新型スイフト実燃費レポート/1Lターボとハイブリッド、燃費がいいのはどっち!?

新型スイフト実燃費レポート/1Lターボとハイブリッド、燃費がいいのはどっち!?
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新型スイフト実燃費レポート 1Lターボ vs. ハイブリッド|結果まとめ

今回のスズキ新型スイフトの燃費テストでは、セーフティパッケージを装着した“ハイブリットRS”と、1リッターターボモデルのRStを起用した。

このRS系のグレードは、旧型で欧州仕様の足回りなどを持つ特別仕様車として好評を集め、新型スイフトではカタログモデルに昇格した、という経緯を持つ。

高速道路におけるスイフトの実燃費は、ハイブリッドRSで22.6km/L、RStで22.5km/Lとカタログ燃費に近い数値を記録。これには先代比で約120kg軽量化されたボディが功を奏している。

また、気になる街乗りでの数値は、ハイブリッド車で17.7km/L、1Lターボ車で17.0km/Lという結果となった。ストップアンドゴーが多い街中で、ターボモデルがハイブリッドモデルの数値に肉薄するのは驚くべき結果で、3気筒エンジンの効率の良さを如実に表している。

今回のテストで最もスイフトの燃費性能が発揮されたのは、郊外路編である。実燃費の数値は、ハイブリッドRSで20.3km/L、RStで19.1km/L。それぞれカタログ燃費に比べると、ハイブリッドモデルは達成率約73%で、1リッターターボモデルに関しては約95%の達成率となった。

新型スズキスイフト 燃費計測結果まとめ
グレードRSRSt
パワートレイン1.2リッター4気筒+マイルドハイブリッド1リッター3気筒直噴ターボ
カタログ燃費(JC08モード)27.4km/L20.0km/L
高速道路 実燃費22.6km/L22.5km/L
街乗り(市街地) 実燃費17.7km/L17.0km/L
郊外路 実燃費20.3km/L19.1km/L
トータル平均実燃費20.2km/L19.6km/L

検証環境はやや旧聞となるが、ハイブリットRSは3月27日(月)の13時に開始し、20時頃帰京するというスケジュールで実施。天候は雨から曇り、晴れと回復し、最高気温は8度と雪が降りそうな寒さ。交通状況は市街地の混雑がやや激しいというところだった。

1リッターターボを搭載する“RSt”は、3月30日(木)の午前7時に開始し、午後1時半頃帰京するというスケジュールで実施。天候は終日晴天で、最高気温も16度と3月後半としては暖かな中、交通状況は比較的スムースであった。

以下では、スイフト初のハイブリッドモデルであるRSと、走行性能の高い1Lガソリンターボモデル RStを同時に解説。試乗インプレッションやライバル車との比較を通して、購入を悩む諸兄の背中を後押しできれば幸いだ。

スズキの世界戦略車、新型スイフトとは

昨年12月のフルモデルチェンジで4代目となったスズキのコンパクトカーであるスイフトは、スズキにとって大きなターニングポイントとなったモデルだ。

というのも、それまで白いナンバープレートが着くスズキの登録車は、2000年登場の初代モデルも含め、軽自動車を拡大した、価格の安さをウリにするモデルが多く、率直なところイメージは薄かった。しかし2004年登場の2代目スイフトでは、軽自動車とは関連のないプラットホームを採用した世界戦略車として生まれ変わり、好評を得た。この2代目スイフト以降、スズキは軽自動車だけでなく登録車にも力を入れ始めている。

そして、スイフトのスポーツモデルとして人気車となったスイフトスポーツで行ったWRC(世界ラリー選手権)参戦による市販車へのフィードバックも含め、車自体の完成度とブランドイメージを大幅に向上させることに成功したのである。

※現在のスズキのブランドイメージはその当時(2000年代前半)ほど高くないのは残念なところであるが。。。

それはさておき、2代目、3代目と全長が4000㎜を大幅に下回り、コンパクトな代わりにスペースはそれほど重視しないというコンパクトカード真ん中のポジションにあったスイフトは、4代目となった現行モデルでもその点はキープコンセプトである。

新型スイフトの大きな特徴は、軽量化に大変力を入れている点だ。軽量なボディ設計は、2013年に登場した軽スーパーハイトワゴンであるスペーシアを起点として、スズキ車の強い武器になっている。新型のボディには新プラットホーム“ハーテクト”が採用されており、ボディそのものだけでなく、ドアなどの外装部品、シートなどの内装部品など、車全体に渡る徹底的な軽量化が行われている。

結果、国産コンパクトカーの平均的な車重が約1トンであるところ、最軽量となるベーシックなXGグレードの1.2リッターエンジン+5速MTでは軽自動車に近い860㎏。最も重いマイルドハイブリッドの4WDでも970㎏と、全グレードで1トンを下回っている(旧型比では最大120㎏軽量化されている!)。筆者が評価したいのは、この軽量化を、アルミのような高価な素材を使えないコンパクトカーで、安価な素材だけを使って実現したスズキの技術力だ。これは驚異としか言いようがない。

搭載されるパワートレーンは、1.2リッター4気筒、1.2リッター4気筒+マイルドハイブリッド、1リッター3気筒直噴ターボの3種類。

ベーシックな1.2L4気筒ガソリンエンジンには、CVTと5速MTが設定され、最高出力91馬力・最大トルク12.0kgm。1.2L4気筒ガソリンエンジンにオルタネータ(発電機)を兼ねる小型モーター(最高出力3.1馬力&最大トルク5.1kg・m)を加えた、マイルドハイブリッド搭載モデルは、安価な割に燃費の向上幅が大きい。さらに、日本で増えつつあるダウンサイジングターボを搭載する1L3気筒直噴ターボモデルは、6ATと組み合わされ、1.5L並みの動力性能はそのままに、同エンジンが搭載されるバレーノとは異なり、レギュラーガソリン仕様に変更となっている(最高出力102馬力・最大トルク15.3kg・m)。

特に売れ筋となっているマイルドハイブリッドは、アイドリングストップに加え、エコクールも採用している。これは、エアコンの構成部品の1つであるエバポレーターに蓄冷材を入れ、冷房を使っている際にアイドリングストップする時間の延長に寄与する機能だ。

結果、カタログに載るJC08モード燃費はマイルドハイブリッドのFF車で27.4㎞/Lを達成し、今年度から基準が厳しくなったエコカー減税では取得税40%、重量税50%軽減が適応となる。また、1Lターボ(JC08モード燃費20.0㎞/L)はエコカー減税の対象とならないが、ベーシックな1.2LのCVT(JC08モード燃費24.0㎞/L)には取得税20%, 重量税25%軽減が適応される。

マイルドハイブリッドモデル以外にはアイドリングストップが着かないこともあって、とくにターボの燃費数値はずいぶんと見劣ってしまう。今の時代、これはいかがなものかと思うのだが。

急速に注目が高まっている安全装備に関しては、単眼カメラと近くの物体を検知するレーザーセンサーからの情報を基盤とした自立自動ブレーキ、“デュアルセンサーブレーキサポート”を搭載。さらに、コンパクトカーでは採用例がまだ少ない、遠くの物体を検知するミリ波レーダーからの情報を基盤にした、40㎞/h以上の速度域で機能する先行車追従型の“アダプティブクルーズコントロール”も採用されている。ちなみに、これらの安全装備から構成される“セーフティパッケージ”は、9万6120円のメーカーオプションで選択可能だ。

“デュアルカメラブレーキサポート”は、国が行うJNCAPの予防安全性能アセスメントの試験で、停止車両に対しては50㎞/hからの停止、日中の歩行者への対応が確認され、コンパクトカーとしてはトップクラスの自立自動ブレーキの性能を備えているので、スイフトを買うならぜひ装着をおススメする。

>>新型スズキ スイフトの詳細なデータを見たい方はこちら

新型スイフト実燃費レポート 1Lターボ vs. ハイブリッド|高速道路編

新型スイフトの高速道路での実燃費

ハイブリッドRS:22.6km/L

RSt:22.5km/L

スイフトの走りはほとんどの要因において、軽さがプラスに働いていることが印象的であった。

高速道路編においては主に動力性能についてお伝えしよう。

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【ハイブリッドRS 高速道路編】

ハイブリッドRSは常用域、高速道路本線への合流や追い越し加速を想定したアクセルを深く踏んだ際ともに「スルスルとスピードが乗る」といった印象で、1.3L級のガソリンエンジンを搭載するコンパクトカーの動力性能がほぼ横並びとなっている中で、スイフトだけ頭1つ抜けた速さを備えていると感じた。

エンジンのフィーリングも、低回転域から高回転域まで全域でトルクフルかつ、高回転域まで不快な騒音を出すことなく硬質なエンジン音を伴いながらシッカリ回るという好ましいタイプであった。常用域に限って作動する小型のモーターによるアシストは出力が小さいため、軽量なクルマほど分かりやすいという特徴を持つが、新型スイフトにおいても僅かであるが体感でき、効果を感じられた。なお、ハイブリッドRSの100㎞/h走行時のエンジン回転数は1900回転程度と、コンパクトカーとしては低いレベルに抑えられていた。

ハイブリッドRSの高速道路での走行安定性は、テストした日がアクアラインの橋の上で12mという強い風が吹いていたにも拘らず安定しており、いい意味での“重み”が感じられた。同時に、快適性という面でも、コンパクトカーとしては平均的な巡航中の静粛性も確保されており、軽量化のデメリットはないと断言できる。

高速道路ではセーフティパッケージに装備されるアダプティブクルーズコントロールも試してみたが、その完成度は今1つであった。

具体的に不満点を挙げるとすると、先行車に追従する際の加減速の頻度が多すぎ、スムースさに欠ける。まるで、運転があまり上手でない人の脇に同乗しているような印象だった。また、車間距離を一番短く設定しても実際の交通状況下では長過ぎる、といった点も挙げられる。

とはいえ、アダプティブクルーズコントロールは自動車専用道路での疲労軽減に絶大な効果を持つ便利な装備であるし、前述したように自立自動ブレーキの性能も高いので、繰り返しにはなるが、スイフトを購入する際にセーフティパッケージを装備しないという選択肢はないだろう。

ちなみに、セーフティパッケージにはコンパクトカーとしては珍しいアームレストが装備されるが、長距離を運転する身としては、やはり楽であった。

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【RSt(1Lターボ) 高速道路編】

RStも動力性能以外はハイブリッドRSとほぼ同じ印象であった。

その動力性能は、ダウンサイジングターボらしく低速から太いトルクを出しており、加速の際にはグイグイと車を引っ張り、高回転域もパワフル。すごく大きな差とまで言えないが、スペック通り1.2Lハイブリット以上の動力性能を備えていた。

エンジンのフィーリングは、3000回転以上だと3気筒エンジン特有のエンジン音が聞こえてくるが、3000回転域以下の常用域であればターボチャージャーで吸収されるところもあるのか、3気筒エンジンらしい音が聞こえない点も高く評価できる。なお、RStのトップギアとなる6速(AT)での100㎞/h走行時のエンジン回転数は2000回転。こちらもコンパクトカーとしては低く抑えられていた。

ハイブリッドRSとの違いは、アダプティブクルーズコントロールとの相性が挙げられる。さほど大きな差ではないが、RStは有段の6速ATを使うため、シフトチェンジの際に若干ローギアで引っ張り過ぎる傾向がある。その細かい差に関して言えば、ハイブリッドRSの方が少し良かったと言える。

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高速道路での燃費はハイブリッドRSが22.6㎞/L、RStが22.5㎞/Lと同等であった。

この燃費を、過去のデータがあるフィット、先代スイフト、ヴィッツ、デミオという1.3L級のガソリンエンジンを搭載するコンパクトカーと比較してみると、コンパクトカートップの数値を記録しており、新型スイフトの高速燃費の良さには、軽さが大きく貢献していると断言できる。

▼スズキ新型スイフト 実燃費ライバル比較(高速道路編)

新型スイフトとライバル車の燃費比較/高速道路編
車種名グレード実燃費カタログ燃費
新型スイフトハイブリッドRS22.6km/L27.4km/L
新型スイフトRSt22.5km/L20.0km/L
フィット1.3G21.9km/L24.4km/L
旧型スイフトXS-DJE21.8km/L26.4km/L
ヴィッツU21.1km/L25.0km/L
デミオSKYACTIV-G22.2km/L24.6km/L

※ライバル車のデータは、過去に行った燃費レポートから抜粋

>>ホンダ フィット 1.3G(ガソリンモデル)燃費レポート

>>スズキ スイフトXS-DJE(デュアルジェットエンジン) 燃費レポート

>>トヨタ ヴィッツ(2014年マイナーチェンジ)燃費レポート

>>マツダ デミオ [ガソリン車・4代目] 燃費レポート

新型スイフト実燃費レポート 1Lターボ vs. ハイブリッド|街乗り・市街地編

新型スイフトの街乗り・市街地での実燃費

ハイブリッドRS:17.7km/L

RSt:17.0km/L

街乗り・市街地編では、スイフトのドライバビリティ(運転のしやすさ)やアイドリングストップの印象などをお伝えしよう。

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【ハイブリッドRS 街乗り・市街地編】

ハイブリッドRSのドライバビリティは、高速燃費編で書いたように低速トルクの太さ、アクセル操作に比例するようにレスポンスするCVT、さらに小型モーターが僅かながらアシストすることが特徴だ。市街地なら2000回転以下で流れに乗れることに加え、巡航中にCVTの制御で極端にエンジン回転数を下げることもなく、非常に運転しやすい。

アイドリングストップは、13㎞/h以下のスピードでエンジンが停止するタイプだが、停止の際に「ガックン」という揺り返しを防ぐためにブレーキ踏力の調整をしても、不必要なアイドリングストップが起きることが少ないのは好ましい。また、新型スイフトのマイルドハイブリッドモデルに搭載されるアイドリングストップは、エンジン再始動をセルモーターではなくエンジンとベルトでつながったオルタネータで行うため、エンジン再始動の際に、音やショックが無く、再始動が素早い点も高く評価できる。

アイドリングストップの頻度は、テストした日の天候・交通状況(晴天/最高気温16度/若干の混雑)であれば、アイドリングストップする間もほぼエンジンは止まっており、燃費向上にかなり寄与していると言える。アイドリングストップ頻度の多さ、時間の長さには、助手席下に置かれる減速エネルギーを貯めるリチウムイオンバッテリーの採用も大きく貢献しているのではないだろうか。

また、アイドリングストップをしない(できない)理由や、アイドリングストップ後のエンジン再始動を伝えるインフォメーションが充実していることも、使いやすい点として高く評価できる。

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【RSt(1Lターボ) 街乗り・市街地編】

アイドリングストップが着かないターボRStも、低速トルクが太く、2000回転強くらいで流れに乗れ、ドライバビリティは良好だ。6速ATの印象は、変速はシフトアップは素早いが、シフトダウンはパドルを使ってもごく普通の早さ、トップギアの6速に入るタイミングはDレンジ、パドルともに65㎞/h程度と、全体的にはごく普通の有段ATといったところだった。

スイフトRSt最大の不満として挙げられるのが、先に述べたようにアイドリングストップが着かない点。3気筒エンジンなこともあり、アイドリング時には少なからず振動がある。それを軽減するためにアイドリングストップを着けるのは、選択肢の一つとしてあってもいいように思える。しかし、アイドリングストップの搭載にはトランスミッションの対応も必要なため、販売台数がそれほど多くない1Lターボに、そこまでするのは難しい選択肢なのかもしれない。

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市街地での燃費はハイブリッドRSが17.7㎞/L、RStが17.0㎞/Lを記録した。

燃費に関しては絶対値に加え、アイドリングストップがないRStの燃費がハイブリッドRSに肉薄したことが目を引く。これは交通状況がRStのテスト日の方が有利だったのもあるが、3気筒エンジンの効率の良さも証明する結果と言えるだろう。

市街地での燃費も過去データがある1.3L級のガソリンエンジンを搭載するコンパクトカーと比較すると、新型スイフトが市街地でも最新コンパクトカーに相応しい燃費性能を備えていることが分かっていただけると思う。

▼スズキ新型スイフト 実燃費ライバル比較(街乗り・市街地編)

新型スイフトとライバル車の燃費比較/街乗り・市街地編
車種名グレード実燃費カタログ燃費
新型スイフトハイブリッドRS17.7km/L27.4km/L
新型スイフトRSt17.0km/L20.0km/L
フィット1.3G18.0km/L24.4km/L
旧型スイフトXS-DJE15.5km/L26.4km/L
ヴィッツU16.2km/L25.0km/L
デミオSKYACTIV-G16.0km/L24.6km/L

※ライバル車のデータは、過去に行った燃費レポートから抜粋

新型スイフト実燃費レポート 1Lターボ vs. ハイブリッド|郊外路編

新型スイフトの郊外路での実燃費

ハイブリッドRS:20.3km/L

RSt:19.1km/L

郊外路は軽さが好影響を与え、新型スイフトの走りの良さが際立つ、最も輝いた走行シーンであった。

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【ハイブリッドRS 郊外路編】

ハイブリッドRSのハンドリングは、スイフト(英語で軽快、快速という意味)という車名にふさわしい俊敏なもので、軽さの好影響で軽快に曲がることが印象的であった。軽快さ以外で印象に残ったのは、ライントレース性の高さ(狙ったラインを走ることができる)と、ステアリングフィールの良さ(走行中のタイヤの状況がステアリングを通して分かりやい)くらいで、ステアリング操作に対する車の動きがシャープであるなどの飛び抜けた点はなく、「よくまとまった非常にレベルの高い“普通”」といったところであった。

しかしそれだけに、飽きを感じることなく長期間に渡って運転を楽しめそうな点や、シートの座り心地、エンジン音なども含め全体的に硬質な印象であることから、乗るほどにいい車に感じる点は、購入に踏み切るには十分な理由だと思う。

乗り心地は、日本車のコンパクトカートップと言っても過言ではない。ホイールベースの短いサイズの小さい車なので、前後に長い大きな路面の凹凸などでほんの少しだけ硬さや車が撥ねるようなこともあるが、路面の大きな凹凸を通過する際にも、上品な音を伴いながらサスペンションはよく動いており、柔らかすぎず硬すぎない印象であった。

そしてエンジンパワーは、日本の公道でも常識的な範囲で使い切れるという意味で適度なもので、先代スイフトRSはこの点で好評だったこともあり、“スイフトRS”の名を引き継ぐのに相応しく感じた。

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【RSt(1Lターボ) 郊外路編】

1Lターボを搭載するRStも、乗り心地に関してはハイブリッドRSとほぼ同じ印象。

あえて言えば、ハンドリングがハイブリッドRSよりほんの少し軽快に感じた点、乗り心地がハイブリッドRSよりほんの少し硬めである点、ワインディングロードだとRStの6速ATがハイブリッドRSのCVTに対しワイド(同じギアを使い続ける)な傾向となるせいか、直線でアクセルを深く踏んだ際とは異なりハイブリッドRSと同等のパワー感であったこと等が、ガソリンとハイブリッドの違いとして挙げられる。

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郊外路での燃費はハイブリッドRSが大台と言えるリッター20㎞を超える20.3㎞/L、RStもハイブリッドRSに近い19.1㎞/Lを記録した。

燃費自体はそれぞれ申し分ないが、過去データがある1.3L級のガソリンエンジンを搭載するコンパクトカーと比較してみると、コンパクトカートップクラスの数値であるが、フィットと先代スイフトとの差がちょっと気になるかもしれない。

要因としては、フィットは低速トルクが太くズバ抜けたドライバビリティ(運転のしやすさ)の良さを持っている点、先代スイフトに対しては、一定ではない交通の流れや天候の影響が考えられる。

▼スズキ新型スイフト 実燃費ライバル比較(郊外路編)

新型スイフトとライバル車の燃費比較/郊外路編
車種名グレード実燃費カタログ燃費
新型スイフトハイブリッドRS20.3km/L27.4km/L
新型スイフトRSt19.1km/L20.0km/L
フィット1.3G22.6km/L24.4km/L
旧型スイフトXS-DJE21.1km/L26.4km/L
ヴィッツU18.1km/L25.0km/L
デミオSKYACTIV-G18.7km/L24.6km/L

※ライバル車のデータは、過去に行った燃費レポートから抜粋

新型スイフト実燃費レポート 1Lターボ vs. ハイブリッド|総合評価

新型スイフトの総合実燃費

ハイブリッドRS:20.2km/L

RSt:19.6km/L

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新型スイフトは、下記の過去データがある1.3L級のガソリンエンジンを搭載するコンパクトカーとの総合実燃費の比較も含め、軽さが原動力となった走り、自立自動ブレーキの性能など全体的に、最新のド真ん中のコンパクトカーに相応しい仕上がりであった。

新型に対する数少ない不満を挙げるなら、1Lターボの販売戦略上のポジション。RStは、車両価格がほぼ同じ1.2Lマイルドハイブリッドに対して、ターボならではの動力性能の良さや、アイドリングストップなしで肉薄する実燃費、といった差別化はされているものの、実売価格では、1Lターボはエコカー減税に適応しないため1.2Lマイルドハイブリッドの方が安いなど、大きなメリットや購入理由はないというのが率直な印象でもある。

スズキとしても1Lターボは今のところ実験的なポジションと考えているのかもしれないが、今後同じエンジンを搭載するバレーノと同様に、ハイオク仕様にしてでも130馬力程度にでもパワーアップして動力性能、燃費、価格を高次元でバランスさせた仕様にするか、現状のままであれば価格を下げるなどしないと、単にマニアック、悪く言えばオタク車的な存在に埋もれてしまうのではないかと思う。

せっかく作った仕様なのだから今後の進化を期待したいところだ。 また、スイフト全体に対して欲を言うなら「何らかのもう少し強い個性が欲しい」とも感じるが、そこに関しては1.4Lあたりのターボエンジンを搭載すると噂されているスイフトスポーツの次期モデルが 応えてくれるのかもしれない。

▼スズキ新型スイフト 実燃費ライバル比較(総合)

新型スイフトとライバル車の燃費比較/総合
車種名グレード実燃費カタログ燃費
新型スイフトハイブリッドRS20.2km/L27.4km/L
新型スイフトRSt19.6km/L20.0km/L
フィット1.3G20.4km/L24.4km/L
旧型スイフトXS-DJE19.1km/L26.4km/L
ヴィッツU18.2km/L25.0km/L
デミオSKYACTIV-G18.9km/L24.6km/L

※ライバル車のデータは、過去に行った燃費レポートから抜粋

新型スズキ スイフト主要スペック[HYBRID RS & RSt]

スイフト 燃費テスト車両主要スペック
グレードHYBRID RSRSt
価格1,787,400円1,800,360円
駆動方式2WD2WD
トランスミッションCVT6AT
全長3,840mm3,840mm
全幅(車幅)1,695mm1,695mm
全高(車高)1,500mm1,500mm
ホイールベース2,450mm2,450mm
最低地上高120mm120mm
乗車定員5名5名
車両重量(車重)910kg930kg
エンジン種類直列4気筒+マイルドハイブリッド直列3気筒直噴ターボ
排気量1,242cc996cc
エンジン最大出力67kW(91PS)/6,000rpm72kW(102PS)/5,500rpm
エンジン最大トルク118N・m(12.0kg・m)/4,400rpm150N・m(15.3kg・m)/1,700-4,500rpm
モーター最大出力2.3kW(3.1PS)/1,000rpm--
モーター最大トルク50N・m(5.1kg・m)/100rpm--
燃料無鉛レギュラーガソリン無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量37L37L
タイヤサイズ185/55R16 83V185/55R16 83V

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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