長らくモデルチェンジされていない“あのクルマ” 今後どうなる? “自動車マニア”に聞いてみた

音沙汰なく淡々とラインナップされているモデル…今後を予想してみた

国産車のモデルサイクルはおおよそ5年前後で、間に数回のマイナーチェンジを挟みつつ、フルモデルチェンジを行うというのが一般的なスパンと言われている。といっても、すべての車種が新型にフルモデルチェンジをするわけではなく、不人気な車種などは新型車になることなく終焉を迎えたり、他の近い車種に統合されて消えたりすることもあるのはご存知の通りだ。

しかし、そんな国産車の中でもフルモデルチェンジをするわけでもなく、かといって販売終了するわけでもなく、淡々とラインナップに存在し続ける車種も存在している。今回はそんな“今後が不透明な現行車種”をピックアップして、どうなるのかを独断と偏見で想像してみたい。

>>コレが未来のエスティマ!? コンセプトモデルを画像で見る[15枚]

トヨタ エスティマ(2006年デビュー)

「トヨタの天才タマゴ」という印象的なキャッチコピーで1990年に登場したエスティマ。初代モデルはエンジンを床下(ミッドシップ)に搭載し、広い室内空間に3列シートというパッケージの素晴らしさを世に知らしめた紛れもない名車だった。

そんなエスティマも現行モデルは3世代目となり、そのデビューは2006年と今から13年も前のことだ。スタイリングこそ初代のイメージを受け継いだワンモーションフォルムではあるものの、レイアウトは2代目からフロントエンジンフロントドライブの一般的なものとなり、初代のようなセンセーショナルさは失われている。

登場から10年目の2016年にはビッグマイナーチェンジを実施し、エクステリアを大幅に変更したほか、先進安全装備である「Toyota Safety Sense C」を全車に標準装備するなど、時代に即したアップデートはなされているものの、同価格帯に基本設計も新しいアルファード/ヴェルファイアという超人気車種があるため、販売面で苦戦していることは想像に難くない。

新型が出るとしたら燃料電池自動車となって登場?

そんなエスティマがフルモデルチェンジをするとするならば、2017年の東京モーターショーに登場した「Fine-Comfort Ride」のような燃料電池自動車(FCV)専用車としての道ではないだろうか。

Fine-Comfort Rideも3列シートレイアウトを持っていたが、全高は1650mmと一般的なミニバンよりも低くなっており、エスティマのシルエットに近いものとなっているのである。

日産 キューブ(2008年デビュー)

英語で立方体を意味する“CUBE”(キューブ)という名前を持った同車は、2代目のマーチをベースに1998年に登場した。キューブのシンプルかつボクシーなスタイルは若い世代を中心に人気を博し、オーテックが手掛けるカスタマイズモデルの「ライダー」が登場したのもこのキューブが始まりだった。

2002年には箱型のスタイルはキープしたまま、かわいらしさをプラスした外装デザインとなり、跳ね上げ式だったリアゲートを横開き式に変更。それに伴って左右のデザインが非対称という独創的なスタイルを実現していた。さらに派生車種としてホイールベースを延長し、3列シート仕様とした「キューブキュービック」も登場。3列目はエマージェンシー用程度のスペースだったが、いざという時に+2人乗れるというコンセプトはスマッシュヒットを記録している。

そして現行モデルとなる3代目が登場したのが2008年のこと。立方体スタイルながら、極力曲線を使用したスタイルはデビューから11年が経過した現在でも古臭さを感じることはないし、豊富な内装色やマテリアルなど、選ぶ楽しみはまだまだ現役。しかし、先進安全装備が備わらないなど、今から新車で購入するのには二の足を踏んでしまうというのもまた事実だ。

e-POWERやスライドドアなどを搭載したら売れるのでは!?

とはいえ、見切りの良いスタイルや室内空間の広さを持つキューブをなくしてしまうのは惜しいところ。そこで日産自慢のe-POWERユニットを搭載したモデルや、思い切ってスライドドアを備えたモデルとしてフルモデルチェンジをするというのはどうだろうか。

すでにラフェスタも消滅し、セレナよりもコンパクトなスライドドア車がない日産(NV200 バネットワゴンはあるが)のラインナップを埋めるには持ってこいではないだろうか。

日産 NV150 AD(2006年デビュー)

最後にご紹介するのは日産の小型商用車、いわゆるライトバンと言われるタイプの「NV150 AD」だ。昔を知る人には「ADバン」と言ったほうが分かりやすいかもしれない。そんなNV150 ADも、名前が変わる前のADバン時代も含めて2006年から現行型が販売されている。

元々はステーションワゴンのウイングロードの商用車版として誕生しているが、荷室スペースをより広く採るためにリアサスペンションを専用のものに変更するなど、商用車としての資質をアップさせるべく手が加えられているのだ。

2016年のマイナーチェンジでは名前をNV150 ADと改め、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などを標準装備とする仕様向上を果たしている一方で、ベースとなったウイングロードは放置プレイ。結局、2018年3月で販売を終了してしまっている。

つまり、NV150 ADのベースとなる車種がすでに消滅してしまっており、新型車の登場は非常に厳しいという他ない。実はNV150ADは三菱へ「ランサーカーゴ」として、マツダへ「ファミリアバン」としてOEM供給しており、全体的な販売台数はまあまあの数だったのだが、マツダがトヨタと提携したことでファミリアバンのベースがプロボックスとなり、ランサーカーゴも終売となったことで販売台数の減少は避けられない状況なのだ。

すでにこのクラスのライトバンでなければならない、というユーザーも減少しているようなので、新型が登場する可能性は極めて低いのではないかと推察されるのが現状である。

[筆者:小鮒 康一]

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

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