トヨタ新型クラウン2.5ハイブリッド実燃費レポート|見た目だけじゃない!?15回目の進化を検証してみた(2/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:小林岳夫・永田恵一
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トヨタ新型クラウン2.5ハイブリッド実燃費レポート|市街地編

新型クラウン2.5ハイブリッド 市街地での実燃費 16.9km/L

トヨタ新型クラウン実燃費レポート|市街地編
車種名市街地実燃費カタログ燃費(WLTCモード)

新型クラウン2.5ハイブリッド

16.9km/L

24.0km/L(17.2km/L)

先代初期型クラウンハイブリッド

15.1km/L

23.2km/L

現行カムリハイブリッド

23.4km/L

28.4km/L

新型クラウンの2.5リッターハイブリッドは市街地で16.9km/Lという、コンパクトカーのガソリン車並みの文句ない燃費を記録した。

今回は過去データがある先代クラウンの2.5リッターハイブリッド、そして同じ2.5リッターハイブリッドの現行カムリハイブリッドの実燃費も記載するが、車重が1.7トンを超えるラージセダンがこれだけの燃費を記録した要因は、熟成されつくした高効率のハイブリッドシステムにある。

さらに、新型クラウンの2.5リッターハイブリッドが搭載する2017年に登場した現行カムリと同じ、新世代エンジンの熱効率の高さにより、エンジンを使った発電の効率も高くEV走行距離も増え、結果的にエンジンの負担も減ったことが考えられる。

唯一のマイナスポイントはニッケル水素バッテリー

しいて改善できそうなポイントを挙げれば、新型クラウンの2.5リッターハイブリッドの駆動用バッテリーは、現在のトヨタのハイブリッドカーでは普及品といえるニッケル水素バッテリーを使っている点。

これがよりコンパクトで充放電性能に優れるリチウムイオンバッテリーになれば(現行カムリや新型クラウンの3.5リッターハイブリッドはリチウムイオンだ)、燃費や航続距離を伸ばすのに重要な要素である減速時の回生制動の効率が向上し、さらに燃費が向上するのではないかと思う。

市街地ではハイブリッドのスムーズさが際立つ

静かでスムースなハイブリッドであることもあり、市街地コースは新型クラウンの快適性の高さが際立つ走行シーンであった。

ハイブリッドシステムの動きは、今までのトヨタのハイブリッドカーと同様であるが

1.発進時は20km/h、バッテリーに余裕が30km/hあたりまでモーターでスタート

2.走行中はエンジンに加えモーターによるアシスト、EV走行を車がマネージメント

3.減速時は回生制動も使う

といった具合だ。

また、最高気温が30度以下だったテストした日の気候であれば、駆動用バッテリーで動く電動エアコンを使っていることもあり、停止中エアコンのためにエンジンが始動することもほとんどなく、このことも新型クラウンの快適性の高さに一役買っていた。

市街地で停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール(ACC)を試した印象は、レスポンスに優れるハイブリッドカーや電気自動車といった電動車とアダプティブクルーズコントロールの相性の良さもあり、発進や先行車の追従はスムースで高く評価できる。

しかし減速に関しては、新型クラウンと同じシステムを使う2017年にマイナーチェンジされたアルファード&ヴェルファイアと同様に、若干減速を始めるタイミングが遅く感じる傾向があった。この点に関してはまだ新しいシステムであることもあり、今後の熟成に期待したい。いずれにしても運転支援システムとして大変有難い装備であるのは間違いないところだ。

※メーカーではACCの一般道での使用は推奨していない

弱点はあるものの日本に根付いた高級車

新型クラウン最大の弱点かもしれないと感じたのが、2つあるモニターの下側を操作パネルとして使うカーナビであった。

新型クラウンは下側のモニターをエアコンや走行モード、カーナビの操作パネルとして使うのだが、カーナビの操作をする際には操作がワンクッション増えるのに加え、下側のモニターも大きくなく操作性は今一つであった(最初はカーナビをどう操作するのかすら分からなかったくらいだ)。

加えて上部のカーナビ画面が大きい訳でもなく、先代モデルまでのオーソドックスなカーナビの方が良かったというのが率直な印象だ。

市街地での取り回しに関しては、運転席からの見切りが良いこともあり、全長4910mmという大きめなサイズの割には運転しやすい。加えてロック板のあるコインパーキングなどでも、全幅が1800mmに抑えられているのが幸いし、過度な気遣いなく駐車できる点は、やはりクラウンが日本に根付いた高級車であることを再認識させられた。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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