新型レヴォーグデビュー目前!スバル 歴代レガシィワゴンを振り返る(3/3)

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「ぶつかならないクルマ!?」が話題となった5代目

5代目は2008年に登場。メインマーケットである北米の要望に応え、ボディサイズを大きく拡大。ゆとりある室内空間を確保したが、日本ではパッケージ重視のボクシーなデザインの変更も含めて否定的な意見も多かった。また、伝統のサッシュレスドアが廃止されたのも5代目からである。

先代+100kgと言う車両重量増加による動力性能低下を補うために、エンジンは2.0Lが廃止され2.5Lに、フラット6は3.0Lから3.6Lと排気量がアップされた。ただし、2.5Lターボは直下型ターボの採用によりフラットなトルクとターボらしからぬレスポンス、更には優れた環境性能を兼ね備えていた。また、2.5L-NAエンジンには新開発のCVT「リニアトロニック」を搭載。同クラスの2WDモデルに負けない燃費性能も自慢だった。

プラットフォームはスバル1000以来初となるエンジンマウント方法の変更に加え、マルチリンクからダブルウィッシュボーンに変更されたリアサスペンションを搭載した「SIシャシー」に変更。先代に比べて快適性は大きく向上したが、ハンドリングがやや大味になってしまったのも事実だ。

安全支援システムはデビューから1年後の年次改良でアイサイトの進化版となる「アイサイト・バージョン2」を導入。衝突回避性能がアップしたプリクラッシュブレーキと全車速追従機能付クルーズコントロール、AT誤発進抑制機能などを備えるが、導入時のキャッチコピー「ぶつかならないクルマ!?」が話題となり、日本での安全支援システムの普及のキッカケを作った事でも有名だ。

2012年のビックマイナーチェンジでは、エンジンを初代から続くEJから新世代ボクサーとなるFA/FBに変更。フラッグシップとなる2.0L直噴ターボ(FA20 DIT)は300ps/400Nmと歴代レガシィ最強スペックを誇った。フットワーク系も大きく手が加えられ、大味と言われたハンドリングから4代目を思い出すキビキビとしたスポーティな味付けを採用したものの、かつての人気を取り戻すことはできなかった。

6代目ではツーリングワゴンが廃止に

6代目は2014年に登場。より北米志向のモデルへ進化しているが、世界的なステーションワゴン人気の下落に伝統のツーリングワゴンは廃止、セダンのB4とクロスオーバーSUVのアウトバックのみの設定となった。ボディサイズは更に拡大。ただし、拡大分をデザイン代に使うことで、先代よりもスタイリッシュに仕上がっている。インテリアもデザイン/質感共に大きく引き上げられており、スバルのフラッグシップらしいプレステージ性も手に入れている。

エンジンはターボ、更にはフラット6が消え、2.5L-NA+CVTのみの設定に。ただしエンジン、CVT共に大きく手が加えられており、実用域のドライバビリティや燃費は向上している。プラットフォームは先代から継承されるが、ボディやサスペンション取り付け部の剛性アップ、サスペンションの最適化に加え、アウトバックの上級グレードには「スタブレックス・ライド」(ピストンスピードに応じて減衰力を最適化可能)などを採用。基本性能はもちろん、数値に表れにくい「動的質感」の部分もレベルアップしているものの、歴代レガシィが培ってきた「スポーツ性能」という面では、やや物足りなさが残るのも事実であった。

安全支援システムはアイサイトがバージョン3へと進化。これまでの機能の向上に加えて、カラー認識や操舵支援機能/車線中央維持機能などの新機能も追加。更に一部改良では、アイサイトの前方検知機能に加え、側方/後方のアシスト機能パッケージ化した「アドバンスドセーフティパッケージ」も追加設定されている。

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新型(2代目)レヴォーグや如何に!?

そして2019年、レガシィは7代目へと進化。現時点では北米向けのみで日本向けは6代目が継続販売されているが、そう遠くないタイミングで世代交代が行なわれるだろう。

一方、日本では2014年に登場したレヴォーグは「25年目のフルモデルチェンジ」のキーワードの通り、5代目までのレガシィの立ち位置を継承している。初代レヴォーグは4代目レガシィ並みの扱いやすいボディサイズ、2種類のターボエンジン、WRX譲りのフットワーク、アイサイト・ツーリングアシストなどが高く評価され、モデル末期となる現在も安定した販売台数をキープしている。

その2代目レヴォーグが、東京モーターショー2019で世界初公開される。詳細はまだ解らないが、かつて初代レガシィがそうだったようにエンジン/シャシー、更に安全支援システムも含め、全方位での刷新が行なわれるだろう。つまり初代レガシィから築き上げたグランドツーリング性能は、30年目に登場する2代目レヴォーグによって、さらに高いレベルへと引き上げられているに違いない!!

[筆者:山本 シンヤ/撮影:SUBARU]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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