日産 新型 スカイライン ターボ 200GT-t 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林岳夫
今風のアメリカンスポーティーセダンテイストだが
走行安定性と乗り心地のバランスは、国産Lサイズセダンでは優れた部類に入る。350GTハイブリッドと比べてもレベルが高い。操舵に対する反応は適度に機敏で車両の向きを変えやすく、なおかつ後輪が粘りしっかりと踏ん張る。積極的に走れば良く曲がり、不安を感じる場面では安定している。
ドイツ車ではBMWが機敏な部類だが、スカイラインの方が車両の向きが変わることを実感しやすい。表現を変えればBMW風の「しっとり感」が乏しく、前輪だけで向きを変えていく印象だが、スポーツ感覚は分かりやすい。
イメージとしては、「キャデラック ATS」など、今風のアメリカンスポーティーセダンに似ている。スカイラインは海外ではインフィニティQ50として販売され、もともとアメリカ指向だから当然でもあるが、日本ではBMWやメルセデス・ベンツが憧れのブランドだ。車両全体が滑らかに向きを変える感覚が好まれるだろう。
350GTハイブリッドのハンドリングに比べ、クセの強さは抑えられた
200GT-tの車両重量は、350GTハイブリッドに比べて100~120kg軽く、曲がる性能では有利になった。350GTハイブリッドは、200GT-tと同じく操舵に対する反応が機敏だが、危険回避を想定して旋回中にアクセルを閉じたりすると、最近登場したクルマの中では後輪の横滑りが大きい。シャシーの基本性能が高く、VDC(横滑り防止装置)も装着されて心配はいらないが、珍しい設定だ。開発者は「スポーティー感覚を分かりやすくするため、確信犯的にこのようなハンドリングにした」と言う。
このクセの強さが、200GT-tでは穏やかになった。前述のように良く曲がりながら、後輪がジワジワと滑る傾向はない。
裏付けになるのは前後輪の重量配分だ。350GTハイブリッドはV型6気筒、200GT-tは直列4気筒だから、350GTハイブリッドの前輪側が重いと思われるが、200GT-tもターボを装着するから車検証の記載値はあまり変わらない。30kg程度の増加にとどまる。
一方、後輪側は350GTハイブリッドが70kg重い。駆動用リチウムイオン電池を搭載するためで、搭載位置は後輪の中心点よりも後ろ側にある。前後輪の重量配分が均衡化されて通常は曲がりやすいが、旋回中に制動すれば後輪側の慣性が強まって前述のような後輪の接地不足が生じた。
ショックアブソーバーの減衰力などサスペンションの設定は、200GT-tは350GTハイブリッドよりも柔らかい。そして350GTハイブリッドでは、19インチタイヤ装着車をさらに硬めにしたが、200GT-tでは差を付けていない。
[次ページへ続く]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。