日産 セレナ燃費レポート|マイルドハイブリッド版の燃費を徹底チェック!e-POWER登場に期待がかかる(4/6)

  • 筆者: 永田 恵一
  • カメラマン:和田 清志・永田 恵一
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セレナ(Sハイブリッド版)実燃費レポート|高速道路編

セレナ(マイルドハイブリッド)高速道路での実燃費:16.4km/L

新型セレナが高速道路で16.4km/Lを記録した。これは、2リッターガソリンエンジンを搭載するノアを僅かながら上回る実燃費だ。動力性能としては、2リッター級で1.5リッターターボを搭載するステップワゴンの燃費も掲載するが、この3台は燃費に関してはそう大きな差はないと考えていいだろう。

日産 セレナ(Sハイブリッド)実燃費レポート|高速道路編
車種名実燃費パワートレイン

日産 セレナ(Sハイブリッド)

16.4km/L

2Lガソリン+Sハイブリッド

トヨタ ノア(2014年)

16.3km/L

2Lガソリン

ホンダ ステップワゴン(2015年)

15.5km/L

1.5Lガソリンターボ

高速での動力性能には不満なし、エンジン音も特に気にならない

新型セレナの動力性能に関しては、車重が1700kg近いためモーターのアシストを体感することはできなかった。しかし、アクセルを深く踏むとガソリンエンジンを搭載するMサイズミニバンとしてはなかなかパワフルで、高速道路本線への合流や追い越し加速の際の瞬発力に不満はなかった。

ミニバンは、他のボディ形状のクルマに比べてシートが多かったりスライドドアを採用したりと、コストがかかる要因が多い。しかし価格は抑え対とする相反した要件を満たすためか、エンジンにコストを割けないというケースが多いようで、エンジンが高回転になるとフィーリングが雑になったり音がうるさくなる場合がある。特にトヨタ ノアや先代の日産 セレナはその傾向があったが、新型のセレナはエンジンを高回転まで回してもエンジン音は耳障りでない力強いものとなっており好印象だった。なお100km/h走行時のエンジン回転数は1600回転と低く抑えられていた。

高速道路でプロパイロットを使ってみた

高速道路でプロパイロットを使った際の良かった点と、悪かった点をまとめてみよう。

良かった点

・普通の交通量で使っている分にはまずまずのスムースさで加減速を行う

・三段階から選べるACCの車間距離も適切

・ハンドル操作をアシストするステアリング制御は、積極的に車線の中央をキープしようとしており、首都高速の緩いコーナーであればしっかり対応してくれる

悪かった点

・先行車がいなくなった際の設定速度までの回復や、先行車が減速後に加速したといったケースでの追従が遅く後続車の迷惑になるので、ドライバーがアクセルを踏まざるを得ないことがしばしばある

・道路の白線を読むのが遅いことが多々あり、ステアリング制御の開始も遅れがち

といったようにプロパイロットの機能は良かった点もあるが、悪かった点がクリティカルなので、残念ながら現状の完成度は低いと言わざるを得ない。

また、スバルのアイサイトツーリングアシストや、トヨタの第二世代版セーフティセンスと比べても、先行車の走った軌跡を追従する機能がなくハンドル操作の開始の遅れがあるなど、細かい機能に関しては他社に見劣りしてしまう。

セレナのプロパイロットは24万3000円のセーフティパックBというサイドカーテンエアバッグなどの安全装備とセットとなるため、プロパイロットそのものの価格は分かりにくい。この中に接触事故などの防止に絶大な効果を持つブラインドスポットモニタリングが含まれていれば、現状の完成度でも積極的に装着を勧めたくなるのだが・・・。このように、「コストパフォーマンスを考えると装着は微妙」というのが率直な印象だが、「セレナを選んだ決め手」という納得感のためには装着したほうがいいだろう。

しかし、第2弾(エクストレイル)と第3弾(リーフ)に搭載されたプロパイロットは劇的な進歩を遂げており、セレナのプロパイロットもe-POWERの追加を期に改良が施されれば、安全装備の面でもアドバンテージになることが期待できる。

カメラを“目”とする自動ブレーキの意外な弱点

なお自動ブレーキやACCに使われるカメラは人間の目と同じように逆光に弱く、厳しい逆光では機能を停止してしまうことがある。セレナSハイブリッドの燃費テスト中も非常に厳しい逆光に遭い、セレナのプロパイロットもカメラが機能を停止しギブアップしてしまったのだが(この時の逆光は多くのメーカーのもので機能を停止してしまうほどの厳しさだったと思う)。しかしセレナのプロパイロットはギブアップこそしたものの、その回復は厳しい逆光が続いていたことを考えれば驚くほど早く、現状はともかくセレナの単眼カメラやプロパイロットのポテンシャルの高さを感じ、ハードウェアが単眼カメラだけというコスト的な有利さも含め今後大化けする可能性もあるかもしれない。

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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