レクサス RC F 試乗【前編】|大幅に進化した“サーキットマシン”を富士スピードウェイで試す!(1/3)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:和田 清志
改良されたRC Fの実力を富士スピードウェイで試す!
レクサスのスポーツアイコンであるRCシリーズ。そのサーキットをも視野に捕らえたモデル「RC F」が2019年5月にマイナーチェンジを果たし、これをお膝元サーキットである富士スピードウェイで試乗することができた。
また2018年末に先んじて改良されたRCは、公道での試乗を行った。
>>RC Fの内外装を画像で見る[26枚]
RC FのFは“FUJI”のF
RC FのFは“FUJI”のF。つまり富士スピードウェイの名を冠した、サーキットを走れるスポーツカーであることがRC F最大の存在意義となっている。
ただし前期型RC Fにとっては、レクサス初のスポーツモデル「IS F」から走りの命となるV8ユニットを受け継ぎ、4ドアセダンから2ドアクーペへと進化することがまず何よりの命題であり、そのシャシー性能を煮詰めるまでには、正直至っていなかった感がある。
というのも筆者はこの前期型RC Fとは浅からず縁があり、1年以上の歳月をかけて初期モデルをベースにクラブスポーツ的な一台を仕立てた経験があるのだ。
そのとき感じたのは、ずばり「重さ」と、それによる「曲がらなさ」だった。
一方で、5リッターの排気量を持つ自然吸気「2UR」ユニットの出来映えは、本当に素晴らしかった。ライバルたちのダウンサイジングターボ化が進むなか、よくぞ自然吸気で踏ん張ってくれたと思った。
RC Fの使命は“走り”で魅了し続けること
もしRC Fがサーキットにこだわらなければ、話はもっとシンプルだったはずだ。これをラグジュアリーカー的に乗りこなすだけならば最高に気持ち良く、快適で、カッコの良いスポーツカーとしてその命をまっとうできるのにとは、何度も思った。そしてこの考え方は、「LC」に受け継がれた。
つまりこのV8エンジンを積み、サーキットを走るからこそのRC“F”なのだ。だったらこのエンジンを搭載して、曲げてやる! と奮起したが、ダンパー&スプリングをいじくり回すだけでは、根本的な解決にはなり得なかった。
そうした実状は、レクサス自身が一番よく分かっていたことだろう。
だからこそ開発陣は毎年RC Fに地道な小改良を施し続け、遂に今回メーカーにしかなし得ない大がかりなマイナーチェンジを実行したと思うのである。
というわけでここからは、インプレッションを交えながらその進化を紹介して行こう。
>>相変わらず最高の自然吸気エンジン [次ページへ続く]
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