW ポロとは
VWにとってゴルフやパサートに続く柱となるコンパクトカーのポロは、日本ではそれほど目立たない存在ながら、モデル末期でも輸入車の中では5位/6位に入るという堅実な販売実績を誇るモデルだ。
ポロは1975年に初代モデルが登場して以来、日本での販売は1996年の3代目モデルから本格的に始まり、新型で6代目となる。
コンパクトカーと一口に言っても、ボディサイズなどを基準に考えるといくつかのクラスに分かれるが、新型ポロはコンパクトカーとしては全長が4060mmと長いのに加え、全幅は最近のヨーロッパのコンパクトカーでは増えている1750mmに拡大されていることもあり、コンパクトカーの中では大きい部類だ。ボディサイズの拡大により、当然ながらキャビンスペース、ラゲッジスペースとも大幅に広くなっている。
なお現行ポロのボディサイズを1クラス上のゴルフで例えると、1998年に日本導入が開始されたゴルフ4(全長4155mm×全幅1735mm)に近い。プラットフォームはゴルフ7依頼展開されている“MQB”を採用する。
パワートレーンは、VWが先駆けとなったダウンサイジングターボのコンセプトを、先代ポロの1.2リッター4気筒ターボからさらに進めた1リッター3気筒ターボ(最高出力95馬力&最大トルク17.9kgm)を搭載。
トランスミッションは、VWの基幹技術の1つとなっている2ペダルでATと同じように使えるデュアルクラッチの7速DSGを組み合わせる。
動力性能は0-100km/h加速10.7秒、最高速187km/hを誇り、燃費向上の技術としてはアイドリングストップやブレーキエネルギー回生システムも装備される。JC08モード燃費は19.1km/Lだが、2018年4月からエコカー減税の基準が厳しくなったこともあり減税対象ではない。
自動ブレーキや運転支援システムに関しては、ミリ波レーダーからの情報を基に車両のような物体だけでなく歩行者にも対応するプリクラッシュブレーキ”フロントアシスト”を全グレードに標準装備する。運転支援システムはグレードによって設定が異なるが、停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールや、斜め後方を監視し進路変更の際などの事故防止に絶大な効果を持つブラインドスポットディテクションを用意する。ただ自動ブレーキに関しては、輸入車のため国が行うJNCAPのテストを現状では受けていないこともあり、性能は未知数と考えた方がいいだろう。
グレード展開はベーシックなトレンドライン(209万8000円、ただし装備も簡素な上納期も長くなることが多い受注生産)、中間のコンフォートライン(229万9000円)、最上級のハイライン(265万円)の3つとなる。
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