日産 新型セレナの燃費や価格、内装、おすすめグレードなどを紹介

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2022年11月末に、およそ6年ぶりとなるフルモデルチェンジを果たした日産 セレナ。新型セレナは、初代から受け継がれる室内空間の広さや利便性はそのままに、移動時の快適性を追求し、最先端技術の搭載や様々な機能の充実が行われています。そんな新型セレナについて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型セレナを含め、2022年は各社ミニバンが新型モデルに
  2. 発電用エンジンと駆動用モーターの性能が向上|日産 新型セレナの動力源(パワーユニット)
  3. 先進性と美しさを追求したエクステリア|日産 新型セレナの外観・デザイン
  4. ボディサイズは先代型とほぼ同じ|日産 新型セレナのボディサイズ
  5. シフト操作はスイッチ式に! スタイリッシュでシンプルになったインパネ|日産 新型セレナの内装
  6. 座り心地や収納設備などが改善されたたシート|日産 新型セレナの1列目、2列目、3列目シートそれぞれの座り心地
  7. 力強さが増して、従来以上に走りが滑らか|日産 新型セレナの動力性能
  8. 運転しやすく、上質な印象も|日産 新型セレナの走行安定性
  9. 回生充電の効率を見直し、燃費性能が向上|日産 新型セレナの燃費
  10. ガソリンモデルよりも燃費、動力性能、静粛性なども優れたe-POWERモデルが買い!|日産 新型セレナの価格、おすすめグレード
  11. 今のところ納期は約3ヶ月と短め|日産 新型セレナの納期状況

新型セレナを含め、2022年は各社ミニバンが新型モデルに

2022年は「ミニバンの年」です。トヨタではノア&ヴォクシーとシエンタ、ホンダではステップワゴンがフルモデルチェンジを行い、最後を飾るのが日産 新型セレナです。

新型セレナのボディサイズは、従来型と同じく、標準ボディは5ナンバーサイズです。エアロパーツを装着したハイウェイスターが3ナンバー車になります。さらに、新型セレナではプロパイロット2.0を標準装備したハイウェイスターの上位モデルとなる最上位グレード「ルキシオン」も新設定しています。新型ノア&ヴォクシーと新型ステップワゴンは、全車が3ナンバー車になりましたが、新型セレナは5ナンバーサイズを残しています。

発電用エンジンと駆動用モーターの性能が向上|日産 新型セレナの動力源(パワーユニット)

新型セレナの動力源(パワーユニット)は、基本的には先代型と同様で、ノーマルタイプとハイブリッドのe-POWERを用意しています。先代型のノーマルエンジンは、マイルドタイプのSハイブリッド(スマートシンプル)がありましたが、新型になってこのタイプは廃止されました。

またe-POWERは、エンジンで発電を行い、駆動は発電された電気を使ってモーターが担当します。この発電用エンジンが、従来の直列3気筒1.2Lから1.4Lに拡大されました。駆動を行うモーターも性能が変更され、従来型は最高出力が136馬力、最大トルクは32.6kg-mでしたが、新型は163馬力・32.1kg-mです。最大トルクは少し下がりましたが、最高出力は27馬力の上乗せです。

先進性と美しさを追求したエクステリア|日産 新型セレナの外観・デザイン

そこでテストコースを使って試乗を行いました。まず外観を見ると、フロントマスクに特徴があります。LEDヘッドランプのロー/ハイビーム/車幅灯が縦方向に並び、日産車の特徴であるV字型グリルをランプで表現しています。すべてのランプはLED化され、先進性と美しさが追求されています。

ボディサイズは先代型とほぼ同じ|日産 新型セレナのボディサイズ

新型セレナのボディサイズは、標準ボディの場合、全長4690mm × 全幅1695mm × 全高1870mmで、前述の通り5ナンバーサイズに収まります。新型セレナ ハイウェイスターは、全長4765mm × 全幅1715mm × 全高1870mm(最上級のルキシオンは1885mm)で、3ナンバー車になります。

先代型に比べると、新型セレナ ハイウェイスターの全幅が1740mmから1715mmに抑えられるなど若干の違いはありますが、ほぼ同じ大きさです。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は10mm伸びて2870mmになりましたが、意図的に伸ばしたわけではありません。プラットフォームは先代型と共通です。

そのために床が高く、新型ノア&ヴォクシーや新型ステップワゴンを70〜80mm上まわります。サイドステップ(小さな階段)を使って乗り降りするため、前述のライバル2車に比べて乗降性は悪いです。

シフト操作はスイッチ式に! スタイリッシュでシンプルになったインパネ|日産 新型セレナの内装

新型セレナの内装は、インパネを見ると先代型に比べてデザインが変わりました。液晶のメーターとカーナビ画面が並び、インパネ中央の下側には、エアコンを操作する液晶タッチパネルが装着されます。

さらにその下側には、押しボタン式のATスイッチを配置しました。先代型はレバー式だったので使い勝手が異なります。先代型から乗り替える時は注意しましょう。

メーターの視認性は良いですが、e-POWERのスイッチは扱いにくいです。eペダルのスイッチがATスイッチの左側に装着され、エコやスポーツモードを切り替えるドライブモードスイッチは、インパネ右側の低い位置に配置されているためです。運転感覚や走行性能を切り替えるスイッチは、まとめて装着した方が扱いやすく、ここは若干の注意が必要でしょう。

座り心地や収納設備などが改善されたたシート|日産 新型セレナの1列目、2列目、3列目シートそれぞれの座り心地

新型セレナの1列目のシートは、サイズを十分に確保しました。体重が加わる背もたれの下側と座面の後方が硬めで、座り心地が良く、長距離を快適に移動できます。

新型セレナの2列目のシートアレンジは、先代型ではe-POWERがシンプルでした。シート形状もセパレートタイプのみでしたが、新型はアレンジの多彩なベンチタイプを採用しています。2列目の中央部分を1列目の間までスライドさせると、収納設備として使えます。この時は2列目の中央に空間ができて、車内の移動もしやすいです。2列目がセパレートタイプの場合、乗車定員は8名です。しかし最上級のルキシオンとオーテックは、セパレートタイプの7人乗りです。

2列目の座り心地は、先代型に比べて向上しました。腰の周辺をしっかりと支えて快適です。大腿部の支え方も変わりましたが、床と座面の間隔が比較的離れていて、小柄な乗員は大腿部を押された感覚になりやすいです。座り心地に注意しましょう。先代型のe-POWERは、1列目の下に配置された駆動用電池の張り出しが大きく、2列目に座る乗員の足が1列目の下に収まりにくかったです。新型ではこの点が改善され、足が収まりやすいために着座姿勢も最適化されました。

新型セレナの3列目の足元空間は、先代型と共通ですが、ライバル車に比べると広いです。身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節すると、3列目に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ半の余裕ができます。同じ計り方をした場合、新型ステップワゴンは握りコブシ2つ分、新型ノア&ヴォクシーは1つ半に留まります。

新型セレナの3列目の座り心地は、2列目には劣りますが、先代型に比べると腰のサポート性が向上しています。シート自体の剛性も高まり、走行中に揺すられて着座感覚が不安定になる欠点が弱まりました。

力強さが増して、従来以上に走りが滑らか|日産 新型セレナの動力性能

発進すると視界の良さに気付きます。先代セレナもサイドウインドウの下端が低く、ミニバンの中では視界が優れていましたが、新型セレナは下端の前側が先代型よりもさらに下がり、斜め前側が一層見やすくなっています。開発者は「左側の視界が向上したから、ドアミラーに装着していた補助ミラーも省くことができました」とコメントしました。最小回転半径は先代型と同じ5.7mなので、小回りの利きはミニバンの平均水準です。

新型セレナの動力性能はどうでしょうか。直列4気筒2Lノーマルエンジンは、実用的には十分な性能を発揮します。登坂路ではパワー不足を感じますが、2Lの排気量を考えると仕方ありません。動力性能をこれ以上高めるには、排気量の拡大やターボの装着が必要です。

ノーマルエンジンの特徴は、エンジンの負荷が大きくパワー不足を感じる割に、耳障りな粗いノイズを抑えたことです。先代型に比べると、時速40〜60kmでアクセルペダルを緩く踏み増した時の反応が向上しました。最高出力は150馬力(6000回転)、最大トルクは20.4kg-m(4400回転)だから先代型と同じですが、実用回転域の駆動力を少し向上させて走りが滑らかになりました。

一方、e-POWERは、発電用エンジンの変更と制御の見直しにより、実用回転域の駆動力が相応に高まっています。e-POWERはモーター駆動だから、もともとアクセル操作に対する反応が機敏で、アクセルペダルを踏み増すと即座に駆動力を高めました。新型セレナではこの力強さが増して、従来以上に走りが滑らかです。動力性能も高められ、ノーマルエンジンに当てはめると3Lクラスに匹敵します。エンジンノイズも抑えましたが、その代わりに、タイヤが路上を転がる時に発する騒音が少し目立っています。

運転しやすく、上質な印象も|日産 新型セレナの走行安定性

新型セレナの走行安定性はライバルに比べて見劣りします。スポーティに走るクルマではありませんが、カーブを曲がる時には、ボディが大きめに傾きます。前述の通り床の位置がライバル車に比べて70〜80mm高く、高重心になったからです。唐突な傾き方ではありませんが、背の高いクルマを運転していることを実感させます。

高重心でも後輪の接地性を高めて挙動の乱れを抑えるため、操舵に対する反応の仕方が鈍めです。峠道などを走ると車両が内側を向きにくく、車線変更時にも曲がりにくさを感じます。その代わりに不安な挙動変化は生じにくいです。

新型セレナではステアリングの支持剛性が高められ、ステアリング操作をした時の曖昧な動きが抑えられました。運転しやすく、上質な印象も受けます。

乗り心地は硬めです。指定空気圧は燃費も考慮して、前後輪ともに先代型と同じ280kPaと高いです。ただしタイヤサイズは従来の195/60R16から205/65R16に変更され、先代型に比べれば、角が丸くなって突き上げ感も抑えました。

回生充電の効率を見直し、燃費性能が向上|日産 新型セレナの燃費

新型セレナのWLTCモード燃費は、ノーマルエンジンのハイウェイスターVが13km/L、e-POWERハイウェイスターVは19.3km/Lです。ノーマルエンジンは先代型に比べて0.2km/L悪化していますが、e-POWERは1.3km/L向上しました。先代型の場合、アクセルペダルを戻した時に積極的な充電を行うeペダルを使わないと、減速エネルギーを使った回生充電の効率が悪化しました。新型セレナではそこを改めて、eペダルを使わずにドライバーがフットブレーキを作動させた時でも、ディスクブレーキの使用を控えてモーターによる回生充電が行われます。運転の仕方にかかわらず、燃費性能を向上できるようになりました。

ガソリンモデルよりも燃費、動力性能、静粛性なども優れたe-POWERモデルが買い!|日産 新型セレナの価格、おすすめグレード

駆動方式

エンジン

グレード

乗車人数

ミッション

価格(消費税込)

2WD

HR14DDe-EM57(ハイブリッド) 

e-POWER X

8

319万8800円

e-POWER XV

349万9100円

e-POWER ハイウェイスター V

368万6100円

e-POWER LUXION

7

479万8200円

MR20DD(ガソリン)

X

8

エクストロニック

CVT

276万8700円

XV

308万8800円

ハイウェイスター V

326万9200円

新型セレナで推奨されるパワーユニットはe-POWERです。ノーマルエンジンに比べて価格は約41万円高いですが、税額の違いによって差額は30万円以下に縮まります。しかもe-POWERは、燃費、動力性能、静粛性なども優れ、ノーマルエンジンよりも推奨度が高いです。ベストグレードは、e-POWERハイウェイスターV(368万6100円)になります。

最上級のe-POWERルキシオン(479万8200円)は、さらにおよそ111万円ほど高いですが、高速道路でステアリングホイールから手を離しても運転支援が続くプロパイロット2.0、SOSコール、日産コネクトナビ、合成皮革の専用シート生地などが標準装着されます。長距離を移動する機会が多く、予算に余裕がある時は、e-POWERルキシオンも検討しましょう。

逆に予算を抑えたい場合は、価格が最も安いノーマルエンジンを搭載する標準ボディのX(276万8700円)が注目されます。スライドドアの電動機能はオプションですが、ひと通りの安全装備などを標準装着して、価格を280万円以下に抑えました。

今のところ納期は約3ヶ月と短め|日産 新型セレナの納期状況

以上のようにセレナは、グレードが多彩です。3列目のシートが新型ノア&ヴォクシーや新型ステップワゴンよりも広く、5ナンバー車も用意することから、ファミリーユーザーにピッタリです。ミニバンの王道を行くクルマに仕上げました。

販売店に納期を尋ねると「人気の新型車とあって、大量に生産できる準備をしています。2022年11月下旬に予約受注で注文された場合、納車は2023年1月頃です」とのことです。今のところ納期は約3ヶ月と短いですが、これからは急速に遅延する可能性もあります。購入するなら商談を早めに開始しましょう。

[筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/MOTA編集部]

日産/セレナ
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新車価格:
276.9万円479.8万円
中古価格:
18万円517.9万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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