新型クラウンは売れる?売れない?現行クラウンが抱えていた弱点を克服できたのか?

予約の段階ですでに4万台を受注か!?

2018年6月26日に発表となる新型クラウンの受注が好調だという。数字は不明ながら、様々な地域のディーラー情報を集めた推計によると、4万台規模に達している可能性大。

オートックワン編集部から「新型クラウンは売れるかどうかについて記事を書いてください」と依頼されたのだけれど、すでに売れている。

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営業マンが自信をもってオススメできる新型クラウン

トヨタ側も気合いが入っているようだ。クラウンの顧客を多く持つ東京トヨペット井荻店の副店長によれば、「普通なら新型車の勉強会は各ディーラーで1~2名が参加出来るワクを頂くのですが、新型クラウンの場合、営業担当全員をサーキットに呼んで試乗させてくれました」。

営業担当が「新型は凄く良い」というイメージを持って商談しているため、成約率も高いという。興味深いことに新型クラウンを発表した後も現行クラウンの試乗車を残しておくという。乗り比べて新型の良さを味わって貰いたいということのようだ。

いずれにしろ販売現場は元気いっぱいである。

新型クラウンは現行クラウンが抱えていた弱点を克服した

クルマとしてはどうか?

プロトタイプの試乗レポートで、ほとんど紹介されていないものの、現行クラウンが抱えていた(1)国際基準に届いていない衝突安全性(2)圧倒的に物足りない性能の自動ブレーキ(3)初期型は全く考慮されていなかった防犯性能。以上3つの大きな弱点を全て克服している。

衝突安全性能は世界トップレベルに進化

まず(1)の衝突安全性だけれど、新型クラウンは、レクサス LSと同じ基準の衝突安全性をクリアしている。

オフセット衝突の中で最も死亡率の高い「スモールオーバーラップ」(日本のオフセット衝突は車体幅の40%。アメリカでは25%という厳しい条件で行う)に対応してるということ。もちろん世界トップの水準だ。

新世代のトヨタセーフティセンス搭載で全方位でぶつからないクルマに

(2)の自動ブレーキもについても、2018年1月にマイチェンしたアルファード・ヴェルファイアから採用された新世代の『トヨタセーフティセンス』にグレードアップされた。

現時点で世界トップ水準の性能を持っており、月明かり程度の真っ暗な道路をロービームで走っていても歩行者を検知可能。その他、全方位の「ぶつからない性能」を持たせている。

車両盗難や車上荒らしに対応する高い防犯性

(3)の防犯性能だけれど、詳細が公表されていない『コネクテッド』に、強固なシステムを持たせているらしい。車両盗難だけでなく車上荒らし対応まで行っているというから有り難い。

事前受注情報によると、後付けのセキュリティシステムなら10万円覚悟しなければならないレベルのようだ。

ドイツ勢にも引けを取らないクルマに進化した新型クラウンは売れる!

総合的に判断すれば、現行クラウンはBMWやメルセデス・ベンツなど、世界の高級車と比べ大半の性能で負けていた。クラウンのブランドイメージに頼っていたと言い換えてもよかろう。

だが、新型クラウンであれば、輸入車に乗っていたユーザー層も「いいね!」と評価してくれるんじゃなかろうか。

ということで新型クラウン、売れると思います。

[TEXT:国沢光宏/PHOTO:茂呂幸正]

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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