autoc-one.jp 記事・レポート 新車情報 試乗レポート 【動画あり】三菱 新型デリカD:5 試乗│唯一無二のミニバンオフローダーは、選ぶ価値の高い1台

試乗レポート 2018/12/12 16:34

【動画あり】三菱 新型デリカD:5 試乗│唯一無二のミニバンオフローダーは、選ぶ価値の高い1台

関連: 三菱 デリカD:5 Text: 渡辺 陽一郎 Photo: 茂呂 幸正
三菱 新型デリカD:5
三菱 新型デリカD:5三菱 新型デリカD:5三菱 新型デリカD:5三菱 新型デリカD:5 URBAN GEAR画像ギャラリーはこちら

ミニバンながら“オフローダー”という独自の魅力を追求する、三菱を代表するモデル

三菱 新型デリカD:5

多人数乗車の可能なミニバンは、日本で人気の高いカテゴリーとされる。そこには主に2つのニーズがある。ひとつは車内の広い実用的なファミリーカーだ。多人数で移動できて、3列目のシートを畳めば自転車などの大きな荷物も積みやすい。収納設備が豊富で、子育て世代のユーザーに適する。

このタイプには、コンパクトミニバンであればトヨタ シエンタとホンダ フリード。ミドルサイズなら日産 セレナ、トヨタ ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ ステップワゴンなどが該当する。

その一方で、Lサイズのミニバンには、まったく違うニーズがある。背の高い大きなボディは存在感が強く、フロントマスクにはメッキグリルも装着されてかなり目立つ。広い車内は豪華に仕上げた。多人数乗車や自転車の積載も可能だが、それ以上に高級セダン的な価値を備える。このニーズに応えたのは、トヨタ アルファード&ヴェルファイア、人気は下がり気味だが日産 エルグランドがある。

こういったミニバンのあり方から距離を離し、独自の魅力を追求するのが三菱 デリカD:5だ。売れ筋は4WDで、メカニズムはアウトランダーの2.4リッターエンジン搭載車と同じだ。前後輪へ駆動力を配分する多板クラッチには、締結力を強めるロックモードを装着した。デリカD:5は、ミニバンの4WDの中では走破力が最も高い。

>>新型デリカD:5の内外装を画像でチェック

三菱 新型デリカD:5

またミニバンでは唯一のクリーンディーゼルターボも用意され、実用回転域の高い駆動力と燃料代の安さを両立させた。4WDとディーゼルの組み合わせで、デリカD:5はミニバンスタイルのSUVともいわれる。

発売から約12年を経過するが、1ヶ月に1000台少々が売られている。そこで今後も販売を続けるべく、先ごろビッグマイナーチェンジを実施した。

ただし改良されたのは4WDを備えるディーゼルのみだ。今は販売総数の90%をディーゼルが占めるので、ガソリンエンジンは従来型を継続生産する。

改良を受けた新型デリカD:5の詳細な解説は、2018年11月24日に掲載したので、今回は実際に試乗を行った。試乗車はプロトタイプ(試作車)になる。標準ボディとアーバンギアを用意するが、ディーゼルエンジン、足まわり、4WDなどの設定は全車共通だ。タイヤサイズも価格が最も安いMは16インチだが、ほかの売れ筋グレードはすべて18インチを履く。

一見ド派手なマスクも、実車を眺めるとそれほど違和感なし!?

三菱 新型デリカD:5三菱 新型デリカD:5 URBAN GEAR
三菱 新型デリカD:5

外観は写真で見ると奇抜な印象だが、実際に眺めるとそれほど違和感はない。標準ボディはフロントグリルがハニカム(蜂の巣)状で、ボディの前後には悪路でボディを守るスキッドプレート風のパーツを装着する。SUVのイメージに仕上げた。

アーバンギアはメッキグリルがシンプルな形状になり、ボディの前後にエアロバンパーを備える。スポーティな雰囲気が特徴だ。

車内に入ると、インパネの周辺が上質になった。ソフトパッドが多く使われ、ステッチ(縫い目)も施している。インパネの中央部分やATレバーの質感も高い。

ただし従来型が装着した助手席前側のアッパーボックスは廃止されている。便利な装備だから、開発者は残したいと考えて検討したが、質感の向上と両立させるのは難しかったという。

静粛性の増したエンジンと、高回転域が保ちやすくなったトランスミッション

三菱 新型デリカD:5

試乗を開始すると、まずエンジンノイズが以前に比べて静かになっている。今はマツダのディーゼルもノイズと振動が小さいから、新型デリカD:5が特に優秀なわけではないが、以前の少し騒がしい印象は薄れた。

動力性能も向上している。ビッグマイナーチェンジではエンジンにも改良を施し、ATは従来の6速から8速へ多段化したからだ。1000回転を少し超える領域で走っている時に、アクセルペダルを軽く踏み増しても、着実に速度を高める。1700回転付近からは加速が活発になり、2000~3500回転では、高い動力性能を発揮する。アクセル操作に対するエンジンの反応も機敏だ。この実用回転域の性能は、ノーマルタイプのガソリンエンジンでいえば、3.5リッターに匹敵する。

ディーゼルだから、ガソリンエンジンほど高回転域の吹き上がりは活発ではないが、それでも3900回転付近までは直線的に回る。エンジン回転の上昇が伸び悩む印象はない。ATが8速になったから、高い加速力が欲しいときには、高回転域を保てるようになったこともメリットだ。

操舵感、安定性、乗り心地、さまざまな性能がバランス良く向上

三菱 新型デリカD:5 URBAN GEAR

エンジンに併せて足まわりも改善を受け、走行安定性も向上している。まずカーブに入る手前でハンドルを切ったときの反応は、以前は少し曖昧だった。改良後はステアリングの支持剛性が高まり、ハンドル操作に対する車両の動きが正確になっている。ボディが重く背の高いミニバンだから、安定確保のために機敏な設定にはしていないが、鈍さが払拭されて運転がしやすい。これは走る楽しさも高める。

カーブに入った後の挙動も向上した。ボディがフラリと唐突に傾く不安感を抑えている。下り坂のカーブを曲がっている時に、例えばアクセルペダルを戻したりブレーキを踏むような操作を強いられても、進路を乱されにくい。挙動の変化が穏やかに進み、なおかつ後輪の接地性を高めたから、どっしりした安定感が生まれた。

大小のカーブが続く峠道を走った時は、外側のタイヤが踏ん張って旋回軌跡を拡大させにくい。スポーティに走る性格のクルマではないが、以前に比べて曲がりやすく安定性も高めたから、さらに安心して運転できる。

ホンダ オデッセイ、ステップワゴン、トヨタ アルファード&ヴェルファイアなどは安定性がさらに高いが、デリカD:5は悪路走破力も大切にしたから、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に余裕がある。全高は1875mmに達した。車両重量も、ディーゼルターボと4WDの搭載で1900kgを上まわる。その一方で全幅は1795mmに収まる。この重くて高重心のボディを考えれば、操舵感や走行安定性は上手にバランスされている。

乗り心地は、低い速度で荒れた路面を走ると硬めに感じるが、以前の重い18インチタイヤが路上を細かく跳ねるような粗さはない。つまり操舵感、安定性、乗り心地まで、さまざまな性能をバランス良く向上させた。

背景にはボディやサスペンションの改良がある。新しいエンジンと8速ATが搭載され、衝突安全性も高めたから、ボディの前側は骨格を変更した。ショックアブソーバーはリヤ側を含めて見直され、優れた効果をもたらしている。先代アウトランダーやギャランフォルティスから使い慣れたプラットフォームだから、的確なセッティングが行えたこともあるだろう。

悪路走破性は言わずもがな

三菱 新型デリカD:5

悪路も走ったが、4WDをロックモードに入れておけば、平然と走破していく。ディーゼルの実用回転域で発揮される高い駆動力も、悪路の走破に適する。

稀に空転が生じると、そのホイールだけに自動的にブレーキを作動させて空転を抑え、駆動力の伝達を確保する制御もある。これは改良を受けて綿密になった。過信や無理は禁物だが、これだけの走破力があれば、実用的には十分だろう。

設計の古さは否めないものの、そこも含め満足できたなら選ぶ価値の高いミニバン

三菱 新型デリカD:5

新しいデリカD:5のフロントマスクは賛否両論だと思うが、SUV的な悪路走破力が表現されている。「上級ミニバンに乗りたいが、アルファード&ヴェルファイアはちょっとイメージが合わない」と感じているユーザーにはピッタリだ。

念のために、アルファード&ヴェルファイア、ヴォクシー/ノア/エスクァイア、セレナなども乗り比べて判断すると良い。デリカD:5のディーゼルは、走りをフルモデルチェンジ並みに進化させたが、設計の古さを感じさせる部分も残るからだ。高い床による乗り降りのしにくさ、高い視線による左側面の大きな死角、重くて格納のしにくい3列目シートなどは、デリカD:5の欠点だから購入するなら必ず確認したい。

このあたりも含めて満足できたなら、選ぶ価値の高いミニバンといえるだろう。三菱車の持ち味を実感しやすい商品でもある。

[筆者:渡辺 陽一郎 撮影:茂呂 幸正]

三菱 新型デリカD:5 テストドライブ動画はこちらから

三菱 新型デリカD:5 主要諸元

三菱 新型デリカD:5 主要諸元
エンジン直列4気筒DOHCインタークーラーターボチャージャー付
駆動方式4WD
価格(消費税込)約385万円~約425万円(予定)
JC08モード燃費13.6km/L
全長4,800mm
全幅(車幅)1,795mm
全高(車高)1,875mm
ホイールベース2,850mm
乗車定員7~8人
車両重量(車重)1,930~1,960kg
排気量2,267cc
最高出力107kW(145ps)/3,500rpm
最大トルク380Nm/38.7kgf・m/2,000rpm
トランスミッション8速スポーツモードAT

この記事にコメントする

【お車の買い替えをご検討中の方へ】

■買い替えでよくある失敗にご注意!
車の乗り換えを行う際、よくある失敗はディーラーで営業マンから好条件を提示され、ハッキリした下取り価格を知らずに手放してしまうパターンです。一見好条件に見えても、実は下取り相場より安く、損をしてしまうことも。
■ネットで複数の買取相場をチェック!
ディーラーが高額な場合もありますが、車の買取に特化した買取店の方が高額査定を出せる場合が多いようです。ですから、あらかじめネットで愛車の下取り価格を取得しておくのは鉄則です。ただし一括査定サービスは、申し込むと大量の電話が掛かってきますからご注意ください。
■営業電話なしの【Ullo(ウーロ)】で快適に愛車を売ろう!
オートックワンの買取サービス「ウーロ」なら、一括査定と違って大量の営業電話は一切なし。パソコンやスマホ上で各社の買取店を一斉表示して、高額2社からのみ連絡を受けられます。

三菱 デリカD:5 の関連編集記事

三菱 デリカD:5の新車記事の一覧。新型車や注目の自動車の解説記事、試乗レポートなど、オートックワンがお届けする最新の自動車記事をご覧になれます。

三菱 デリカD:5 の関連ニュース

オートックワン公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック! オートックワン公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!
オートックワンのおすすめ特集
編集企画(パーツ・用品)PR