【2023年】新型アルファード&新型ヴェルファイアに試乗して分かった運転感覚や注意点、最新の納期情報までまとめて解説

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアの外観

新型アルファード

グレードパワートレーントランスミッション駆動価格(税込)

Z

2.5L ガソリンエンジン(2AR-FE)

Super CVT-i

2WD(FF)

540万円

4WD

559万8000円

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

620万円

E-Four

642万円

Executive Lounge

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

850万円

電気式無段変速機

E-Four

872万円

新型ヴェルファイア

グレードパワートレーントランスミッション駆動価格(税込)

Z Premier

2.4L ターボエンジン(T24A-FTS)

Direct Shift-8AT

2WD(FF)

655万円

4WD

674万8000円

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

690万円

E-Four

712万円

Executive Lounge

シリーズパラレルハイブリッドシステム(A25A-FXS 2.5L)

電気式無段変速機

2WD(FF)

870万円

E-Four

892万円

話題の新型車、トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアに試乗しました。グレード構成はアルファードがZとエグゼクティブラウンジ、ヴェルファイアはZプレミアとエグゼクティブラウンジです。

まずは新型アルファード&新型ヴェルファイアの外観の違いから見ていきましょう。

外観はどちらも存在感が強いです。新型アルファードは豪華指向、新型ヴェルファイアはブラックのグリルがスポーティです。

この違いはそれぞれのキャラクターを現しています。後ほど示す走行性能で詳しく解説します。

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアの室内空間

次は車内をチェックします。床は同じトヨタのミニバンである新型ノア&新型ヴォクシーよりも70mmほど高いです。乗降性や走行性能、燃費などを考えると、床は低く抑える方が合理的ですが、新型アルファード&新型ヴェルファイアはあえて高く設定されています。観光バスのように周囲を見降ろせることや、フロントマスクも厚くデザインできるなど、外観の存在感を一層強められるからです。

床の高さという点では、使いやすさよりもデザイン性を重視した「売れるクルマづくり」が優先された結果と言えます。購入時には、乗降性を確かめておきたいです。

新型アルファード&新型ヴェルファイアのインパネの周辺は先代型と同等か、それ以上に上質です。インパネの中央には、14インチの大型ディスプレイも装着されており、カーナビの地図画面なども見やすいです。

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアのシート

次に新型アルファード&新型ヴェルファイアのシートを見てみましょう。

1列目のシートは、サイズが十分に確保されているので快適です。特に新型ヴェルファイアは全グレードに本革シートが採用されており、伸縮性もあります。

2列目はグレードによってつくりが異なります。

2023年7月時点では安価なグレードにあたる新型アルファード Zと新型ヴェルファイア Zプレミアには、エグゼクティブパワーシートが装着されます。

両側に固定式アームレストが備わる豪華なシートです。座り心地は柔軟で、腰から大腿部をしっかりと支えることができます。座面の前側が少し持ち上がり、着座姿勢も安定します。後端までスライドさせると、足元空間が大きく広がります。身長170cmの乗員が乗車した時、膝先空間は握りコブシ5つ分です。

ただしここまで2列目の足元空間を広げると、3列目が狭くなります。多人数で乗車する時は、2列目の膝先空間を握りコブシ3つ分に調節すると良いです。この状態であれば、3列目にも握りコブシ2つ半の余裕ができます。

3列目の座り心地は、2列目に比べると劣ります。左右に跳ね上げて格納するため、背もたれや座面が薄くなったからです。また座面の長さ(奥行寸法)も短いです。2列目の座面長は510mmですが、3列目は450mmです。

それでも先代型の3列目に比べると、座り心地が少し改善され、着座位置を15mm下げ、若干ですが座面は柔軟にされています。多人数で長距離を移動する機会の多いユーザーは、3列目の座り心地を確認しましょう。

エグゼクティブラウンジのシート

新型アルファードと新型ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジでは、2列目が文字通りエグゼクティブラウンジシートに上級化されます。

座り心地は基本的にエグゼクティブパワーシートに近いですが、前後のスライド機能も電動になり、座面の前側をスイッチ操作で上下させることも可能です。前側を持ち上げると腰が適度に落ち込んで着座姿勢が安定します。

さらにエグゼクティブラウンジシートには、体をマッサージするリフレッシュ機能も備わり、座面内部の空気袋を膨らませて背中から大腿部までを優しく押します。

そのほか、左右独立式のムーンルーフやサイドウィンドウには下降するタイプのサンシェード、引き出し式のテーブルなども装着され、VIPの送迎やハイヤーなど、高級送迎車としての用途に適しています。

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアの運転感覚

次は新型アルファードと新型ヴェルファイアの運転感覚をチェックします。

アルファードとヴェルファイアの全長は4995mm、全幅は1850mmと大柄です。先代型よりも約50mm長く、最小回転半径も5.9mなので、0.1〜0.3m大回りになりました。小回りの利きは悪いです。

その一方で視界は先代型に比べて向上されました。インパネの上側がスッキリしたデザインになり、サイドウィンドウの下端が約30mm下がったので、前方と側方が見やすいです。それでも小回りの利きに不満があり、混雑した街中や駐車場では運転しにくいため、購入時には縦列駐車などを試しましょう。

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアのパワーユニット(動力源)

新型アルファード、新型ヴェルファイアのエンジンスペック

エンジンタイプ最高出力最大トルク

新型アルファード(2.5Lガソリンエンジン)

182馬力/6000rpm

235Nm/4100rpm

新型ヴェルファイア(2.4Lターボエンジン)

279馬力/6000rpm

430Nm/1700〜3600rpm

ハイブリッド(新型アルファード、新型ヴェルファイア共通)

190馬力/6000rpm

236Nm/4300〜4500rpm

新型アルファードと新型ヴェルファイアのパワーユニットは、新型アルファードには直列4気筒2.5Lのノーマルエンジンとハイブリッド、新型ヴェルファイアには2.4Lのターボと2.5Lのハイブリッドが搭載されます。

新型アルファードのノーマルエンジンは、実用回転域の駆動力に余裕があって扱いやすいですが、車両重量が2トンを超えるため、パワー不足の印象も受けます。特に2500回転以下の駆動力が不足気味で、発進直後は時速35km前後までの加速が緩慢です。

そのためで最も推奨度が高いパワーユニットは、新型アルファードと新型ヴェルファイアの両方に搭載される2.5Lハイブリッドです。設計が新しく、駆動用電池は出力の高いバイポーラ型ニッケル水素です。先代型のハイブリッドは、世代が古くシステム最高出力も197馬力でしたが、新型では250馬力に増強されました。

新型に搭載される2.5Lハイブリッドは特に実用域の駆動力に余裕があり、登り坂に差し掛かってアクセルペダルを軽く踏み増した時の反応は、3Lエンジン以上に相当します。通常の走りが静かなこともあり、発進時と加速時には4気筒特有の少し粗いノイズが耳障りに感じる人もいるかもしれませんが、走りの満足度は高いでしょう。

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアの燃費

ハイブリッドのWLTCモード燃費(2WD)は、新型アルファード Zグレードと新型ヴェルファイア Zプレミアグレードでは17.7km/Lです。新型アルファードに搭載される2.5Lノーマルエンジンの10.6km/Lに比べると、燃料代を約40%節約できます。

新型ヴェルファイアに搭載される2.4Lターボは、ノーマルタイプの4Lエンジンに相当する駆動力を実用回転域で発生させます。そのため、登坂路や高速道路での進入でも、アクセルペダルを軽く踏み増すと、必要な加速が得られます。

4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発で、ATは8速の有段式なので、高回転域を保って力強い加速を続けることもできます。

バランスが優れているのはハイブリッドですが、運転を楽しみたいユーザーには、2.4Lターボが適しています。WLTCモード燃費(2WD)は10.3km/Lなので、2.5Lノーマルエンジンとほぼ同じです。

トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアの違い

走行安定性や操舵感、乗り心地は、新型アルファードと新型ヴェルファイアでは性格が異なります。

新型アルファードは、Lサイズミニバンらしく上質な乗り心地が重視されました。18インチタイヤのZグレードは、時速40km以下で街中を走ると少し硬いですが、速度が上昇すると柔軟になります。特にノーマルエンジンのZグレードでは、ハイブリッドに比べるとボディが100kgほど軽く運転感覚も軽快です。

新型アルファードのエグゼクティブラウンジは、17インチタイヤを装着させて空気充填量を増やし、指定空気圧は230kPaと低いです。

ショックアブソーバーは周波数に応じた減衰力の切り替えが可能な周波数感応型になり、荒れた路面を走行する際に地面から受ける突き上げ感を和らげます。こうした装備の効果により、新型アルファード&新型ヴェルファイアのグレード構成の中では乗り心地が最も優れています。

その代わり峠道などを走行する際、急なカーブを曲がる時などにはタイヤの歪みが生じやすいです。パワーユニットは駆動力を高めたハイブリッドなので、2WDでは内側の駆動輪が空転する傾向も見られます。

そのため新型アルファードのエグゼクティブラウンジでは、こうした現象が抑えられるよう後輪をモーターで駆動する4WDのE-Fourを推奨します。

新型ヴェルファイアは、運転の楽しさを感じられる味付けとなっています。ボディの前側にパフォーマンスブレースを装着して、ステアリングシステムの支持剛性などを向上させました。これにより、走行時の振動や騒音、走行安定性などを高めています。

また、ショックアブソーバーの減衰力も新型アルファードに比べて高く、ワインディングなどでもしっかりと踏ん張ってくれます。

さらに、Zプレミアグレードには乗り心地の悪化を抑える周波数感応型のショックブソーバーが採用されています。こちらは新型アルファードの上級モデルであるエグゼクティブラウンジのみに設定されている仕様です。

そして全車にスポーティな19インチタイヤが装着されています

以上の相乗効果により、新型ヴェルファイアは高重心でボディの重いLサイズミニバンながら、ステアリングホイールを回し始めた時から車両の向きが正確に変わります。

操舵に対する反応をさらに機敏にすると、例えば危険を避ける時に、揺り返しが大きくなって後輪の接地性が下がるなど安定性を阻害することにつながるため、適度な反応度合いに抑えています。このように新型ヴェルファイアは、機敏な運転感覚と安定性のバランスを限界まで突き詰めました。

新型ヴェルファイアは走行性能に力を入れた代わりに乗り心地は少し硬めですが、全グレードに装着された周波数感応型ショックアブソーバーの効果もあり、粗さは感じません。適度な引き締まり感があり、従来モデルのメインユーザー層であるスポーティな運転感覚が好きな人に適しています。

新型アルファード&新型ヴェルファイアのベストバイグレード|新型アルファード ハイブリッドZ 2WDは総合的な商品力が高い

新型アルファード&新型ヴェルファイアのベストグレードは、新型アルファード ハイブリッドZ 2WD(620万円)です。ハイブリッドは動力性能と燃費が優れ、総合的な商品力が高いです。スポーティな運転感覚や本革シートが欲しい場合は、新型ヴェルファイア ハイブリッド Zプレミア 2WD(690万円)を検討すると良いでしょう。

走りの良さを追求したいなら、新型ヴェルファイア 2.4Lターボ Zプレミア 2WD(655万円)です。必要に応じて同グレードの4WD(674万8000円)を選んでください。逆に価格を安く抑えたい時は、新型アルファードにノーマルエンジンを搭載した2.5Z(540万円)がおすすめです。

ただし現時点で選べるのは上級グレードのみで、今後はベーシックなグレードも追加される予定です。2.5Lノーマルエンジンなら価格は400〜500万円、ハイブリッドでも500〜600万円程度となるでしょう。なお2023年6月22日に掲載した新型アルファードと新型ヴェルファイアのグレード選びに関する記事もぜひ参考にしてみてください。

新型アルファード&新型ヴェルファイアの納期|2023年8月時点で受注は一時停止されている

販売店では「2023年7月下旬時点で、新型アルファードと新型ヴェルファイアは受注台数の上限に達したため、受注は停止しました。再開時期は不明です」と案内されています。トヨタの定額制カーリースサービスのKINTOを使うと、10〜11か月で納車されますが、契約満了後に買い取ることができません。契約期間が満了した段階で車両を返却することとなっています。

新型アルファード&新型ヴェルファイアを購入するなら販売店に問い合わせて、受注を再開した段階で連絡がもらえるようにしておきましょう。

それでも「販売店では既に順番待ちができています」とのことで、再開してもすぐに受注が終了する可能性もあります。待つことを前提に考えれば、前述のベーシックなグレードが追加された後で、予算に合った仕様を選ぶ方法もあるでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正】

トヨタ/アルファード
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新車価格:
540万円872万円
中古価格:
30.1万円2,317.3万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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