CX-3/ヴェゼル/XVを徹底比較 ~ディーゼル vs ハイブリッド 人気の低燃費コンパクトSUV~(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
各ブランドからコンパクトSUV3車種が出そろった
最近はSUVが人気だ。
マツダはCX-5に続いてコンパクトなCX-3を発売した。CX-3が搭載するエンジンはクリーンディーゼルターボのみという潔いラインナップだが、堅調に販売台数を伸ばしている。
今回はライバル車であるホンダ ヴェゼルハイブリッド、スバル XVハイブリッドの3車種を比べてみたい。 奇しくも、ディーゼル vs ハイブリッドで、いずれも人気の低燃費コンパクトSUVだ。
クルマには軽自動車、ミニバン、セダンなど複数のジャンルがあるが、SUVの定義は曖昧だ。かつては「悪路の走破力を重視した4WD」とされたが、今は悪路のイメージが薄れた。
過去を振り返れば1982年に三菱から初代パジェロが登場して、4駆(ヨンク/4輪駆動の意味)がブームになった。
この時は悪路向けのトヨタ ランドクルーザー、日産 テラノなどのオフロードSUVが主役だったが、1994年にトヨタ RAV4、1995年にホンダ CR-Vなどが登場すると流れが変わった。オフロードSUVは悪路が得意な半面、高重心で重いボディは舗装路での安定性に不満が生じやすい。小回り性能や燃費も良くない。日本では悪路を走る機会も少ないから、売れ筋がRAV4やCR-Vなどのシティ派にシフトした。
そして2010年に日産 ジュークが登場するとコンパクトSUVが注目され、2012年のXV、2013年のヴェゼルと人気車の発売が続いた。
ちなみにジュークの駆動方式は、大半のグレードが前輪駆動の2WDだ。4WDは1.6リッターのターボに限られる。ヴェゼルも発売時点では、ノーマルエンジンで4WDを選べるのは安価な「G」のみであった。もはや4WDはSUVの必要条件ではない。
なので、今日のSUVは、背が少し高く、サイズが比較的大きなタイヤを装着した5ドアハッチバック(あるいはワゴン)と考えても良いだろう。
そして機能的には、後席を含めて居住性を確保しやすく、ボディの後部にリアゲートがあるから荷物も収納しやすい。スポーティクーペは外観の個性と引き替えに実用性が低下するが、SUVなら両立が可能だ。この好都合が受けて人気を高めた。
コンパクトなSUVは日本で使いやすく、「小さなクルマに代替えしても存在感を失いたくない」と考えるダウンサイジングのニーズにもマッチする。今の市場動向を的確にとらえたのがコンパクトなシティ派SUVといえるだろう。
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