ダンロップ エナセーブ RV504 試乗レポート/マリオ高野(3/3)

  • 筆者: マリオ 高野
  • カメラマン:住友ゴム工業株式会社/オートックワン編集部
ダンロップ エナセーブ RV504 試乗レポート/マリオ高野
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滑るように転がりながらも、相反するグリップ感に不思議な乗り味を感じる

エスクァイアとアルファードでは、高速道路での高速走行を中心に新旧比較。

Rのキツイ曲がりくねったコーナーが多い上にかなり起伏に富んでいるという、大柄なミニバンではもっとも走りたくないコースです。旧作RV503でも何ら問題はなく、実は普通に快適至極。旧作もいまだにレベルが高いことに感心したのですが、旧作のあとに新作RV504に乗ると、性能格差の大きさにビックリさせられました!

トヨタ アルファード(装着タイヤ:ダンロップ エナセーブ RV504)
トヨタ アルファード(装着タイヤ:ダンロップ エナセーブ RV504)

エスクァイアもアルファード(先代)も、「TRDのサスペンションを組みました」といわれてもそれが嘘だと見抜けないほど、足腰のしっかり感が増しているのです。

高速でのレーンチェンジでのレスポンスと収まりの良さと、高速コーナーで強めの横Gがかかったときの安定感はまったくの別物。

いかにも転がり抵抗の少ないノーフリクション感覚で路面の上をヒタヒタヒタ~っと滑るように転がりながら、その感覚に相反するハイグリップ感、路面に食いつく実感を伴うという不思議な乗り味に、タイヤの存在感を強烈に意識させられます。

さらには、速度を高めたときの「タイヤの丸さ」を強く実感できることに感動しました。欧州メーカーの高性能タイヤで高速を飛ばしたときに感じられるような「真円っぽさ」が感じられたのです。ダンロップは「NEO-T01」と呼ばれる独自のタイヤ新製法により、圧倒的に真円度の高いタイヤ作りを実現。

しかし、その技術は現状ではフラッグシップのランフラットタイヤにしか使われていないはずですが、真円を追求する意識の高さは現状のエナセーブシリーズにも強く反映されていることを実感したのでありました。

耐摩耗性は8%、編摩耗のしにくさは33%も向上しているとあります。こればっかりは実際に数千キロ以上の距離を走らないと何ともいえませんが、ダンロップのスタッドレスタイヤで摩耗テスト(丸1年履きっ放しで3万キロ走破)を実施した経験からすると、この数値はダンロップなら現実的であり、かつ信用して良いものであるといえるでしょう。

「エナセーブ RV504」は、「ミニバンの走りを良くしたい!」と望むミニバンユーザーの皆さんに、心から強くオススメしたいタイヤであります。

工場見学編

「エナセーブ RV504」の試乗会の翌日、ダンロップ(住友ゴム工業)の中心的なタイヤ生産拠点である「名古屋工場」にて、エナセーブRV504などの生産工程を見学することができました。

住友ゴムグループのタイヤ生産拠点は、国内だけでも北から福島県の白河工場、名古屋工場、大阪の泉大津工場、宮崎工場などがあり、ゴルフボールやOA機器用のゴム製品は兵庫県などで生産しています。

中でも最大規模を誇る名古屋工場は、1日に4万6000本もの生産能力を備え、操業は1961年と古く、モータースポーツ用のタイヤも生産しています。タイヤの生産を猛烈に簡単に説明すると、外側のトレッド部分、タイヤの本体部分となるカーカス、そしてカーカスの引っぱりを受け止める輪であるビードの3つの構成パーツをそれぞれ別個に生産し、のちに組み合わせて1個のタイヤとします。

まず、混練と呼ばれる工程で原料ゴム(天然ゴムや合成ゴム)とカーボン、その他の薬品を練り合わしたタイヤの素材となるゴムの練り物を作り、それから前述した3つの構成パーツを押し出し成形によって生産。それら3つの構成パーツを組み合わせたらトレッドパターンやサイド部分の刻印が施された金型に入れ、加熱と加圧を与えます。さらに、加硫と呼ばれる硫黄を加えることによる化学変化で強力な弾性のあるタイヤに仕上げるのです。

この間、ゴムの練り物の製造過程から厳正なチェックを経て、基準に満たないものは各工程でふるいにかけられ選別。最後には、熟練した工員が1本1本チェックをして出荷にいたるのですが、この最終チェック工程をはじめ、予想していた以上に要所要所で機械ではなく人の手で作業が行われていることが印象的でした。

やろうと思えばすべての工程を全自動の機械化とすることは可能だそうですが、特にチェックを要する工程では熟練した工員の経験や技術にゆだねるほうが好結果が得られやすいとのこと。ダンロップタイヤの生産工程においては、「職人の手による巧みのワザ」が重視されているのであります。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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