”攻勢”に転じた2017年のフォルクスワーゲン、中でも最も重要な「ゴルフ」がマイナーチェンジ
- 筆者: オートックワン 編集部
- カメラマン:オートックワン編集部・フォルクスワーゲン グループ ジャパン
国内で85万台を販売した超定番の輸入車「ゴルフ」がマイナーチェンジ
1975年の初代モデル導入から既に40数年が経過し、我々日本人の中にも定番の輸入車として根付いている ”Golf”。7代目となるフォルクスワーゲン ゴルフが2017年5月25日、マイナーチェンジを実施した。
初代以来、世界で累計3300万台以上、国内でも約85万台以上が販売されたゴルフ。現行型のデビューは2013年6月だ。輸入車としては初の快挙となる日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、華々しいスタートを切った。それから3年が経過。北米でのディーゼル車排ガス偽装の問題、そして輸入車の年間販売台数においてメルセデス・ベンツに1位の座を奪われるなど、フォルクスワーゲンを取り巻く環境は必ずしも順風とは言えない。しかしそれでもゴルフは確実に販売台数を重ねてきた。
2017年のフォルクスワーゲンは”反転攻勢”だ!
フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)では2016年、中期経営戦略「Road to 2020」を掲げ、2020年に向けてお客様対応品質及びお客様満足度(CS)の向上を目指している。そのロードマップは大きく3つにわかれる。
2016-2017(ステージ1)は”基礎強化”だったのに対し、2017-2018(ステージ2)は”反転攻勢”だとし、新商品の展開を進める年に位置付けた。
1月にフルモデルチェンジした新型ティグアン、4月にマイナーチェンジされた新型up!に続き、今回のゴルフのマイナーチェンジは、VGJ攻勢のためにも、非常に重要な役割を果たすことになる。
新型ゴルフのマイナーチェンジ、例えばフロントマスクが激変するような派手な刷新はされていないが、変更点は多岐にわたる。老舗定番ブランドの改良ポイントについて、順を追って紹介していこう。
メーター全面が12.3インチのカラー液晶ディスプレイになった!
インテリアではまず、メーターパネル内のデジタルメータークラスター”Active Info Display”(アクティブ・インフォ・ディスプレイ)が目をひく。これは同じフォルクスワーゲングループのアウディ車で先行採用されたバーチャルコックピットと同様のもので、メーター全面が大型12.3インチの高解像度カラーディスプレイになったものだ。フォルクスワーゲンでは新型パサートやティグアンに次ぐ採用となった。メーター表示に加え、インフォテイメントシステム”Discover Pro”と連携し、ナビ画面を中央に表示することもできる。
なおDiscover Pro自体もジェスチャーコントロール機能が新たに追加されている。こちらはフォルクスワーゲン車で初めての採用となった。
新型ゴルフRは30psアップの310psのハイパフォーマンスを手に入れた!
ゴルフ・ゴルフヴァリアントについてはパワートレインの大きな変更はないが、高性能モデル「ゴルフGTI」は+10ps(230ps)、「ゴルフR」は+30ps(310ps)とそれぞれ大幅に出力を向上。ゴルフRについては湿式7速DSGを新たに採用した。いっぽうで両スポーツモデルには6速MTモデルがしっかり用意されているのは嬉しいところだ。
発表会場では、ハッチバックの「ゴルフ」とステーションワゴンの「ゴルフヴァリアント」、クロスオーバータイプの「ゴルフオールトラック」、そしてスポーツモデルの「ゴルフGTI」「ゴルフR」といった新型ゴルフのラインナップが勢揃いした。
初の電気自動車”eゴルフ”とプラグインハイブリッド”GTE”が今秋導入決定
今後フォルクスワーゲンでは、さらにプラグインハイブリッドの「ゴルフGTE」と、100%電気自動車の「eゴルフ」も今年の秋(9月~10月頃の模様)には国内導入されるとのこと。
折しも、日産の電気自動車「リーフ」が年内のフルモデルチェンジの実施を予定するほか、米・テスラも手頃なボディサイズで予約殺到中のモデル3が2018年早々にも導入を開始しそう。日米独で最新EVがガチの対決となる。非常に楽しみなところだ。
またドイツ本国では発表済みで、既に海外試乗レポートでもお届けしているミラーサイクル”1.5TSI Evo”次世代エンジン搭載モデルの導入にも期待がかかる。ただし今回の発表会でこの件は触れられず、年内の日本導入はなさそうな雰囲気だった。
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[レポート:オートックワン編集部/Photo:オートックワン編集部・フォルクスワーゲン グループ ジャパン]
Volkswagen NEW Golf TSI Highline[FF] 主要諸元(スペック)
全長x全幅x全高:4265x1800x1480mm/ホイールベース:2635mm/車両重量:1320kg/乗車定員:5名/最小回転半径:5.2m/エンジン種類:直列4気筒 DOHC インタークーラー付ターボチャージャー TSI ガソリン直噴エンジン/総排気量:1394cc/最高出力:140ps(103kW)/4500-6000rpm/最大トルク:25.5kg-m(250Nm)/1500-3500rpm/トランスミッション:7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)/燃料消費率:18.1km/L(JC08モード燃費)/サスペンション形式:(前)マクファーソンストラット式(後)4リンク式/タイヤサイズ:225/45R17/メーカー希望小売価格:3,259,000円(消費税込)
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