日産 フェアレディZ 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:原田 淳
ヒール&トゥの呪縛からの開放
Z34の装備の中でトピックは6速MTに採用されるシンクロレブコントロールだ。
ATや2ペダル車に採用されるダウンシフト時のブリッピング機能をMT車にも取り入れたユニークなアイデア装備だ。これが予想以上に素晴らしいマネージメントを発揮する。 クラッチを切ってシフトレバーをダウンシフトする瞬間にワァン!と一瞬にしてエンジン回転が跳ね上がり、パーフェクトに回転が次のギヤにフィックスされるのだ。
このブリッピング(空ぶかし)時のエンジン音がスポーティで良い感じ。要するに、ヒール&トゥの呪縛から開放されるのでドライバーの右足はブレーキペダルに専念でき、よりステアリング操作に集中できる。実際に使ってみて、どうして他メーカーはこの利便性に気付かなかったのだろうかと、思うくらい。
そして、もう一方の7速ATの仕上がりもかなり良い。Dレンジでは非常に繋がりがスムーズで、コーナー進入時にはプログラムが自動的にシフトダウンして備えてくれる。まさにスポーツカーのプログラムだが、Mモードにチェンジした途端ツンツンとショックのあるシフトチェンジに変身するようにプログラミングされている。これは、スポーツカーらしくするために、わざと行った味付け。機能的には、ATの場合シフトチェンジを行うとき普通クラッチを完全に切るのだが、Z34では半クラ状態でチェンジさせているのだ。
その分加速も良くなる。この点、スムーズな繋がりではシンクロレブコントロールの6速MTの方が勝ってしまうのが面白いところだ。100km/h巡航時、6速MTの6速ギヤで約2,200rpm、7速ATの7速ギヤでは約2,000rpmで高速燃費はATの方が良さそうだ。
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