日産 新型 スカイライン ターボ 200GT-t 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林岳夫
メルセデス・ベンツ製直噴ターボエンジンを積んだスカイラインがいよいよ登場
メルセデス・ベンツのエンジンを積んだ日産 新型 スカイライン ターボ「200GT-t」。ダイムラーとの業務提携が、商品開発でハッキリと示された。これまでも日産とルノーは、エンジンやAT、プラットフォームなどを共通化してきたが、あまり話題にならなかった。しかしメルセデス・ベンツはブランド性が高く、関心が寄せられている。
車両の詳細は、2014年5月26日に掲載した「日産 新型スカイラインターボ200GT-t新型車解説」で触れているので、最も気になる動力性能から述べてみたい。
350GTハイブリッドとの違いは?
ちなみにスカイラインには、V型6気筒の3.5リッターをベースにした350GTハイブリッドも用意される。このエンジン本体の最大トルクも35.7kgf-mだ。ハイブリッドはモーター駆動も加わって200GT-tよりもパワフルだが、さほど遜色はない。
ただし1500回転を下まわる領域では、駆動力が相対的に低下する。時速50~60km前後で巡航している時、緩い加速をするためにアクセルを踏み込むと、反応が緩慢に感じる場面があった。最近のターボ車に多い傾向でもある。
また、最高出力の発生回転数が5500回転になることもあり、高回転域の伸びもいまひとつ。アクセルペダルをいっぱいに踏み込んで加速すると、シフトアップは6000回転を超えた領域で行われるが、無理に回している感覚が伴う。
エンジンノイズは少し粗く、4気筒を意識させる。特に気になったのが、アイドリングストップでエンジンが停止した後、再始動する時だ。「ブルッ」と振動とノイズが伝わる。道路が混雑していて、頻繁に停止と始動を繰り返す状況では煩わしい。動力性能は十分だが、低回転域における駆動力の落ち込み、再始動時の振動とノイズは、もう少し抑えると良い。スカイラインは上級車種とあって、洗練度が大切だ。
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