日産 フェアレディZ 試乗レポート(1/4)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:原田 淳
Z33からZ34へ
先代モデルZ33の開発当時というと、日産はカルロス・ゴーン新体制となり再生を目指した時期。このときZ33開発はコンポーネンツの多くをスカイラインクーペと共用することが命題だった。つまり、より量産することによるコストダウンを目的としたのだ。当然、スカイラインクーペと同じホイールベースを持つZ33が誕生した。
しかし、2人乗りスポーツカーのZと、4人乗りのスカイラインクーペとの決定的な違いは、それぞれが求めるホイールベースにあったのだ。つまり、Zに後席は必要ないのだから・・・。
開発陣は、Z33にスポーツカー、そしてZとしての個性を植えつけた。しかし、何よりも重要視したのはグローバルカーとしてのスタビリティ。アウトバーンを全開で走っても安心できるスタビリティだ。その点においてZ33の長いホイールベースは貢献した。だが、今回のZ34でスポーツカーとしてのアジリティを求めるため、もう一度見直すことを選択した。かくしてZ34ではホイールベースが100mm短縮されている。しかも、Z33以上のスタビリティを保ちながら。
Z34も現行スカイラインクーペと同じプラットフォームを採用する。しかし、ホイールベースは短い。これは、専用の燃料タンクを開発するなどしてリアセクションをZ34専用に新規設計したからだ。これによって、リヤタイヤは100mm前方に移動しドライバーの腰に近づいたのだ。
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