【2024年】トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアの買い得グレードは新型アルファードのハイブリッドZグレードだ! 人気高くすでに受注停止も

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:望月達也(MOTA編集部)/トヨタ自動車

快適な新型アルファード、スポーティな新型ヴェルファイアとキャラクターの違いを明確に分けた

以前は、アルファードはトヨペット店、ヴェルファイアはネッツ店が扱っていましたが、2020年5月以降は、トヨタの全店がすべての車種を販売しています。

全店ですべての車種が購入できるということは、今後は姉妹車を用意する必要もなくなります。そのため、新型モデルの開発段階ではアルファードに統合してヴェルファイアを廃止することも考えられていましたが、最終的には新型ノア&新型ヴォクシーと同様、新型アルファード、新型ヴェルファイアという姉妹車のラインナップが継続されました。

ただしすべての店舗が新型アルファードと新型ヴェルファイアを両方とも販売するため、車両の性格が明確に分けられました。

新型アルファードは、外観や足まわりの設定が上級ミニバンらしく快適性が重視されています。一方、新型ヴェルファイアは個性派で、ミニバンながらも適度に良く曲がるワゴン風のスポーティな運転感覚が追求されました。

新型アルファードと新型ヴェルファイアの基本スペック・価格表

新型アルファード

グレードパワートレーントランスミッション駆動価格(税込)

Z

2.5L ガソリンエンジン(2AR-FE)

Super CVT-i

2WD(FF)

540万円

4WD

559万8000円

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

620万円

E-Four

642万円

Executive Lounge

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

850万円

電気式無段変速機

E-Four

872万円

新型ヴェルファイア

グレードパワートレーントランスミッション駆動価格(税込)

Z Premier

2.4L ターボエンジン(T24A-FTS)

Direct Shift-8AT

2WD(FF)

655万円

4WD

674万8000円

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

690万円

E-Four

712万円

Executive Lounge

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

870万円

E-Four

892万円

新型アルファードのグレード構成は、新型アルファードが直列4気筒2.5Lのノーマルエンジンを搭載するZと、2.5LハイブリッドのZ、2.5Lハイブリッドのエグゼクティブラウンジを設定しています。

福祉車両のGサイドリフトアップシート車も用意され、このパワーユニットは、ノーマルエンジンとハイブリッドです。

新型ヴェルファイアは、2.5Lノーマルエンジンの代わりにパワフルな2.4Lターボを搭載するZプレミア、2.5LハイブリッドのZプレミア、同じく2.5Lハイブリッドのエグゼクティブラウンジがあります。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの外観デザイン、ボディサイズ

車種全長全幅全高ホイールベース

新型アルファード

4995mm

1850mm

1935mm

3000mm

新型ヴェルファイア

1945mm

新型アルファード、新型ヴェルファイアの外観を見てみましょう。新型アルファードのフロントマスクは、従来と同じく仮面のような形状で、メッキを散りばめていることから迫力が感じられ、存在感が強いです。新型ヴェルファイアのフロントマスクは光沢のあるブラックで精悍な雰囲気が感じられます。

新型アルファード、新型ヴェルファイアのボディサイズは、両車ともに全長が4995mm、全幅は1850mmで、全高は新型アルファードが1935mm、新型ヴェルファイアは1945mmです。

先代型に比べると、全長は45mmほど長いですが、全幅とホイールベース(前輪と後輪の間隔)の3000mmは同じです。

注意したいのは最小回転半径で、新型では両車とも5.9mになりました。先代型の5.6〜5.8mに比べて大回りです。その代わりサイドウィンドウの前側に設置された三角形のマドを拡大するなど、視界を向上させました。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの内装

新型アルファード、新型ヴェルファイアの内装はインパネに特徴があり、左右のドアまで囲うようにつながっており、前席を包み込むように設定されています。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの内装は先代型以上に上質で、新型アルファードはステッチ(縫い目)の入れ方も派手ですので、高級感が分かりやすいです。

新型ヴェルファイアはブラック基調で少し渋いようにも感じられます。インパネの中央に装着されたモニター画面は、先代型は10.5インチでしたが、新型では両車とも14インチに大型化されました。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの前席の中央には大型センターコンソールボックスも装着され、車内の移動はしにくいですが、セダン風で豪華に見えます。

特に新型のATレバーは、従来のミニバンではよく見られるインパネの位置から離れてドライバー側へ移動されており、セダンに近い配置です。

新型アルファード、新型ヴェルファイアのシート

新型アルファード、新型ヴェルファイアのシート生地は、車種とグレードで異なります。

新型アルファードは、Zグレードが合成皮革で、エグゼクティブラウンジがプレミアムナッパ本革です。新型ヴェルファイアは、すべてのグレードにプレミアムナッパ本革のシート生地が採用されています。

2列目シートは、新型アルファード Zグレードと新型ヴェルファイア Zプレミアグレードは、エグゼクティブパワーシートになります。大型アームレスト、足を支える電動オットマン、ベンチレーション機能、530mmのスライド機能などが備わっており、豪華で座り心地も快適です。

新型アルファード、新型ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジになると、2列目がエグゼクティブラウンジシートに上級化されます。前後のスライド機能が電動式となり、背中から大腿部を押して適度な刺激を与えるリフレッシュ機能、回転格納式テーブルなども加わり一層快適です。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの3列目は先代型と同様、座り心地が良くないです。頭上と足元には十分な空間がありますが、床と座面の間隔が不足して、柔軟性もいま一歩です。腰の支え方も向上させる余地があります。

開発者は「開発の過程では座り心地の改善も検討しましたが、サイズが拡大して格納性も悪化するため困難でした」とコメントしています。その代わり、3列めシートを左右に跳ね上げて格納すると広い荷室になります。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの燃費、エンジン

新型アルファードの燃費

グレードWLTCモード市街地モード郊外モード高速道路モード

Z(ガソリン車・2WD)

10.6km/L

7.2km/L

11.3km/L

12.6km/L

Z(ガソリン車・4WD)

10.3km/L

7.1km/L

11.0km/L

12.2km/L

Z(ハイブリッド車・2WD)

17.7km/L

15.6km/L

19.3km/L

17.8km/L

Z(ハイブリッド車・E-Four)

16.7km/L

14.4km/L

18.1km/L

17.0km/L

エグゼクティブラウンジ(2WD)

17.5km/L

15.3km/L

19.0km/L

17.6km/L

エグゼクティブラウンジ(E-Four)

16.5km/L

14.2km/L

17.8km/L

16.9km/L

新型ヴェルファイアの燃費

グレードWLTCモード市街地モード郊外モード高速道路モード

Zプレミア(ガソリン車・2WD)

10.3km/L

7.1km/L

10.6km/L

12.6km/L

Zプレミア(ガソリン車・4WD)

10.2km/L

7.3km/L

10.1km/L

12.2km/L

Zプレミア(ハイブリッド車・2WD)

17.7km/L

15.6km/L

19.3km/L

17.8km/L

Zプレミア(ハイブリッド車・E-Four)

16.7km/L

14.4km/L

18.1km/L

17.0km/L

エグゼクティブラウンジ(2WD)

17.5km/L

15.3km/L

19.0km/L

17.6km/L

エグゼクティブラウンジ(E-Four)

16.5km/L

14.2km/L

17.8km/L

16.9km/L

新型アルファード、新型ヴェルファイアのエンジンスペック

エンジンタイプ最高出力最大トルク

新型アルファード(2.5Lガソリンエンジン)

182馬力/6000rpm

235Nm/4100rpm

新型ヴェルファイア(2.4Lターボエンジン)

279馬力/6000rpm

430Nm/1700〜3600rpm

ハイブリッド(新型アルファード、新型ヴェルファイア共通)

190馬力/6000rpm

236Nm/4300〜4500rpm

新型アルファード、新型ヴェルファイアのパワーユニットは、先に述べた通り3種類です。

新型アルファードZに採用される2.5Lノーマルエンジンは価格の安さも考慮して、最高出力は182馬力、最大トルクは24kg-mなので先代型とほぼ同じです。2WDのWLTCモード燃費は10.6km/Lです。

新型ヴェルファイアZプレミアの2.4Lターボは、以前のV型6気筒3.5Lエンジンの後継に位置付けられ、最高出力は279馬力、最大トルクは43.8kg-mと強力です。プレミアムガソリン(ハイオク)を使いますが、2WDのWLTCモード燃費は10.3km/Lですので、動力性能を高めながらアルファードの2.5Lエンジンに近い燃費を実現しました。

おすすめは2.5Lハイブリッドエンジン搭載の新型アルファード Zグレードと新型ヴェルファイア Zプレミアグレード、エグゼクティブラウンジだ

新型アルファード Zグレード、新型ヴェルファイア Zプレミアグレード、新型アルファードと新型ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジに搭載される、最も推奨度の高いパワーユニットは2.5Lハイブリッドです。

先代型に比べてエンジンの作りが新しく、エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は、レギュラーガソリンを使って250馬力に達します。

この数値は、同型のハイブリッドを搭載するトヨタ 新型クラウンクロスオーバーの234馬力、プレミアムガソリンを使うレクサス 新型NXの243馬力を上まわります。しかも2WDのWLTCモード燃費も、ZグレードやZプレミアグレードが17.7km/Lと優秀です。

新型アルファード、新型ヴェルファイアのプラットフォームは、トヨタ カムリやハリアーなどと同じGA-Kと呼ばれるタイプで、ボディの各部を入念に補強して剛性を高めました。ボディ後部の底面には、V字型の補強材も追加されています。

新型アルファード、新型ヴェルファイアのタイヤサイズ

車両の性格として、新型アルファードは前述の通り上級ミニバンらしい快適性を重視しました。標準装着されるタイヤサイズも、Zグレードが18インチ、エグゼクティブラウンジは17インチで、足まわりの設定も乗り心地を優先しています。

新型ヴェルファイアはスポーティな運転感覚に仕上げるため、エグゼクティブラウンジも含めて、全グレードに19インチタイヤが標準装着されました。

一般的に、タイヤサイズが大きく、つまり大径になればなるほど偏平率が低く、タイヤは薄くなります。偏平率の低いタイヤは、ゴム部分が薄くなるため、タイヤのたわみやよじれが少なくなります。そうするとタイヤの剛性が高くなるので、ダイレクトなハンドリング操作を堪能することができ、走行性能を高めることにもつながります。

それだけでなく、ドレスアップの効果もあります。

新型アルファードが装着しない、ボディの剛性を高める補強材のフロントパフォーマンスブレースも新型ヴェルファイアには備わっており、ステアリング操作をした時の反応が高められています。ショックアブソーバーの減衰力も、新型アルファードに比べて高く、走行性能を考えられた設定となっています。

一般的には、ひとつの車種に、乗り心地重視とスポーティ指向という2種類のグレードを用意することが多いです。先代アルファードにも、16/17インチタイヤの標準ボディと、18インチタイヤのエアロ仕様がありました。ホンダ 新型N-BOXのような軽自動車も、標準ボディとカスタムに大別されます。

そこが新型アルファードと新型ヴェルファイアでは、前者が乗り心地重視、後者はスポーティ指向と車種によって区分されたため、タイヤサイズ/フロントパフォーマンスブレースの有無/ショックアブソーバーの設定も異なっています。

新型アルファードは19インチタイヤを合わせづらい?|新型アルファードのカスタム事情

しかし「人気のアルファードに19インチタイヤを履かせたい」と考えるユーザーもいるでしょう。

そこで新型アルファードのエグゼクティブラウンジには、19インチタイヤもオプション設定されましたが、足まわりの設定は変わらずフロントパフォーマンスブレースも装着されません。

乗り心地が重視されている新型アルファードでは、19インチタイヤとの親和性が新型ヴェルファイアに比べて劣ります。19インチが欲しいなら新型ヴェルファイアにすべきでしょう。

ディーラーオプションの20インチを装着する場合も、足まわりが変わらないので新型ヴェルファイアを推奨します。

新型アルファード・ヴェルファイアのレビュー・評価

外観

4.0

★★★★☆

内装・居住性

5.0

★★★★★

走行性能

4.0

★★★★☆

運転のしやすさ

2.0

★★☆☆☆

乗り心地

5.0

★★★★★

燃費

3.0

★★★☆☆

価格の割安度

3.0

★★★☆☆

良かった点

・内外装が上質で新型アルファードは乗り心地も快適

・ハイブリッドは動力性能と低燃費を高次元で両立させた

気になった点

・3列目のシートは座り心地に不満があり、小回りの利きも悪化した

・今は高価格の上級グレードのみが設定され受注を停止した地域も多い

新型アルファード、新型ヴェルファイアの買い得グレード

買い得グレード:新型アルファードのハイブリッドZ(620万円)

新型アルファード、新型ヴェルファイアともに価格は高く、一番安い2.5Lノーマルエンジンの新型アルファード Zグレードでも540万円です。納期の遅延を避けるため、現時点ではベーシックなグレードを選べないからです。安価な仕様が欲しい場合は、購入時期を遅らせる必要があります。

新型アルファードのZグレード同士で2.5Lノーマルエンジンとハイブリッドを比べると、ハイブリッドが80万円高いですが(1500Wの電源供給機能を含む)、税額は約19万円下まわります。従って実質価格差は61万円です。

レギュラーガソリン価格が1L当たり160円として計算すると、実質価格差を燃料代の差額で取り戻せるのは10万kmを走ったころです。それでもハイブリッドは動力性能にも余裕があってノイズも小さいため、走りの良さや快適性で選ぶ価値が高まります。

つまり買い得グレードは新型アルファードのハイブリッドZグレード(620万円)で、予算に応じてノーマルエンジンのZグレード(540万円)も検討しましょう。新型ヴェルファイアは本革シートの装着などによって価格が高く設定されているので、買い得ではありません。

先代アルファード、先代ヴェルファイアオーナーは試乗してから購入を検討したい

先代アルファード、先代ヴェルファイア

そして新型アルファード、新型ヴェルファイアの価値は走りの良さにあるので、先代アルファード&ヴェルファイアから乗り替える時も試乗が不可欠です。

車内の広さなどは大差ないため、新型アルファード、新型ヴェルファイアの走りにあまり魅力を感じない時は、乗り替えずに先代型を使い続ける方法もあります。

新型アルファード、新型ヴェルファイアの受注はすでに終了している販売会社もある

新型アルファードと新型ヴェルファイアの受注状況ですが、既に終了している販売会社が増えています。

「受注を開始したら、即行で注文を入れてくれ」と販売店に頼んでいたユーザーも多いためです。受注再開の時期は未定です。新型車でありながら、購入しにくいクルマになっているのが残念です。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:望月 達也(MOTA編集部)/トヨタ自動車】

トヨタ/アルファード
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新車価格:
540万円872万円
中古価格:
30.1万円2,317.3万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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